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《R-15》異世界転移でスローライフを?  作者: THE・HENJIN・RlDER
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*シルフィリアという新しい名前と仲間を得たシロウは、早速次の目的へと意識を切り替える。冒険者として、迷宮を攻略したからには、その証明が必要だと考えたのだ。*


シロウ:「それからここの攻略の証みたいなのってある?」


*シロウの問いかけに、シルフィリアはこてん、と小首を傾げた。彼女にとって「攻略の証」という概念がピンとこないようだ。*


シルフィリア:「こうりゃくの…あかし…ですか? ええと、それはどういうものでしょう?」


*彼女の純粋な疑問に、レイラが呆れたように補足する。*


レイラ(魔王女):「ギルドに報告するための物だろう。迷宮を踏破したという証明だ。何か、ここでしか手に入らないような特徴的なアイテムはないのか、と聞いている。」


*レイラの言葉でようやく理解したのか、シルフィリアは「ああ!」と声を上げると、ポンと手を叩いた。*


シルフィリア:「それでしたら、わたしの髪はいかがでしょうか?」


*そう言うと、彼女は自らの輝くような純白の髪を一房、指ですくい上げた。*


シルフィリア:「わたしの髪は、この迷宮の魔力と世界樹の力が結晶化したものです。一本だけでも、強い魔力を放っています。ここ以外には存在しないものですから、『あかし』にはなるかと思います…♡」


リーシア:「わぁ…! シルフィちゃんの髪…キラキラしてて、とっても綺麗…♡」


*リーシアがうっとりとその髪を見つめる。確かに、その髪はただの毛髪ではなく、魔力を帯びた一種の素材アイテムとして扱えそうだった。*


*シロウは、証明の品として差し出されたシルフィリアの髪に目を細めた。腰まで届く、月光のように輝く純白の髪は、指の間をすり抜けていく絹のようだ。*


シロウ:「髪…長いな。俺、長いの好きなんだよね。」


*その独り言のような呟きは、シルフィリアの耳にしっかりと届いていた。彼女はシロウの言葉に、頬をぽっと赤らめる。自分の髪を褒められたこと、そしてそれがシロウの好みであるという事実に、胸がキュンと高鳴った。*


シルフィリア:「あ…♡ あ、ありがとうございます、シロウ様…♡ わ、わたしの髪、お好きですか…?♡ ふふ、嬉しいです…♡」


*彼女は少し恥ずかしそうに、しかし嬉しさを隠しきれない様子で、自分の髪を指でくるくると弄ぶ。*


*シロウはそんな彼女の反応に軽く頷くと、ふと思い出したように付け加えた。*


シロウ:「外では精霊王は隠せよ?面倒になるから。」


シルフィリア:「はい、分かりました! シロウ様。外では、ただのシルフィリアです♡」


*彼女は心得たように、にこりと微笑んだ。主であるシロウの言うことは絶対だ。面倒ごとは避けなければならない。*


*シルフィリアはシロウの前に進み出ると、証として髪を切って渡そうと、自分の髪に手をかけた。*


シルフィリア:「では、この髪を少し…」


レイラ(魔王女):「待て。貴様の髪なぞ、報告書に添付する程度で十分だ。どうせギルドの鑑定士が鑑定する。それよりも、この迷宮そのものが消滅しないのかどうかが問題だろう。主を失えば、ただの洞窟に戻るのが常だ。」


*レイラが現実的な問題を指摘する。ギルドとしては、迷宮が健在であることの方が重要であり、主が代替わりしたのか、あるいは討伐されたのかを判断する必要がある。*


シルフィリア:「あ、それなら大丈夫です! わたしがシロウ様の仲間になったことで、この迷宮の所有権もシロウ様に移譲されました。シロウ様が望めば、この迷宮はいつでも閉鎖したり、内部構造を変化させたりできます。」


*シルフィリアの言葉に、シロウの目の前に新たなウィンドウがポップアップした。*


**【権能:迷宮創造を獲得しました。】**

**効果:所有する迷宮の内部構造、モンスターの配置、罠などを任意に設定できる。新たな迷宮を創造することも可能だが、膨大な魔力と素材を必要とする。**


**【称号:迷宮の支配者を獲得しました。】**


シロウ:「(なるほどな。迷宮ごと俺のものになったってことか。ギルドには『主を討伐し、迷宮は安定化を確認した』って報告すればいいか。)」


*シロウは迷宮の支配権を得るや否や、悪戯を思いついた子供のような顔で、早速その権能を行使し始めた。*


シロウ:「え、マジ?だったら95~99階層のボスを変更。95:アースドラゴン。96:ハリケーンドラゴン。97:ブリザードドラゴン。98:ボルケイノドラゴン。99:黒龍。」


