2話 もしかしてハーレム?
翌朝
僕は昨日のことを信じられなかった。
「これで何回目だろう……もうやだ……」
僕は誰にも男として見られていないのだ。
そう言って僕は歩いて行く。
「おはよう淳史君」
後ろから美波さんが声をかけてきた。
「あ、おはようございます……」
昨日のことを思い出して僕は赤面してしまう。
「フフ、また顔真っ赤にしちゃって……可愛い♪」
そう言って僕の頭をつかむとくしゃくしゃと撫でた。
「は、はい……」
僕は子供扱いされて恥ずかしさで何も言えなかった。
「いい?昨日のことを気にしてるようだけど、あまり深く考えないことよ」
美波さんは僕の前に立つとそう言った。
「でも、このままじゃ美波さんに迷惑かけっぱなしで……」
「別にあんなこと迷惑だなんて思ってないわ。生徒会長として当然のことをしているだけなのだから」
美波さんは微笑みながら言った。その女神のような笑顔に僕は思わず見とれてしまう。
「私、君のこと気に入ってるのよ?だから気にしないでちょうだい?」
そう言って美波さんは僕に手を振って歩いていった。
「美波さん……ありがとうございます!」
僕は美波さんに深く頭を下げた。
僕が教室に着くとそこには見知った顔があった。
「やっほ~あっちゃん♪」
「り、梨奈さん…」
梨奈さんは僕の隣の席に座っていた。
「な、なんでここに?」
僕は動揺を隠せずに梨奈さんに尋ねた。
「え~?だって昨日逃げちゃったじゃん。もっと話そうよ~」
そう言って腕に抱き着いて来る。
「腕ほっそww女の子みたいww」
そう言って梨奈さんは僕の腕を撫でる。
「あ、ありがとうございます……」
すると仲間のギャルの一色さんが笑って。
「梨奈と並ぶと姉弟みたいだね」
「アハハあっちゃんみたいな弟いたら毎日添い寝しちゃうかも♪」
そう言って僕の反対側に行く。
「ねぇ触っていい?w」
恵麻さんはそう言って僕の頭を触る。
「あの……えっと……」
僕は恥ずかしさで何も言えない。
「すっご、ふわふわ…羨まし~。ねぇ写真撮らん?w」
そう言って梨奈さんは僕の頭を撫でる。
「いいよ!写真撮ろうよ!」
仲間のギャルがスマホを取り出すと両側を挟み込む。
「ハイチーズ!」チュッ
普通に写真を撮ったと思ったら、ハイチーズの時に一瞬頬に柔らかいものを感じたけど……
「り、梨奈さん……何を……」
「ん~?おこちゃまなあっちゃんが知るには早いよ~」
そう梨奈さんにははぐらかされるが周囲のギャルはキャーキャー言っている。
「梨奈、大胆すぎ!」
そう言ってギャルは梨奈を茶化す。
「え~?だっていいじゃん!それにウチらもう高2だよ?そういうこともしなきゃ」
そう言って梨奈さんは僕から離れる。
「じゃぁね~!」
僕は無言で手を振るしかなかった。
放課後、僕は図書館で勉強をしていた。
「さっきのあれはいったい何だったんだろう……」
僕は朝のことを考えていた。あの時ほっぺに感じた柔らかいものって……いや考えている暇はないもうすぐテストだしね。
僕は少し休憩しようと思い本から目を上げると目の前に美波さんの顔があった。
「うわぁ!」
驚いて声を上げると、彼女はクスクス笑って言った。
「あら?そんなに驚かなくてもいいじゃない」
そういって無表情で僕の鼻を人差し指で押した。
「あ、あの……どうしてここに?」
「あら生徒会長が図書室に居てはいけない決まりでもあるのかしら?」
「すみません」
そう僕が謝ると彼女は笑って言う。
「だってあなたが勉強してるって聞いて見に来たのよ♪」
そう言って彼女は僕の隣の椅子に座ると、僕のノートを覗いた。すると……
