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この連載作品は未完結のまま約4ヶ月以上の間、更新されていません。

変装侍女の成り変わり作戦〜今日から私はお嬢様〜

「お願い…私が死んだ事は、誰にも知らせないで」

お嬢様が亡くなった。
お食事中の、一瞬の出来事だった…。

先代御当主様と奥様が流行病で亡くなって以来、家名と公爵家の名誉は一人娘のお嬢様が守ってきた。
「後ろ盾の無い令嬢だとは言わせない」
「力を無くした名ばかりの公爵家だと侮らせない」
そう不敵に笑ってみせたお嬢様はもう居ない。

手品師として名を馳せ公爵家へ出入りしていた父が荼毘に付された時、途方に暮れた私を拾い上げてくれたあの温かい手の持ち主はもう、誰も居なくなってしまったのだ。

「実はな…先代御当主様の亡き妹君に、ご子息がいらっしゃったそうだ。容姿こそ御当主様達とは似ても似つかぬが、公爵家の人間に遺伝する痣はあったらしい」

…一度、探してみてはどうだろうか。

そんな折、執事長からもたらされた一縷の望み。
長年仕えてきた使用人達は、残された公爵家の血筋を探すことにした。

けれどその間、お嬢様の不在をどう秘匿するかが問題で。
折悪く2週間後は王宮で開かれるパーティー。
焦りに満ちる空間に、凛とした声を叩きつけた。



「私に、身代わりをさせてください!」



お嬢様専属の侍女として、一番近くで彼女を見てきた。
変装術が得意中の得意な私なら、少しの間貴族達を欺くことくらい出来る筈。
露見すれば縛り首の可能性だってある、危険な綱渡り。

けれど、やらねば。

遺言を果たすために。
お嬢様は多分、公爵家を守るために自身の死を隠匿したのだろうから。

「良いのか?クラリス」

私の身を案じて渋い顔をしてくれる執事長に語り掛けられる。
力強く頷きそうな所を、踵を揃え、胸を張って微笑んだ。

「…はい、私は只今から公爵家当主、ルイーズ・ド・シュヴァリエでございます」

斯くして始まる成り変わり作戦。
まずはパーティーと思ったら…マナー講座!?ドレスでエスコート!?ダンス!?
途方にくれるクラリスの前に、更なる問題が積み重なる。

ご子息は今何処にいらっしゃるの?
パーティー以来付き纏ってくる第二王子の目的は?
お嬢様は本当に…病死だった?

期限は公爵家の後継ぎが見つかるまで!
誰にもバレず、生き残れ。



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