*シロウがそう宣言すると、彼の意思に呼応して、シルフィリアの体が再び淡い光を放つ。彼女がこの迷宮のシステムそのものである証拠だ。*


シルフィリア:「はい、シロウ様。承知いたしました。95階層から99階層の主を、指定された竜種に変更します。」


*彼女が頷くと、シロウが以前に討伐し、インベントリに保管していた様々なドラゴンの魔石がひとりでに浮かび上がり、光の粒子となって迷宮の奥深くへと転送されていく。魔石を核として、迷宮の魔力が新たなボスモンスターを再構成していくのだ。*


レイラ(魔王女):「なっ…!? 貴様、何を考えている! これでは、Sランク冒険者でも踏破は不可能だぞ! 最深部が竜の巣になってどうする! ギルドが大騒ぎになるだけでは済まされん!」


*レイラの激昂も無理はない。ただでさえ高難易度だった迷宮の最終盤を、伝説級のドラゴンで埋め尽くすなど、正気の沙汰ではなかった。それはもう迷宮ではなく、ただの死地だ。*


リーシア:「ご、ご主人様…!? そんなに強いドラゴンをたくさん置いたら、これから挑戦する冒険者の人たちが…!」


*リーシアも心配そうにシロウを見上げる。*


シロウ:「(他の奴らにも苦労してもらわねえとな。まあ、90階層くらいまで来れる奴なんてそうそういないだろうけど。)」


*シロウはそんな二人の心配を気にも留めず、にやりと笑う。*


シロウ:「よし、これでよし。んじゃ、今度こそ帰るか。シルフィ、外に出られるか?」


シルフィリア:「はい、シロウ様♡ いつでも! わたしの力で、迷宮の入り口まで一瞬で転移できます。」


*シルフィリアは嬉しそうに頷くと、シロウの手にそっと自分の手を重ねた。その小さな手は少しひんやりとしていて心地よい。彼女の魔力がシロウたち全員を包み込み、空間がぐにゃりと歪み始めた。*


*シロウは悪びれる様子もなく、むしろシルフィリアのためだと言わんばかりに胸を張った。*


シロウ:「100階層に来るやつは減るだろ?シルフィの部屋を守れるじゃないか。」


*その言葉に、シルフィリアはハッとした顔をした後、嬉しそうに表情を綻ばせた。シロウの無茶苦茶な采配が、自分という存在を、自分の生まれた場所を守るためのものだったと理解したのだ。*


シルフィリア:「シロウ様…♡ わ、わたしの部屋を…! ありがとうございますっ!♡」


*彼女は感動のあまり潤んだ瞳でシロウを見つめ、重ねた手にきゅっと力を込める。主人の深い(?)配慮に、彼女の心は完全に鷲掴みにされていた。*


リーシア:「そっか…! これで、悪い人たちがここまで来れなくなりますね! さすがです、ご主人様!」


*リーシアもシロウの真意(?)に気づき、素直に感心している。*


レイラ(魔王女):「フン…口だけは達者なことだ。結果的にそうなっただけだろうが。まあ、こいつの聖域に土足で踏み込んでくる輩が減るのは事実か。…行くぞ、転移させろ。」


*レイラは呆れつつも、シロウの言い分を渋々認め、シルフィリアに転移を促した。*


シルフィリア:「はいっ!♡ 皆さん、しっかり掴まっていてくださいね!」


*シルフィリアがにっこりと微笑むと、彼女の手を中心に魔法陣が展開し、シロウたち四人を眩い光が包み込む。

ふわりとした浮遊感の後、光が収まると、そこは見慣れた薄暗い洞窟――『星屑の迷宮』の入り口だった。背後には、以前と変わらぬ光の扉が静かに佇んでいる。*


*迷宮都市アストラムの喧騒が、遠くから微かに聞こえてきた。*


*世界樹の迷宮から転移したシロウたちは、迷宮都市アストラムの郊外にある入り口に立っていた。背後には静かに佇む光の扉があり、前には見慣れた都市の城壁が広がっている。*


シロウ:「よし、じゃあギルドに戻るか。査定に出してた金の受け取りがまだだったな。」


レイラ(臆病):「お、お金…!♡ ご飯が食べられますね…!」


*戦闘が終わり、レイラはいつもの臆病な人格に戻っていた。彼女は「お金」という言葉に即座に反応し、お腹をさすりながら目を輝かせている。シロウの後ろに隠れるようにしながらも、期待に満ちた表情だ。*


リーシア:「ミノタウロスさんの時のですね! きっとすごい金額になってますよ、ご主人様!」


*リーシアも嬉しそうに頷く。隣には、初めて見る外の世界に目をきらきらさせているシルフィリアがいた。彼女はシロウの服の袖を少しだけ掴み、物珍しそうに辺りを見回している。*


ーー


シルフィリア:「ここが…外の世界…。空が広くて、色々な音がします…! シロウ様、あのお城みたいな建物は何ですか?」


シロウ:「あれがアストラムの街だ。俺たちの拠点でもある。まあ、細かいことは追々教える。行くぞ。」


*シロウは一行を率いて、迷宮都市アストラムの門をくぐり、中央広場に面した冒険者ギルドへと向かった。活気に満ちたギルド内に入ると、多くの冒険者たちの視線が、シロウが連れている美しい少女たち(特に新顔のシルフィリア)に一瞬集まるが、シロウの放つ威圧感に気圧されてすぐに逸らされた。*


