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真之

氏之(持隆)の興亡3

作者: 重左衛門
掲載日:2026/07/14

永世の錯乱終結


そして時代が遡り四国の話へ

(前略:七月十日京都に至りて)嵐山を刑勢す。聞こえ大兵、揚発し向城むかいじろの中、孤軍にて相対せり。三百余人、打って出ず。百之橋(百瀬橋/戻橋などの類か)の中に於いて攻戦す。吾が勝負これ没す(決せず)。彼と我との兵、死致す者其の数を知らず。元継死戦し、設従兵、搦橋踰(からめばしを越え)、打って出ず。三好が陣代に入り、戦酣たけなわにして、勝敗未だ定まらざるに、元継、夫(陣中)に於いて死す。三好が兵士、これを見て競い進み攻戦す。城中兵、若干死す。細川九郎澄之、従兵二百余人、これと相戦う力竭つきて、自殺す。三好筑前守、則ち六郎澄元を立て、政元之家に替えて管領に仕る。時に拾六歳なり。筑前守(三好之長)、其の後を見るに、王畿(畿内)諸州に威を振るう。文明拾年、細川政元、阿讃の兵(阿波・讃岐の軍)に将命して、豫州(伊予)河野氏を討つ。是の去(過去)、応仁年中、山名方と称して、細川勝元に令従せざる故に、此の四国を去る。延元年中、細川刑部大輔頼春、四国の大将軍を給うより以来、世々四列(細川の一族・宿老)を統領す。然るに河野氏稍々(やや)将軍家の命をたがう。(細川政元による)南方役落(南征・伊予攻略)の後、細川頼之の讃州(讃岐)へ下向有り。豫州(伊予)を攻め、河野及び、居徳能・高市・宇都宮等を、至りて悉く服従せしむ。四州平均(四国が平定)す。然る処、応仁の役に、河野復また細川家に交わりを絶ち、大内政弘と興に力し、山名方に合力す。殊に近曽(近頃)同列の諸将を攻め、逆威(反逆の威勢)国中に震う。其の領を奪い取る。故に、細川政元より、阿波屋形(細川)義春を大将として、阿淡及讃州の諸将、貳万余人を以て、豫州へ発向せしむ。讃岐国住人、香川肥前守元明、香西備後守元資、奈良、大内(大形)……


現代語訳(大意)(前回の続き:7月10日に京都へ到着し、敵が籠る)嵐山城を包囲した。細川澄元・三好らの大軍が攻め寄せたため、城内(九郎澄之・香西らの軍)は孤軍奮闘の状態で対峙することとなった。城内から300余人の兵が打って出て、橋の周辺で激しい攻防戦が繰り広げられた。勝負はなかなか決せず、双方の戦死者は数知れなかった。細川元継(澄之方の武将)は死力を尽くして戦い、従兵を引き連れて搦手(裏手)の橋を越えて打って出た。三好の陣代(本陣)へと斬り込み、戦闘はたけなわとなったが、勝敗が決まる前に元継は陣中で討ち死にした。三好の兵士たちはこれを見て、勢いづいて競い進み、激しく攻め立てた。城内の兵は次々と討たれ、細川九郎澄之(政元が迎えた他家からの養子)は、従兵200余人とともに相戦ったが、力尽きて自害した。三好筑前守(之長)は、ただちに六郎澄元を細川本家の後継者として立て、亡き政元の跡を継がせて管領の職に就かせた。この時、澄元はわずか16歳であった。三好筑前守(之長)は、この戦功によって、その後の畿内や諸国に大いなる威勢を振るうこととなった。(ここから時代が遡り、細川家と四国・伊予の河野氏との因縁の歴史が語られます)文明10年(1478年)、細川政元は阿波・讃岐の兵を率いるよう命じ、伊予の河野氏を討伐させた。そもそも過去の応仁の乱(応仁年中)において、河野氏は山名方に味方し、細川勝元(政元の父)に従わなかったため、四国の一統から外れていた。延元年中(南北朝時代)に細川刑部大輔頼春が「四国の大将軍」に任じられて以来、細川家は代々四国の諸勢力を統率してきた。しかし、河野氏はたびたび将軍家の命令に背いていた。かつての南征(伊予攻略)の後、名将・細川頼之が讃岐へと下向した。その際、伊予へ攻め込んで河野氏をはじめ、現地の徳能氏・高市氏・宇都宮氏らをことごとく服従させ、四国全土を平定(平均)した歴史があった。それにもかかわらず、先の応仁の乱において、河野氏は再び細川家との国交を断絶し、西軍の大内政弘と結んで山名方に合力した。特に近頃では、細川方に属する近隣の諸将を攻撃し、その反逆の威勢は国中に震え、領地を奪い取るほどであった。そのため、細川政元は(本家を代表して)、阿波守護(阿波屋形)の細川義春を総大将に任命し、阿波・淡路・讃岐の諸将からなる2万余人の大軍を伊予(豫州)へ発向させた。この遠征軍には、讃岐国の国人領主である香川肥前守元明、香西備後守元資、奈良氏、大内氏(※あるいは大形氏)らが加わっていた……。

続く

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