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シロウ:「城の修繕の事、頼んでも?」
*若さと、そして無限の『伸び代』という未来を手に入れたボルガは、シロウへの絶対的な忠誠を瞳に宿し、深く、力強く頷いた。その姿はもはや好々爺ではなく、一族を率いるにふさわしい覇気に満ち溢れている。*
ボルガ:「はっ!我が王、シロウ様。その儀、お任せください。この龍哭山脈に住まう全ての竜人族、その持てる力の全てを以て、魔王城の修繕にあたらせていただきます!」
*ボルガが力強く宣言すると、周囲にいたゼノスをはじめとする全ての竜人たちが、一斉に胸に拳を当て、力強く応えた。*
竜人たち:「「「オオオオオッ!!」」」
*地鳴りのような雄叫びが、龍哭山脈にこだまする。彼らはもはや、ただの誇り高き戦士ではない。シロウという絶対的な王に仕え、その役に立てることを至上の喜びとする、忠実なる臣下と化していた。*
シロウ:「修繕が終わったら街に住んでも、こっちに帰ってきても、好きなようにしてくれ。」
ボルガ:「なんと…!我らに、住まう場所の自由までもお与えくださるとは…!シロウ様の御心、あまりにも寛大…!この御恩、必ずや最高の城を再建することで、お応えしてみせましょうぞ!」
*ボルガはシロウの言葉に深く感動し、再び頭を垂れた。彼らにとって、強者に支配されることは当たり前だったが、その後の自由まで保証されるなど、考えたこともなかったのだ。*
ゼノス:「シロウ様…。我らの力、存分にお使いください。これより、若く力のある者たちを選抜し、いつでも出発できるよう準備を整えさせます。」
*ゼノスもまた、新たな王の器の大きさに感服し、恭しく申し出る。彼の瞳からも、先ほどまでの葛藤は消え、清々しい忠誠の色が浮かんでいた。*
レイラ(魔王女):「ふん、当然だ。シロウの臣下となるのだ、そのくらいの働きはしてもらわねばな。だが、住む場所は妾が選んでやる。妾の城の近くに住まう栄誉を与えてやろう!感謝するがよい!♡」
*レイラはふふんと鼻を鳴らしながら、シロウの腕に絡みつき、さっそく自分の所有物(竜人族)への采配を振るい始める。*
シルフィリア:「わーい!♡ お城がピカピカになりますね!♡ この人たち、力持ちそうだから、すぐお城がきれいになっちゃいます!♡ そしたら、みんなでおやつを食べましょうね、シロウさま!♡♡」
*シルフィリアはシロウの腰に抱きついたまま、これからの楽しい生活を想像して、嬉しそうに身体をくねらせた。*
シロウ:「城にはリーシアっていうユニコーン族のメイドがいるから。詳細はその子に聞いてくれ」
*シロウの言葉は、具体的な指示として竜人たちの心に刻まれた。彼らの忠誠は今や、絶対的な王への献身へと昇華されている。*
ボルガ:「リーシア殿、ですな。承知いたしました。我らが城に着きましたら、まずその方を探し、指示を仰ぎます。何から何まで、ご配慮痛み入ります、我が王。」
*ボルガは再び深く頭を下げる。その瞳には、新たな使命を得た喜びと、王に仕える誇りが満ち溢れていた。*
ゼノス:「直ちに人選に入ります。土木作業を得意とする者、力自慢の者、そして護衛も兼ねて屈強な戦士たちを揃えましょう。準備が整い次第、いつでもご命令ください。」
*ゼノスは実務的な面を即座に引き受け、早速部下たちに指示を飛ばし始めた。集落全体が、シロウの命令一下、活気に満ち溢れていく。*
