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一変した俺の人生!

 俺の人生は一変した。

 普通の高校生だった俺が突然、撃墜王ともてはやされたかと思えば、今は軍の機密を他国に流し、多くのパイロットを犠牲にしながら、自分は戦いに行かなかった売国奴と言う汚名を着せられ、狭く空気も澱んだ狭い牢獄に押し込められている。

 俺の父親もどこかに収監されているらしいが、一緒にすることはできないと言う事で、こことは違う場所で俺と同じ目に遭っているらしい。

 はっきり言って、俺はあの10ほど前の事件で、拉致されそうになった本人である。あれが俺や俺の父親が作った芝居なんかじゃない事は俺自身、よく知っている。

 だとすると、なんでこんな事になったのか。

 罠にはめられた。

 そこまでは分かるが、どうやって、誰にはめられたのか、俺には分からない。

 俺を信じていると言ってくれた松山が、俺たち親子を犯人と決め付けるほどの証拠をどうやって、俺の家のパソコンに埋め込んだのか。

 考えてみても、全く分からない。

 日々の取り調べの中で、俺はもしかしたら、本当は俺がしたのかも知れないと言う気がもたげてくる事がある。

 考えても分からないと言う事は、やはり目の前に突き付けられている事が真実なのかも知れない。そう思えてくるのだ。



 そんなある日だった。陽香と玲奈が俺を訪ねてきてくれた。

 用意された椅子に座って、二人に目をやる。

 固いくせに、妙な柔軟性も備えた透明の樹脂が、俺と二人を隔てている。いや、世界を隔てている。 向こうには明るく、自由な幸せがあるが、俺の方にはない。

 しかもだ、あれからミマサカと停戦合意し、今や戦争はエドとアイヅの間だけになっているらしく、外の世界は至って平和らしい。

 二人と俺を隔てる樹脂の衝立に開けられたいくつもの小さな穴を通して、二人の声が伝わってくる。


 「亮君、大丈夫なの?」


 心配そうに玲奈が言った言葉に、俺の瞳から何かが溢れそうになるのをぐっとこらえて、俺は言う。


 「ああ。もちろんだよ」

 「なぁんだ、心配して損しちゃった」


 相変わらずの陽香を見ていると、俺だけ一人が別の世界に連れ去られた気分で、こらえていたものが瞳からあふれ出す。

 そんな俺に二人が驚いた表情を一瞬浮かべた。


 「亮、私に会えて泣くほどうれしいんだ」

 「いいえ。亮君は私に会えた事がうれしいんですよ。

 ねっ?」


 俺に気を使って、涙の理由をごまかしてくれた事はありがたい事だ。何だか、二人のやり取りを見ていると、俺は少し気が楽になり、自然と笑みがこぼれた。


 「私たち、亮の事信じてるんだからね」

 「そうだよ。

 やってもいない事、やっちゃったなんて、言ったらだめだよ」

 「ありがとう」


 俺はばかなのだろうか。二人の言葉だけで、俺の折れかけていた心は持ち直した。


 「ねぇ。亮君。

 私のお父さんも、亮君の事、信じてるって言ってたよ」


 俺は目が見開いた。そうだった。玲奈のお父さんは軍のお偉いさんだった。俺にパイロットに勧めたのも玲奈のお父さんである。


 「ありがとう。

 俺は絶対、してないから」


 俺は力を込めて言った。

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