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作者: 豆苗4

 どうしようもなく子宮に還りたくなることが時々ある。何かが悪い訳でもなく、何かが良いという訳でもない。ただ何となく。純粋に。これほど純粋に何か思うことは滅多にないだろう。いや、思うのではない。要請されるのだ。いや、やっぱり要請されるのではない。そんな予感の中を漂うのだ。青い海を。ゆらゆらと白い波に揺られながら。そうこうしているうちに、目的地などどうでも良くなってくる。その時になってようやく分かる。「子宮」に還ることが目的なのではなく、「子宮に還る」ことが我々にとって必要不可欠なのだ、と。そこへ向かうための矢印が、いや、そんな立派な物でなくとも構わない。ただちっぽけなマーカーさえあれば良いのだ。どこへも行けない我らが、どこかへ行くための。

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