朝鮮半島情勢
安麻呂:「海の向こうの朝鮮半島のバランスが崩れて来ましてね……。」
大海人:「元々は我が国も拠点を構えていたのであったが。」
安麻呂:「拠点と言うよりはむしろ。」
大海人:「……そこが本貫地とも言えるのかもしれぬがな。」
安麻呂:「九州北部から徐々に東へと勢力を拡げるに従い。」
大海人:「本貫であったはずの朝鮮半島が出先機関の1つのようになってしまっての。」
安麻呂:「百済に渡したり、新羅に取られたりしまして。」
大海人:「今は我が国が朝鮮半島で直轄する場所は無い。と……。」
安麻呂:「百済、新羅に高句麗の3国が凌ぎを削ることになった朝鮮半島に顔を出して来たのが。」
大海人:「大陸全土を統一した王朝。」
安麻呂:「最初の隋は、自らを疲弊させただけで終わったのでありましたが。」
大海人:「次の唐は、隋の失敗を知っていた。」
安麻呂:「唐が徳川家康でありましたら良かったのでありましたが。」
大海人:「実際は、織田信長の後の豊臣秀吉であった。と……。」
安麻呂:「隋は単独で高句麗に攻め込んだのでありましたが。」
大海人:「唐は遠交近攻など外交を巧みに利用した。」
安麻呂:「唐が仲間に引き込んだのが。」
大海人:「新羅の国。」
安麻呂:「最初は確か。新羅が百済に攻められて困ってたのでしたよね。」
大海人:「その時は、まだ唐の中が混乱していたため助けを出すことは出来なかったのだが。」
安麻呂:「その後、大陸で唐に歯向かうモノが居なくなり。」
大海人:「で。朝鮮半島の3国が3国とも唐と冊封(主従)の関係を結んでいて。」
安麻呂:「『お前ら3国仲良くせえ。』と唐から言われていたにもかかわらず。」
大海人:「この辺りは北条と真田の時のようにどちらがどっち。とは言えないけれども。」
安麻呂:「百済が唐と結んだ約束を破ってしまったため。」
大海人:「唐と百済の関係は悪化。」
安麻呂:「高句麗は唐にとって元々からのターゲットであったことも手伝い。」
大海人:「唐と新羅との関係は親密なものとなり。」
安麻呂:「百済は東から新羅。海を通じて西からは唐に挟撃されることに相成ってしまった。」
大海人:「で。こう言う時は悪いことが重なるのが世の常でありまして……。」