*シロウは真っ直ぐに換金所のカウンターへ向かう。そこには、以前対応してくれたエルフの受付嬢、エリアナがいた。彼女はシロウの姿を認めると、にこやかに微笑んだ。*


エリアナ:「あら、シロウ様。お待ちしておりました。先日お預かりした素材の査定、完了しておりますよ。」


*シロウは、ギルド中が驚愕する中、まるで隣町の店にでも行ってきたかのような軽い口調で言った。その手には数種類の硬貨があり、外の世界の常識を知らないシルフィリアに、その価値を教えている。*


シロウ:「ああ、さっき踏破してきた。」


*その平然とした一言が、先程のどよめきを完全な沈黙に変えた。エリアナはプロの笑顔を凍りつかせ、口をパクパクさせている。ギルドの全ての視線が、信じられないものを見る目でシロウに突き刺さっていた。*


エリアナ:「さ、さっき…!? し、しかも、今お出しになられたのが98、99階層の素材…ということは、あの守護騎士も討伐なされたと…?」


*彼女の声は震えている。ギルドが設立されて数百年、誰も成し遂げられなかった偉業が、今、目の前の青年によって、こともなげに語られているのだ。*


シロウ:「ああ。主は討伐した。迷宮は安定化を確認済みだ。なんなら責任者呼んでくれてもいいぞ。これが証拠だ。」


*シロウはそう言うと、インベントリからシルフィリアの白く輝く髪の毛を一本取り出し、カウンターに置いた。その髪は、それ自体が魔力を帯び、神々しい光を放っている。*


シロウ:「最深部で手に入れた、迷宮の主の遺物だ。」


*エリアナはその髪を見て、息を呑んだ。鑑定するまでもなく、それが尋常な品でないことは一目瞭然だった。*


エリアナ:「か…畏まりました! ただちにギルドマスターにご報告いたします! シロウ様、どうか、どうかこちらでお待ちください!」


*彼女は上ずった声でそう言うと、カウンターから飛び出し、ギルドの奥にあるマスター室へと駆け込んでいった。残されたカウンターでは、他の職員たちが遠巻きにシロウたちを見つめ、ひそひそと囁き合っている。*


レイラ(臆病):「し、視線が…すごいです…♡ な、なんだかお腹が空いてきました…♡」

リーシア:「ご、ご主人様、やっぱりすごいです…! 皆さん、びっくりしてますよ…!」

シルフィリア:「シロウ様…。この『おかね』というもので、美味しいものが食べられるのですね…? わたし、お腹が空きました…♡」


*新しい仲間であるシルフィリアまでが、臆病なレイラにつられたのか、お腹を押さえてシロウを見上げている。三人の美少女を連れたシロウの周りだけが、異様な注目を集めていた。*


*シロウはカウンターに到着するなり、手慣れた様子でインベントリから新たな素材を取り出した。*


シロウ:「お、ども。あと、追加の売却を、98階層の黒曜晶狼の紫結晶と、99階層の守護騎士の鎧の欠片を。」


*カウンターの上に、禍々しい紫色の光を放つ大きな結晶と、歴戦の傷が刻まれた重厚な鎧の破片が置かれる。どちらも尋常ならざる魔力を放っており、ギルド内の腕利きの冒険者たちが「おい、あれは…」「まさか星屑の迷宮の…」と息を呑むのが聞こえる。*


*受付嬢のエリアナは、その二つの素材を見て、プロフェッショナルな笑顔を保ちつつも、内心の驚きで目を見開いた。*


エリアナ:「こ、これが…!? 98階層と99階層の素材…!?どちらも最高品質ですね…! か、畏まりました! すぐにこちらも査定に入らせていただきます! 少々お待ちください!」


*彼女は慌てて他の職員に指示を出し、二つの素材を厳重に奥の査定室へと運ばせた。そして、気を取り直して手元の書類に目を落とす。*


エリアナ:「お待たせいたしました! まず、先日お預かりしておりました『ミノタウロス・デーモンロード』の斧と魔石の査定結果です!」


*彼女はゴクリと唾を飲み込むと、シロウに金額を提示した。*


エリアナ:「斧が素材として非常に希少価値が高く、金貨7,800枚。魔石は純度、魔力量共に過去最高クラスでして…金貨9,500枚。合計で、金貨17,300枚となります!」


*その金額に、周囲で聞き耳を立てていた冒険者たちから「い、1.7万だと…!?」「一回の探索でかよ…」と、どよめきが起こる。*


レイラ(臆病):「きゅ、金貨9500枚…!?♡ ご、ご飯が…お腹いっぱい…♡」

リーシア:「す、すごい金額です…! ご主人様!」

シルフィリア:「きんか…? それは、美味しいものなのですか…?」


*少女たちがそれぞれの反応を示す中、エリアナは少し興奮した面持ちで続ける。*


エリアナ:「そして、シロウ様。ギルドマスターから伝言がございます。『星屑の迷宮99階層の主を討伐したというのは真か? もしそうであれば、正式な踏破報告をお願いしたい』とのことです。もし踏破が確認されれば、シロウ様はギルド史上最速でSSランクとなります…」