「あら?あなたちゃんと授業の内容を書いてるのね。頭良いって聞くだけあるわ」
彼女はそう感心したように言った。僕は彼女が自分のノートを見ているのが恥ずかしくなって隠す。すると彼女は言った。
「クスクス、恥ずかしいのかしら?」
そう言って彼女は僕の頭を撫でる。そして耳元で囁くように言う。
「可愛いわね……」
それを聞いた瞬間顔が真っ赤になる。それを見た彼女はクスッと笑うと言った。
「あらら♪耳まで真っ赤にしちゃって……本当に可愛い子ね♡」
そういって僕の手に自分の手を重ねる。
「手もちっちゃくて可愛いわね……このまま握りつぶしたくなっちゃうわ♪」
そう言って彼女は僕の手を握る。
「あ……あの……」
そう僕が言うが、がっちり握られて抜けない。
「ねぇ?どうして逃げるの?」
そう彼女が言うと、僕はパニックになり言った。
「え?いや!その……」
すると彼女は囁くように言った。
「細腕のあなたが私に勝てると思ってるのかしら?」
彼女は僕の腕を強く握る。
「痛い!やめて!」
僕は必死に抵抗するが、彼女は離そうとしない。すると……
「大きな声出しちゃダメじゃない。叱られるわよ?」
そう言って彼女は僕の口を手で塞ぐ。そして耳元で言う。
「静かにしてなさい……じゃないと……」
「ご、ごめんなさい…」
「素直でいい子ね」
そう言って彼女は僕の口から手を離して頭を撫でる。
「さぁ、勉強しましょう。教えて欲しい所があるの」
「は、はい……」
そう言うと彼女は僕の隣で勉強し始める。
「ここは、この公式をこう使って……」
「あぁ分かったわ。あの先生の授業こういうところが分かりにくいのよ」
「そ、そうですか?ありがとうございます……」
僕は戸惑いつつもそう言う。
「ねぇ……これからも勉強教えて欲しいんだけどいいかしら?」
そう美波に言われ僕は戸惑ってしまう。
「え?い、いや……そ、その……」
「あら?嫌なのかしら?」
彼女は少し悲しげな表情をする。それを見た僕は慌てて言う。
「い、嫌じゃないですよ!」
すると彼女は少し嬉しそうにして僕の頭を撫でた。
「ならこれからもよろしくね」
そう言って彼女は僕のノートに自分の名前を書き込んだ。
「こ、これって?」
そう聞くと彼女は微笑んで言った。
「私の連絡先よ。登録しなさい」
「え?」
僕が驚くと彼女は笑顔で言った。
「また分からない所とかあったら聞くから、その時はお願いするわね」
そう言って彼女は自分の連絡先を僕に教えた。
「あ、あの……本当にいいんですか?」
そう聞くと彼女は微笑んで答えた。
「えぇもちろんよ。あなたは特別だもの」
そう言われて彼女は僕の頭を撫でた。
「ありがとう……ございます……でも僕も分からないんです……」
「分からないって何が?」
「今朝のことなんですけど……」
僕は美波さんに今朝のことを話してしまった。すると……
「へぇ~そういうことするのね」
彼女はそう言って僕を見る。何か見下ろされているみたいで怖い……
すると美波さんは僕のことを見た。
「淳史君。目をつむって」
「へ?」
「いいからつむりなさい」
静かに威圧感を持った声で言われ、僕は言われるがまま目をつぶった。すると……ほっぺに柔らかいものが触れた。驚いて目を開けると目の前に美波さんの顔があった。
「な!何を……」
僕がそう言うと彼女は微笑んで言った。
「これでおあいこよ。さて、淳史君。もう遅いしあなたのことをお家に……」
「あ!ありがとうございました!」
僕は耐えられなくなってウサインボルトより速い速度で帰っていった。




