表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

苺印のホラー作品

里の秋

 心臓の音が安らぐのは母の中にいた頃の影響らしいが、それを否定するすべもなく、そう感じている私はそれを否定する意味はない。

 卵から生まれた雛は自力で殻を割って出てくるが、人は違って、助けがなければ死んでしまうのが当たり前である。

 どこか遠くへいってしまった父も帰ってこず、苦労を掛けてしまった母は過労で死んでしまった。

 そんな環境で唯一の助けと言えばラジオで、放送は届かなくてもカセットテープがあれば聞けたので問題はない。

 その肝心なカセットテープの中身はというと、母の心臓の音である。

 聴診器を通して録音されたそれは雑音が多くても懐かしく、嫌ではなかったと耽っていた。

 そこでトントン、とドアを叩く音がして、小動物のように震え上がって心臓が高く鳴った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