*ギルド中の注目を浴びる中、シロウは空腹を訴える二人の美少女を見て、やれやれと肩をすくめた。*


シロウ:「食いしん坊が2人になってしまった… ちょっとあっち行こうか。」


*そう言うと、シロウは少女たちを促し、騒がしいホールを後にしてギルドに併設された食堂へと移動した。食堂はホールよりも落ち着いており、食事や酒を楽しむ冒険者たちで賑わっている。*


*シロウが適当な席に着くと、三人の少女たちも彼の周りにちょこんと座った。特にシルフィリアは、食堂の活気や、様々な料理の匂いに目を輝かせている。*


シルフィリア:「わぁ…!♡ ここは、いい匂いがたくさんしますね、シロウ様! あれは何ですか? お肉…?」


*彼女は隣のテーブルで屈強な男たちが食べている巨大な骨付き肉を、羨ましそうに指さしている。*


レイラ(臆病):「お、お肉…♡ 美味しそうです…♡ わたし、お腹と背中がくっつきそうです…♡」


*レイラもシルフィリアの指さす先を見て、ごくりと喉を鳴らす。その瞳は潤んでおり、今にもよだれが垂れそうだ。*


リーシア:「ふふっ、二人とも本当に食いしん坊さんですね♡ ご主人様、メニューを見ますか?」


*リーシアはテーブルに置かれていた木製のメニューを手に取り、シロウに差し出した。そこには、ボリューム満点の肉料理から、あっさりしたスープ、甘いデザートまで、様々な料理の名前が並んでいる。*


*ちょうどその時、屈強なドワーフのギルドマスター、ドルガンがエリアナを伴って食堂に入ってきた。彼はシロウのテーブルを見つけると、大きな足音を立てて真っ直ぐにこちらへ向かってくる。その顔は、驚きと興奮と、わずかな疑念が入り混じった複雑な表情をしていた。*


ドルガン:「シロウとか言ったな、小僧! エリアナから話は聞いた! 本当に『星屑の迷宮』を踏破したというのは真かッ!?」


*彼の大きな声が食堂中に響き渡り、再び周囲の注目がシロウのテーブルに集まった。*


*シロウは、食堂に響き渡るギルドマスターの声にも全く動じず、腹を空かせた少女たちに向かって言った。*


シロウ:「ミノタウロスの方で金貨17300枚…つまり黒金貨170枚くらいあるからたくさん食え。」


*その言葉に、レイラとシルフィリアの顔がぱあっと輝く。*


レイラ(臆病):「く、黒金貨170枚…!?♡♡♡ ぜ、全部食べてもいいんですか…!?♡」

シルフィリア:「たくさん…!♡ やったー! シロウ様、わたし、あのお肉が食べてみたいです!♡」


*二人は早速メニューを食い入るように見つめ、あれもこれもと指差し始める。リーシアはそんな二人を微笑ましそうに見守っていた。*


*そのマイペースなやり取りに、鬼の形相で立っていたギルドマスターのドルガンは、拍子抜けしたように眉をひそめた。*


ドルガン:「おい、小僧ッ! 人が話しているのが聞こえんのか! 飯の前に話がある!」


*ドスの効いた声で一喝するが、シロウはメニューから顔も上げずに答える。*


シロウ:「ああ、聞こえてる。で、なんだっけ? 踏破したかどうかって話だろ? したって言ってるだろ。証拠の髪も渡した。あとは追加の素材の査定と、昇格の手続きと、報酬の支払い。さっさとしてくれ。こっちも腹が減ってるんだ。」


*あまりにも堂々とした、そして無礼な態度に、ドルガンの額に青筋が浮かぶ。しかし、彼はぐっと怒りをこらえ、シロウの隣の椅子にドカリと腰を下ろした。*


ドルガン:「…小僧、貴様、自分が何を成し遂げたのか分かっているのか? 星屑の迷宮は、このアストラムができて以来、誰一人として踏破できた者がいない最難関の迷宮だ。それを『さっきしてきた』だと? 信じろと言う方が無理な話だ。」


*彼は厳しい目でシロウを見据える。*


ドルガン:「だが、お前が持ち込んだ素材は本物だ。99階層の守護騎士の欠片も、最深部の主の遺物だというその髪も、尋常ならざる魔力を帯びている。…単刀直入に聞く。最深部で何があった? 主はどんな奴だった?」


*ギルドマスターとして、彼は迷宮の深奥で起きた真実を正確に把握する必要があった。その言葉には、ただの冒険者への詰問ではない、都市の責任者としての重みがこもっていた。*


