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アイヅとエドが戦争!?

 転校生がやって来たその日の一時間目が終わると、俺は気が気でなかった。陽香がまたぷんぷんと怒って来るんじゃないかと思っていたからだ。

 恐る恐る陽香に目をやると、完全に怒っているのか、不機嫌そうな表情で自分の席に座ったままだ。 俺が陽香のご機嫌を取りに行こうかと立ち上がった時だった。

 俺は背中をつんつんされた。

 俺が振り向くと、そこには転校生の彩加が恥ずかしそうに立っていた。

 思わず俺の鼓動は高鳴り、顔がほてってしまったのを感じた。

 俺がごくりと唾を飲むと、彩加が胸のあたりで両手を結んで、俺をじっと見つめて、話しはじめた。


 「あのぅ、お願いがあるんですぅ」


 そう言って、彩加が一歩前に出て、俺に接近してきた。


 「あ、は、はい。俺?」


 どぎまぎしてしまった俺は思わず真っ赤な顔で、そう言った。


 「彩加、この学校の事よく分からないんです。

 案内してもらえません?」


 俺に?

 そうたずねたかったが、俺は声を出すことができず、自分の右手の一指し指で自分の顔を刺した。

 すると彩加はうんと頷いてから、言った。


 「ねっ!」


 そして、彩加は俺の手をぎゅっと握って、手を引っ張って、教室の外に連れ出そうとした。

 ちょっとうれしいが、陽香と玲奈が気になる。彩加に引っ張られながら、慌てて二人に視線を向けた。

 陽香は完全に俺から顔をそむけ、運動場の方に顔を向けている。これはかなり怒っているに違いない。

 玲奈は自分の席で立ちあがって、驚いた顔で口元を両手で覆っている。

 これは困ったぞ。

 そう思って、俺は立ちどまった。彩加と俺をつなぐ腕がぴんと伸びて、彩加がどうしたの?と言う表情で俺を見ている。

 そんな時だった。

 教室のスピーカーから、とんでもない放送が流れてきた。

 大国エドの向こうにあるアイヅがエドに戦争を仕掛けたらしい。

 俺の国ヤマシロはエドと同じナーラ民族だが、ツルガはヤーヨイ民族と言う他の民族の国家である。エドの軍事力の前に、平和が保たれていたのに、どうした事かエドに戦争を仕掛けたらしい。

 戦争を仕掛けると言う事は、それなりの勝算があるはずだ。これはちょっと面倒な事になりそうな気がした。

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