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「それで、だ。誠一郎、最近はどうだ?」
「どうもこうも…依頼があれば殺すし、無ければ暇を持て余すだけだ」
「よろしい。これからも始末の方頼むよ」
「体良く使いやがって…」
「利害の一致、というやつさ。よく分かっているだろう?」
どうやら、雪奈と冠城はただの知り合いという訳では無いらしい。力関係的に雪奈の方が上に立っているのが、会話から理解出来る。
「雪奈様は…誠一郎様の友達、ですの?」
「友達…とは少し違うかな。どちらかといえば、親代わりみたいなものだよ」
「…否定出来ん。ガキの頃から世話にはなってるからな」
「誠一郎は昔からこんな感じでね。私が生きていく術を教えたのさ。人が嫌いで、私にもよく反抗してきたものだよ」
冠城と雪奈の力関係が明らかなのはそういう理由があったからということになる。親代わり、というからにはそれなりに歳も離れていることだろう。
「…余計なこと言うな、ロリババアが」
「うーん? 何か言ったか誠一郎? 私が最も忌み嫌う言葉が聞こえた気がするんだが」
「ろりばばあ、って何ですの?」
「こいつみたいに、いい歳して子供みたいな体型と顔してる…ぎゃぁぁぁぁごめんなさいごめんなさい!!」
余計な事を言おうとした冠城だったが、雪奈に関節を決められて激痛に喘ぐ。身長差がかなりあるのだが、器用に決められていた。
…言い忘れていたが、雪奈のプロフィールを書き連ねていこう。
身長は145cm。まだあどけなさの残る顔立ちは、麗花よりも歳下に見えなくもない。出るとこも出ておらず、完全な子供ボディ。何故か金髪ツインテール。ゴスロリファッション。そして極めつけは…
「失礼だとは思うのですけど、お聞きしますわ。雪奈様、一体何歳ですの?」
「永遠の17歳だ」
「騙されるな、お嬢さん。本当はよんじ…あぁぁぁぁぁぁ死ぬ!!! ごめんなさい!!」
…ご理解いただけだろうか、完全に年齢と見た目が一致していない。少なく見積もっても40overの雪奈なのだが、全く見えない。というか、17歳にも見えない。
「てっきり私と同じ歳くらいと思ってましたわ! 雪奈様は凄いですの!」
「おい、誠一郎。何だこの娘は、めちゃくちゃ良い娘じゃないか!! 私に寄越せ!!」
「や、やらんわ…」
「因みにだが、この格好は趣味だ。というか、この見た目で似合う服がこれぐらいしか無くてな」
「よく似合ってると思いますの! とても魅力的ですわ!」
「麗花は褒め上手だな。誠一郎には本当に勿体無い」
どうやら雪奈も麗花の事は大いに気に入ったようで、いつの間にか抱き着いて頭を撫でている。とはいえ、麗花の身長は155くらいなので、少し背伸びをしているのだが。
だが、麗花を見る雪奈の目はどこか悲しげで…何かしら哀れみを感じているような、そんな色を帯びている。
「…誠一郎、少し2人で話したいことが」
「分かった。…お嬢さんは少し席を外してくれないか?」
「分かりましたわ! では、外へ出てますの」
そして雪奈は冠城に急にそんな提案を持ちかける。冠城も意図を理解したのか、麗花に退出を促す。
それについて、一切の疑問を呈さずに従う麗花を見て、更に雪奈の顔は渋くなる。
「…麗花の事か?」
「あぁ。一目見て分かった。あの子は…普通じゃない」
この短時間で、麗花に対する違和感をたくさん得たと告げる雪奈。普通じゃないのは、果たして思想だけなのか。