*シロウが内心で神眼に問いかけると、脳内に直接、最適化された回答が流れ込んでくる。それはギルドマスターを納得させ、かつこちらの情報を不必要に開示しない、完璧なストーリーラインだった。*


**【神眼による最適解】**

**1. 核心情報は隠蔽:シルフィリアを仲間にした事実は秘匿。「強力な魔法によって消滅させた」と報告する。これにより、主の不在について追及されることを防ぐ。**

**2. 証拠の提示:渡した『主の遺物(シルフィリアの髪)』が、主が消滅した際に残った唯一の痕跡であると主張する。その神々しい魔力が、討伐の困難さを物語る証拠となる。**

**3. 迷宮の変化について:主が消滅した影響で、迷宮の構造が一部変化した可能性があると示唆する。特に95階層以降の階層主が変わったことを正直に話し、「主の消滅による暴走か、あるいは元々そうだったのかは不明」とすることで、シロウの干渉を隠蔽しつつ、今後の探索者への警告という形でギルドに恩を売る。**

**4. 態度:終始、面倒くさそうに、しかし堂々と振る舞う。偉業を成し遂げた者の余裕と、詳細を語るのも億劫だという態度が、かえって信憑性を増させる。**


*神眼から完璧なカンペを受け取ったシロウは、騒がしい食堂の中で、目の前のギルドマスターを値踏みするように見つめながら、面倒くさそうに口を開いた。*


シロウ:「主は…女の姿をした精霊みたいなやつだった。やたらと硬い結界を張っててな。物理攻撃はほとんど通じなかった。」


*その言葉に、ドルガンは身を乗り出す。*


ドルガン:「精霊だと? して、どうやってその結界を破った?」


シロウ:「破ってない。結界ごと消し飛ばした。おかげで、本体も魔石一つ残さず消滅した。その髪は、そいつがいた場所に唯一残ってたもんだ。」


*シロウはさも当然のように言うと、テーブルの上のシルフィリアの髪を顎でしゃくった。その態度と、話のスケールの大きさにドルガンは言葉を失う。結界ごと対象を消滅させるなど、伝説級の大魔法か、それ以上の力が必要だ。*


シロウ:「それと、一つ報告だ。主を消した影響か知らんが、帰りに確認したら95階層から上の階層主が変わってたぞ。確か99階層は黒龍になってた。俺がやった時とは違うから、今後探索する奴がいるなら気をつけさせた方がいい。主がいなくなって迷宮が暴走でもしたんだろ。」


*この情報提供は、ギルドマスターにとって決定的だった。それは、最深部に到達した者しか知り得ない情報であり、なおかつギルドにとって計り知れない価値を持つ警告だったからだ。*


*ドルガンはしばらくの間、シロウの顔をじっと見ていたが、やがて大きく息を吐くと、背もたれに深く寄りかかった。*


ドルガン:「…黒龍、だと…? クソッ、面倒なことになりやがった…。だが、情報に感謝する。」


*彼はギロリとシロウを睨むと、ニヤリと口角を上げた。疑念は、確信と新たな興味に変わっていた。*


ドルガン:「…信じてやる。いや、信じるしかあるまい。貴様が持ち込んだ素材、その情報、そして何よりそのふてぶてしい態度が、何よりの証拠だ。…エリアナ!」


*彼が叫ぶと、控えていたエリアナが駆け寄ってくる。*


ドルガン:「こいつのSSランクへの昇格を最優先で進めろ! 追加素材の査定もだ! それと、星屑の迷宮の95階層以降への立ち入りを当面禁止とし、Aランク以上のパーティにのみ情報を開示しろと通達を出せ!」


エリアナ:「は、はい! ただちに!」


*指示を終えたドルガンは、再びシロウに向き直る。*


ドルガン:「小僧、名はシロウだったな。見事だ。貴様は、このアストラムの歴史に名を刻んだ。報酬は弾ませてもらう。だが、その前に…腹が減ってるんだろう? 食え。今日は俺の奢りだ。好きなだけ食わせてやる。」


*シロウは、ギルドマスターの豪快な申し出を受けると、待ってましたとばかりに隣のレイラに声をかけた。*


シロウ:「だってよ、レイラ。全部食っていいぞ。」


*その一言は、魔法の呪文だった。シロウの許可とギルドマスターの奢りという二重の免罪符を得た臆病なレイラは、今まで遠慮がちだったのが嘘のように、その瞳をキラキラと輝かせた。*


レイラ(臆病):「ぜ、ぜんぶ…!?♡ ほ、本当ですか…!?♡ ぜーんぶ、食べても、怒られない…?♡」


*シロウがこくりと頷くと、レイラの食欲のリミッターが完全に外れた。*


レイラ(臆病):「や、やりましたー!♡ じゃあ、これと、これと、これと…あと、あのおっきいお肉を五つ!♡ それから甘いお菓子もぜーんぶください!♡」


*彼女はメニューの端から端までを指さし、息継ぎもせずに注文を始める。その注文量は、屈強な冒険者10人分でも多すぎるほどだった。食堂の店員は目を白黒させ、助けを求めるようにギルドマスターのドルガンを見る。*


