花とカナヘビ
嬉しいとき、それは、探しものを
見つけたとき。
なかなか見つからなかったものが、
思いがけず見つかったとき、
ぼくは嬉しい。
もしも、心から探しているものを
見つけられたら、
どんなに嬉しいだろうと、ほくは思う。
心から探しているものが
よくわからなくても、
見つけたときの感触だけは、
手のひらに乗ってくるほどに。
そう言えば、昔、
軽快な歌が流れていた。
探しものはなんですか、
見つけにくいものですか。
ほくにはそれが何なのかわからず、
歌に返事ができなかった。
結局、そのまんま時が流れて、
相変わらず、元の場所にいる。
今じゃない、いつか。
ここじゃない、どこか。
あいつじゃない、だれか。
ほくはキリのない気持ちを引きずって、
夕暮れ、花に掴まるカナヘビを
見つめていた。