第1話 不良、異世界に殴り込む
不良、異世界に殴り込む
俺の名前は神崎蓮。
喧嘩負けなしの戦闘狂。地元じゃ知らない奴はいない。教師も親も俺には逆らえない。親父は警察幹部、母親は地元議員。頭も良くて成績は常にトップ。だけど、そんなことはどうでもいい。俺が求めてるのは――平穏だ。
俺は最強の不良軍団「蓮華」を作り、地域を支配した。暴走族、ヤクザ、チンピラ、全部潰した。だが、退屈だった。誰も俺に勝てない。だから、俺は自分で作った蓮華を敵に回した。裏切り者として、全員を敵に回して戦った。結果?壊滅。俺一人で、百人を潰した。
そして、俺は思った。
「俺の人生、つまんねぇな」
周りは畏怖して誰も俺とつるもうとしなくなった。
俺の人生って、何なんだろう…
人に嫌われたかったんか?俺は…?
自分が何故喧嘩をしてきたのかもわからなくなっていた。
でも、今更、喧嘩っ早い暴力キャラは変えれなかった…。
そんなある日、俺はふらっとラーメン屋に入った。
店の名前は『異味軒』。
カウンターに座り、メニューを見る。
「普通、みそ、塩、しょうゆ……マヨネーズだと?」
ふざけてんのか?でも、俺は興味を持った。
「ラーメン。マヨネーズで。」
ピクッと店主は反応し、
「焼き方は?」
と目も合わさず聞いてきた。
(焼き方?ラーメンだろ?)
「焼き方は……ミディアムで」
適当に答えた。
店主は無言で頷き、奥の暖簾をくぐるように言った。
「こちらへどうぞ」
俺は言われるがまま奥へ進む。
すると、目の前が歪んだ。
――気づけば、そこは異世界だった。
空は紫、地面は青。空中に浮かぶ島々。
人々はローブを纏い、杖を持ち、魔法を使っていた。
「……嘘だろ…おい…」
この世界の奴らは、俺のことを知らない。
今度こそ、そんなに目立たず、普通の人間としてやり直そう。