ドルガン:「…なんだこの小娘の食欲は…。まあいい! 持ってこい! 今日は祭りだ! 全部出してやれ!」


*ドルガンの許可が下り、食堂の厨房は一気に戦場と化した。*


シルフィリア:「わー! レイラさん、すごいです!♡ じゃあ、わたしもあのお肉を三つ! それと、キラキラしたおエールも飲んでみたいです!♡」


*シルフィリアも祭りの雰囲気に乗り、元気いっぱいに注文する。初めての食堂、初めての外での食事に胸を躍らせていた。*


リーシア:「ふふっ、二人ともすごい食欲ですね♡ ご主人様、私は皆さんが食べきれなかった分を少しいただきますね♡」


*リーシアは控えめに微笑み、二人の少女の世話を焼く気満々だ。*


*すぐに、テーブルは大量の料理で埋め尽くされていく。山盛りのローストビーフ、巨大な骨付き肉、魚介のグリル、色とりどりのサラダ、そして湯気の立つシチュー。その光景は圧巻だった。*


*レイラは早速、自分の顔よりも大きな骨付き肉にかぶりつく。その小さな体のどこに消えていくのか、料理は次々と彼女の口の中に吸い込まれていった。まるで、ピンクの悪魔だ。*


*ドルガンはその信じがたい光景を呆然と眺めながら、シロウにジョッキを差し出した。*


ドルガン:「…とんでもねえ女連れだな、お前は。まあいい。飲め、シロウ。改めて、星屑の迷宮踏破、おめでとう。お前は本物の英雄だ。」


*ギルドマスターに酒を勧められ、賑やかな食堂で仲間たちが食事に夢中になっている中、シロウは内心で神眼を発動させ、自身の現在の状態を確認する。脳内に直接、ウィンドウが展開された。*


ーーー


【ステータス】

名前:シロウ・ニシキ

種族:人族

職業:冒険者 (SSランク)

Lv.102

HP:26800/26800

MP:39500/39500

腕力:2150

体力:1980

敏捷:2450

知力:3100

魔力:3950

器用:2600


【ユニークスキル】

・異世界言語

・アイテムボックス (容量:∞)

・スキル整理

・スキル統合

・創造

・迷宮創造


【スキル】

・神眼 Lv.9

・武神

・時空支配

・混沌魔法

・隠匿神

・生活魔法

・削除

・飛翔

・解体

・レベルドレイン

・回復魔法 Lv.8

・結界魔法 Lv.7

・重力魔法 Lv.8

・魔力操作 Lv.9

・記憶操作

・四元素魔法 Lv.5

・概念魔法 Lv.7

・経験値獲得量アップ Lv.MAX


【装備】

武器

・星麻毒の刃『ステラヴェノム』(等級:伝説級/属性:超麻痺猛毒)

・夜天の牙『ナイトファング』(等級:伝説級/属性:出血、腐食)

防具:夜闇の衣、隠者の指輪

その他:次元の革袋

・聖剣『アスカロン』(星屑の迷宮、99階層の守護騎士からのクリアした証、初代勇者が使っていた。)


【所持金】

黒金貨 150,000枚

白金貨 88枚

金貨 98枚

銀貨 10枚

銅貨 90枚

鉄貨 0枚


【権能】

・神眼 : 鑑定の上位互換。対象のスキルをコピーまたは強奪できる。


【称号】

・鑑定士

・異世界からの転移者

・世界樹の祝福

・世界樹の寵愛を受けし者

・竜殺し(ワイバーン)

・サキュバスクイーンの主

・魔王の娘を屈服させし者

・王女を救いし者

・海賊団の蹂躙者

・精霊王に名付けし者

・迷宮の支配者

・ギルド史上最速のSSランク


【所有】

名前:シルフィリア

種族:精霊王

状態:救世主(シロウは救い主)

好感度:120(救い主、やや依存)

備考:星屑の迷宮、100階層の元迷宮主。


【眷属】

名前:セレナ

種族:サキュバスクイーン

状態:忠誠 (快楽堕ち)

好感度:150 (崇拝)


【所有奴隷】

名前:レイラ

種族:魔人族 (封印状態)

状態:忠誠 (二重人格)

好感度:

 人格A(臆病):120 (依存)

 人格B(魔王女):100 (好き?)