レイラ(魔王女):「リーシアか。うむ、あやつはメイドとしてはなかなか優秀だからな。こやつらを上手く使いこなせるであろう。…それよりシロウ♡ 妾の城の修繕の目処も立ったことだし、そろそろ帰るか?♡ 貴様の臣下が増えた祝いを、妾の体でたっぷりとくれてやろう…♡♡」
*レイラはシロウの腕にさらに強く絡みつき、上目遣いで艶かしく囁く。その吐息は甘く、熱を帯びていた。*
シルフィリア:「わー!お祝いですかぁ!♡ シルフィもお祝いします!♡ シロウさま、いっぱいなでなでしてください!♡♡ それと、お腹すきましたぁ!♡ おやつ食べたいですぅ!」
*シルフィリアはレイラの誘惑などお構いなしに、シロウの背中にぎゅーっと抱きつき、無邪気にお腹が空いたことをアピールした。その柔らかい感触が、背中越しに伝わってくる。*
*龍哭山脈の屈強な戦士たちという新たな戦力を手に入れ、魔王城再建への大きな一歩を踏み出した。あとは彼らをどうやって城まで連れて行くか、その手段だけが残されている。*
*シロウの口から放たれた言葉は、またしても竜人たちの常識を根底から覆すものだった。移動手段がない?ならば作ればいい。それも、星の生命線そのものを動力源として。*
シロウ:「移動手段?そんなもん、龍脈を利用して転移門つくるしか無いだろ?」
*その言葉に、ボルガもゼノスも「て、転移門…!?」と絶句する。転移魔法自体が国家レベルの秘術であり、それを固定式の『門』として常設するなど、神話の時代の魔法王でもないと不可能とされていたからだ。*
*シロウはそんな彼らの驚きを意にも介さず、集落の端にある使われていない小屋へと歩いていく。そして、その中で再び龍脈の力に手を伸ばした。*
シロウ:「龍脈は基本的にずっと生み出され続ける物だ、この程度で枯れはしないから安心しな。」
*シロウが小屋の中で手をかざすと、空間そのものがぐにゃりと歪み、黄金色の光の粒子が渦を巻いて集束していく。やがて、小屋の壁面に、向こう側の景色が見える円形の揺らめく水面――魔王城の庭へと繋がる『転移門』が構築された。門の向こうからは、見覚えのある庭の緑と、柔らかな陽光が差し込んでいる。*
*小屋から出てきたシロウは、こともなげにボルガに告げる。*
シロウ:「これでよし。この門は俺の城の庭に繋がってる。必要な人員と資材はここから運んでくれ。」
ボルガ:「こ、これが…転移門…。龍哭山脈と…魔王城を直接繋ぐ、奇跡の道…。」
*ボルガは小屋の中から漏れる光と、その向こうに見える景色を、信じられないものを見る目で呆然と見つめていた。数千年の知識が、今日一日で何度も塗り替えられていく。*
ゼノス:「シロウ様…貴方様には、不可能という言葉は存在しないのですな…。」
*ゼノスは畏敬の念を込めて、シロウの前に深く頭を垂れた。*
レイラ(魔王女):「ふ、ふはは!♡ 当然であろう!妾の夫なのだぞ!さあシロウ、妾も疲れたわ。さっさと城に帰って、妾をその腕で癒すがよい!♡♡」
*レイラはシロウの腕にこれ以上なく強くしがみつき、早く帰ろうと体をすり寄せる。自分の夫が振るう神の如き力に、彼女は興奮と誇りで満たされていた。*
シルフィリア:「わー!どこでもゲートですねぇ!♡♡ これがあれば、いつでもおじいちゃんたちに会いに来れますね!♡ シロウさま、すごいですぅ!♡♡♡」
*シルフィリアは転移門を珍しそうに覗き込みながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んでいる。そして、そのままシロウの腰にぎゅっと抱きついた。*
シロウ:「あー、転移って言うよりは、通過するためのドアって考えてくれ。
転移門はちょっと作るのが面倒なんでな、これで勘弁してくれ」
