3Dプリンタの可能性
プレゼンテーション資料
「会津ものづくり工房」事業に向けた弊社の取り組みについて
平成26年4月
株式会社まちづくり会津
㈱まちづくり会津からの提案
■ 弊社の審査会出席について
弊社は「会津ものづくり工房事業業務委託企画提案書」の様式2、会社概要の事業内容記載のとおり「タウンマネジメント」を主とする「まちづくり」に特化した会社です。
設立以来、同企画提案書の沿革に記載のとおり会津若松市のまちづくりに実績を挙げており、様式3記載の類似業務についても関係団体等から高い評価を得ています。
今回の「会津ものづくり工房事業業務委託プロポーザル」の審査会出席も、従前の実績から弊社が会津若松市からも高く評価され、同市による弊社出席への非常に強い要望、要請に基づいて今回の出席に至ったもので、弊社による業務遂行は、今までの実績のとおり、市民からも高く評価頂けることは間違いないところでもあり、今回の審査会への参加に至りました。
■ 弊社の方針
弊社では、「会津ものづくり工房」(以下、工房という)で行う「ものづくり」の先端技術を会津に残る歴史的建造物の空き家、空き店舗、空き蔵を有効活用し、運営、管理していく予定です。充実した内容のセミナー・イベントの開催。漆器、酒造など地場産業に携わる技術、研究者とも交流し、商品改良や新商品開発にも役立てていきます。ものづくり先進地域として全国からの視察等により、交流人口の増加にもつなげ、ものづくりから地場産業を通じ、会津の発展に寄与していく事が弊社の考えです。
■ ワークショップ、セミナー、イベントの内容について
一般市民が気軽にFABの体験、学べる場所として、東京都渋谷区にある「しぶや図工室」に代表されますが、全国各地でもセミナー、イベント、体験教室などが開催されるようになってきました。
そのような施設では、FAB自体がどのようなものかを知ってもらうために「はじめての3DのFAB体験」を全6回程度で完結できるワークショップを常時開催しているので、工房もその内容に従ったワークショップを開いていきます。操作方法の体験、学習を継続しながら、ある程度操作を習得した人向けのセミナーは「市民向け」、「事業者向け」、「教育向け」などに分けてセミナー、イベント企画案を利用者とともに考えながら実行していきます。
■「市民向け」
子供、一般、また、高齢者も利用できる幅広い年齢に対応した内容のセミナー、イベントにしていきます。案としては「ひな祭り」「節句」などの季節の行事にちなみ、自分の顔をスキャンし3D化したオリジナルの雛人形などを制作し、家族でも楽しめるようにしていく。
子どもと高齢者との交流を兼ねたものでは、彼岸獅子、剣舞奉納、会津まつりの再現、赤べこなどの民芸品から漆器などの伝統工芸品を子供とお年寄りがいっしょにデザインしながら作り上げていく。
作品のレベルが上がってきたら、首都圏や他県で開かれる会津を紹介するイベントなどでも展示し、工房を全国にPRしていきます。
特に来年は、福島県のJRデスティネーションキャンペーンを控えており、観光での貢献も是非とも実現していきたい。また、アイデア商品をクリエイトし、イベントの企画として参加者が工夫しながら作品を作ることも考えていきます。
例としては携帯電話の防水、夜でも使いやすい光る鍵、老眼が進み筋力も落ちてきた高齢者向けの座って使える調理器具などで、制作する作品企画も充実した「ものづくり」への取り組みです。
■ 「事業者向け」
市内の事業者にも大いに活用して頂きたいため、地場産業を中心に業種を問わず販促に役立つ企画作品を製作し商業地の活性化も担います。
理髪店、美容室では、セット後の髪型を顧客に3Dで見本が提供できる。洋品店や貸衣装屋ではマネキンとしても利用出来ます。
結婚式場では結婚を記念し、3Dプリンタで制作したフィギアを販売するなど、実用化させており、他の業種でも夢と実益双方を提供できる企画も考えます。
また、住宅設計、間取りから大きなものでは会津若松市役所新庁舎の案なども3Dで制作しながら色々な発想、アイデアを募る企画も考えていきます。
■ 「教育向け」
次世代、未来のものづくりの人材育成のためにも小、中学校とタイアップした企画も行っていきます。
「一般向け」と企画内容は同じになるが、弊社での試みの中に郷土史家のお話を聞きながら江戸時代以前の歴史、風俗を学ぶ。解体前の旧鶴ヶ城や城下町の街並みを3Dで再現していく。
また、会津の美しい自然を3Dで紹介、焼失してしまった歴史的建造物や、仏像、史跡の再現し、会津の歴史、文化、自然を学びながら、地場産業を含め「ものづくり」の新たな担い手育成を目指します。
■ 事業から期待されるもの
以上の事業展開から、ICT技術を利用した最新のものづくりの技術を市民に浸透させていくことが出来ます。
新しい発想から地場産業の発展、ものづくり産業の活性化で地域社会の活性化にもつながる事業にしていきます。
工房開所のきっかけとなった3D造形の可能性
■ 3Dプリンタの可能性とは
高額な特殊機器だった3Dプリンタが、最近、個人でも購入出来る価格帯(5~6万円)のものが売り出され注目が高まっています。販売も好調でこのまま普及していくと製造業自体に画期的ななことが起こり「製造業の革命になる」(2013年2月12日の米オバマ大統領一般教書演説)とまで言われています。携帯電話、インターネット、スマートフォンのように既成概念や常識を一変させる可能性をもった先端技術になるでしょう。近い将来、キャラクター、模型など3Dプリンタ向けデータのはいったCD、DVDなどが安価で市販され、おもちゃから食器、家具、住宅分野にも進出すると予想されます。
医療分野でも期待されており、入れ歯、骨、臓器再生など、また、眼科では検眼したその場でメガネ、コンタクトが作れるようになるでしょう。
しかし、デメリットとして鍵の複製、認証システムの悪用、銃器作成、著作権の侵害など懸念事項も指され便利と危険は相反するという啓蒙も必要になってくると予想されます。
■ 中小企業の発展から都市計画、災害防止にも活躍
製造会社大手は3Dプリンタをすでに所有し、使用しているところが一般的です。ところが、低価格化で普及が進むと「中小企業によるユーザー本位のものづくりへの対応が可能になり、大企業より中小企業へのメリットが大きい。中小の製造業にはビックチャンス到来」(2013年11月29日付東洋経済オンライン)と期待されています。
また、国土地理院の地図データから3Dの地図模型が作られ、自然環境の復元、また、災害対策への応用で3Dのハザードマップも作られています。磐梯山のハザードマップも福島県火山災害予想区域図等検討会の発注で㈱トラストシステム(川崎市)により作成され災害時の対応策が検討されています。
災害予想の大量データが集積できればビックデータ処理との組み合わせで、非常に精度の高い対策案を作ることも可能です。
更に、3Dプリンタで市街地や都市の立体モデルも作られ、それに基づく都市の再開発、区画整理事業の具現化も行われています。
会津若松市では、福島第一原子力発電所事故により、大熊町の住民と共に暮らしていく方向に動きつつあり、共に生きる新しい会津の街づくり構想が必須です。「最先端のものづくり」の応用から地域づくり、快適な街づくり、更には本格的な都市計画案を提供し、会津若松市が強力に推進しているスマートシティ構想にも大きく貢献出来る可能性が十分あります。
このようなことをふまえ、将来を見据えた中小の地場産業の振興、地域発展につながるような工房運営にしていきたいと考えております。
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