名前:リーシア

種族:ユニコーン(神聖な種族)

状態:信頼

好感度:

淫紋:『渇望の聖杯』

効果:刻まれた者は、一定周期(初期設定:24時間)で強制的に発情状態に陥る。発情状態は術者の精液を摂取することでしか鎮めることができない。もし時間内に摂取できなかった場合、全身を焼き尽くすような激痛と、魂を削るような渇望感に襲われ続ける。術者の精液を定期的に摂取し続けることで、対象者は術者に対して絶対的な依存と愛情を抱くようになる。



【馬宿】

・シャドウランナー (軍馬)


【魔道具】

・ゲート・リング (伝説級)×2


ーーー


*ステータスを確認し、SSランクへの昇格が既に反映されていること、そして新たな権能と称号が増えていることをシロウは冷静に把握する。レベルも守護者との戦いを経て上がっていた。*


*目の前では、ギルドマスターのドルガンが豪快にエールを飲み干している。*


ドルガン:「ガハハハ! いい飲みっぷりだ! それにしても、お前さんの連れの嬢ちゃん方は見事な食いっぷりだな! 見ていて気持ちがいいぜ!」


*彼の視線の先では、レイラが口の周りをソースでべとべとにしながらも、幸せそうに三つ目の巨大な骨付き肉にかぶりつき、シルフィリアは初めて飲むエールに少し顔を赤らめながら、それでも嬉しそうに肉料理を頬張っていた。*


*ギルドでの盛大な宴の後、シロウ一行は満足げな(主にお腹が)様子で、拠点としている宿屋の一室に戻ってきた。扉を開けると、見慣れた部屋が広がる。しかし、以前とは一つだけ状況が違っていた。仲間が一人増えたのだ。*


*シロウは部屋を見渡し、ぽつりと呟いた。*


シロウ:「あ、ベッドの数増やさなきゃだな。」


*部屋には現在、大きめのベッドが二つ。一つはシロウとレイラが、もう一つはリーシアが使っている。これでは新しく仲間になったシルフィリアが寝る場所がない。*


*その言葉に、部屋に入ったばかりのシルフィリアが、きょとんとした顔でシロウを見上げた。彼女はまだ宿屋というものにも、ベッドというものにも馴染みがない。*


シルフィリア:「べっど…ですか? それは、先程の食堂にあった椅子のようなものですか?」


リーシア:「ううん、違うよ、シルフィちゃん♡ ベッドはね、夜に体を休めて眠るための場所なんだよ。とっても気持ちいいんだよ♡」


*リーシアが優しく教えると、シルフィリアは「ねむる場所…♡」と興味深そうに部屋のベッドを見つめる。*


レイラ(臆病):「うぅ…お腹いっぱいで眠たいです…♡ ベッドさん…♡」


*すっかり食後の眠気に襲われているレイラは、とろーんとした目でベッドに吸い寄せられるように、ふらふらと歩いていく。*


*シロウが受付に向かうと宣言すると、今まで部屋の中を興味深そうにキョロキョロと見ていたシルフィリアが、ぱたぱたとシロウの隣に駆け寄ってきた。*


シロウ:「受付に行ってくる。」


シルフィリア:「シロウ様、わたしも行きます!♡」


*初めて見るもの、聞くもの全てが新鮮なのだろう。その瞳は好奇心でキラキラと輝いている。シロウが頷くと、シルフィリアは嬉しそうに微笑んだ。*


*部屋に残ったリーシアは、ベッドにごろんと横になり、幸せそうにお腹をさすっているレイラのそばに座り、優しく声をかけている。*


リーシア:「レイラちゃん、苦しくないですか? 少しお腹をさすってあげますね♡」


レイラ(臆病):「んぅ…リーシアしゃん、ありあと…♡ くるしいけど、しあわせぇ…♡」


*シロウとシルフィリアはそんな二人を残し、部屋を出て宿屋の一階にある受付カウンターへと向かった。*


*カランコロン、とドアベルの代わりに設置された小さな鐘が鳴る。受付には恰幅のいい女将さんが座っており、帳簿に何かを書きつけていたが、顔を上げた。*


女将:「あらシロウさん。お帰りなさい。ギルドでのお祝い、どうだったかい?」


*彼女はにこやかにシロウに声をかけると、その隣にいる見慣れない少女に気づき、少し目を丸くした。*


女将:「あらあら、可愛らしい子だね。新しいお仲間かい?」


*シロウは女将の問いに軽く頷き、本題を切り出した。*


シロウ:「そんな感じだ。それより、ベッド3つの部屋にしてほしいんだが…空きはあるか?」


*その言葉を聞いた女将は、顎に手を当てて「うーん」と少し考え込む。*


女将:「ベッドが三つの部屋かい。あいにく、うちには二人部屋か一人部屋しかなくてねぇ。ただ…」


*女将は何かを思いついたように、シロウの顔をじっと見た。その視線は、SSランク冒険者になったばかりの若者の実力と財力を見定めるかのようだ。*


女将:「一番広い二人部屋なら、もう一つベッドを追加で運び込むことはできるよ。少し手狭にはなるし、追加料金も金貨1枚ほどかかるけど、どうだい? 今使ってる部屋より日当たりもいい、角部屋の特室さ」


*女将は商売人らしい笑顔で提案を持ちかける。シロウの隣で話を聞いていたシルフィリアは、初めて聞く「特室」という言葉に首を傾げている。*


シルフィリア:「とくしつ…? なんだか、すごい響きです…!」


*シロウがカウンターに金貨を一枚置くと、女将はそれを慣れた手つきで受け取り、にこやかに微笑んだ。*


女将:「毎度あり! それじゃあ、すぐに部屋の準備をさせるよ。鍵はこれさね。今の部屋の荷物は、うちの者が運んでおくから、あんたたちは新しい部屋でゆっくりしてていいよ」