*シロウの補足説明に、ボルガたちは僅かに安堵の表情を浮かべた。神の御業ではなく、あくまで自分たちの理解の範疇に収まる(かもしれない)技術なのだと、必死に自分たちを納得させようとしているようだった。*
ボルガ:「つ、通過するための…ドア…。なるほど、そういうものでしたか。いえ、それでも我らには到底及びもつかぬ御業…!シロウ様、これ以上のご配慮はもったいなきこと。ありがたく使わせていただきます。」
*ボルガは恐縮したように、しかしその瞳には確かな感謝を込めてシロウに礼を述べた。*
ゼノス:「承知いたしました。これより、この『ドア』を通って城へ向かう者たちの編成を行います。我が王、しばしのお時間を頂きたく存じます。」
*ゼノスは実務的に頭を下げ、すぐさま部下たちへの指示に戻っていった。彼の背中からは、新たな王への絶対的な信頼が感じられる。*
レイラ(魔王女):「ふん、面倒だから手を抜いたというわけか。まあよい。妾の夫は気まぐれだからな♡ さあシロウ、用事は済んだであろう?早く帰城するぞ。妾の体はもう、貴様を待ちきれん♡♡」
*レイラはシロウの首筋に顔を寄せ、甘い吐息を吹きかけながら囁く。その腰がシロウの足にぐりぐりと押し付けられ、熱を訴えていた。*
シルフィリア:「どこでもドア、便利ですぅ!♡ これでいつでもお山に遊びに来られますね!♡ あ、でもお腹すきましたぁ!お城に帰ったら、リーシアちゃんにいっぱいおやつ作ってもらいましょう!ね、シロウさま!♡」
*シルフィリアはシロウの背中で嬉しそうに身じろぎしながら、今にもお腹が鳴りそうな様子で訴えかける。その無邪気さが、場を和ませた。*
*竜人族という強力な駒を得て、魔王城の再建も軌道に乗った。シロウは新たな臣下たちの準備が整うのを見届けるか、あるいは一足先にレイラたちと城へ戻るか、選択を迫られる。*
*シロウ、レイラ、シルフィリアの三人は、龍哭山脈に設置した『ドア』を通り、慣れ親しんだ魔王城の庭へと帰還した。背後では、ゼノスが早速屈強な竜人たちを選抜し、城へ向かう準備を始めている声が聞こえてくる。*
*庭から城内へと入ると、ちょうど廊下を掃除していたユニコーン族のメイド、リーシアが三人の帰還に気づき、ぱたぱたと駆け寄ってきた。*
リーシア:「あ、シロウ様、レイラ様、シルフィリア様!お帰りなさいませ!…って、あれ?レイラ様…?なんだか、いつもと雰囲気が…?」
*リーシアは、シロウの腕に妖艶に絡みつき、挑戦的な笑みを浮かべているレイラ(魔王女)を見て、少し戸惑った表情を浮かべる。普段の臆病な彼女とは全く違う覇気に、少し気圧されているようだ。*
レイラ(魔王女):「ふん。妾がいつもの腑抜けた姿だと思うなよ、メイド。…それよりリーシア、よく聞け。まもなく、この城の修繕にあたる者たちが龍哭山脈からやってくる。竜人族だ。妾の夫、シロウが新たに従えた臣下たちだ。貴様はあの者たちをまとめ、城の修繕を滞りなく進めよ。よいな?」
リーシア:「りゅ、竜人族…!?あ、あの伝説の…!?は、はい!かしこまりました!このリーシア、全力を以てご期待にお応えいたします!」
*突然の重大任務に、リーシアは驚きながらも背筋を伸ばし、力強く返事をした。*
シルフィリア:「リーシアちゃーん!ただいまですぅ!♡ お腹すきましたー!おやつください!♡♡ あとねあとね、すっごく強い人たちがお手伝いに来てくれるんですよ!お城がピカピカになります!」
*シルフィリアはレイラの腕からするりと抜け出し、今度はリーシアに抱きついておやつをねだる。その能天気さに、場の緊張が少し和らいだ。*