*女将はそう言って、カウンターの下から古びた真鍮の鍵を取り出し、シロウに手渡した。鍵には「201」という部屋番号が彫られたプレートが付いている。*


女将:「場所は二階の一番奥の角部屋さ。さ、長旅の疲れもあるだろう。ゆっくりおやすみ」


*シロウが鍵を受け取るのを見て、隣にいたシルフィリアは嬉しそうにシロウの袖をくん、と引っ張った。*


シルフィリア:「シロウ様! 新しいお部屋ですね!♡ どんなところか、はやく見てみたいです!♡」


*初めての宿屋、初めての自分たちの部屋。その全てがシルフィリアにとっては冒険のようだった。*


*シロウとシルフィリアが新しい部屋の鍵を受け取り、階段を上がって二階の奥にある「201」号室の扉を開ける。中は確かに以前の部屋よりも広く、窓からは月明かりが差し込んでいる。既に宿の従業員が手際よく3つ目のベッドを運び入れ、部屋の隅には専用の小さな浴槽まで備え付けられていた。*


*シロウは部屋の様子を確認すると、元の部屋に向かって声をかけた。*


シロウ:「リーシア、レイラ、部屋移動するぞ。こっちだ。」


*その声に、廊下の向こうからすぐに返事があった。*


リーシア:「はーい、ご主人様!♡ 今行きますね!」


*少しして、リーシアが眠気でふにゃふにゃになっているレイラを半ば引きずるようにして、新しい部屋にやってきた。*


レイラ(臆病):「んぅ…おへや、かわったの…? ふわぁ…あったかいおふろ…?」


*レイラは眠そうな目をこすりながらも、部屋の隅にある浴槽に気づき、少しだけ意識がはっきりしたようだ。*


リーシア:「わぁ…! ご主人様、すごいお部屋です! お風呂まで付いてるんですね!♡」


*リーシアは目を輝かせ、部屋の中を見回す。*


シルフィリア:「おふろ…! 体を綺麗にするところですね!♡ わたし、森の水浴びしかしたことがありません! 入ってみたいです!♡」


*シルフィリアも初めて見る室内の浴槽に興味津々で、ぴょんぴょんと小さく跳ねている。新しい仲間と新しい部屋、一行の冒険は新たな日常を迎えようとしていた。*


*シルフィリアがお風呂に興味津々で「入ってみたい」とはしゃいでいるのを見て、シロウは悪戯っぽく笑いながら言った。*


シロウ:「使い方分からんだろ、一緒に入るか?」


*その言葉に、部屋にいた三人の少女たちの動きがピタリと止まった。*


*まず、一番に反応したのはシルフィリア本人だった。彼女はシロウの言葉の意味を完全には理解できていないようで、ただ純粋な瞳で首をこてんと傾げた。*


シルフィリア:「いっしょに…?♡ シロウ様が、使い方を教えてくださるのですか?♡ わぁ! ありがとうございます!♡」


*悪意のない、子犬のような反応だ。彼女にとって「一緒に入る」という行為に、特別な意味はまだない。*


*次に、少し離れた場所でレイラを支えていたリーシアが、頬をぽっと赤らめた。*


リーシア:「ご、ごごご、ご主人様!?♡ い、一緒って…! そ、それはその…!♡」


*リーシアはシロウの意図を察し、恥ずかしさでわたわたと慌て始める。ちらりとシロウの顔を見ては、すぐに俯いてしまう。*


*そして、眠気で朦朧としていたレイラの目が、カッと見開かれた。さっきまでの臆病な人格は鳴りを潜め、傲慢な魔王女の人格が表に出てくる。彼女はリーシアの腕を振りほどき、シロウの前にずかずかと歩み寄った。*


レイラ(魔王女):「貴様! このわっぱにまで手を出す気か! この破廉恥漢めが! 大体だな、風呂くらいこいつらだけで入れさせろ! 私とリーシアで教えてやる!」


*レイラはシロウをビシッと指差し、顔を真っ赤にして怒鳴りつける。しかし、その声にはどこか焦りの色が混じっていた。*


*魔王女の人格に切り替わったレイラは、シロウに啖呵を切ったものの、その勢いはすぐに失速した。臆病な人格が詰め込んだ大量の食事が、肉体の限界を超えていたのだ。*


レイラ(魔王女):「ぐっ…! う、動けん…! あの馬鹿、どれだけ食ったんだ…!」


*レイラはその場に膝をつき、苦しそうにお腹を押さえる。その顔は怒りで赤いのと、満腹で苦しいのとで複雑な色合いになっていた。*


リーシア:「レ、レイラ様、大丈夫ですか!? 無理しちゃダメです!」


*リーシアは慌ててレイラの背中をさすり、介抱を始める。これではとても風呂の入り方など教えられそうにない。*


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