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勇者レイトの伝説

 昔々、お城に遊びにきた一匹の小トカゲが、お城の王女様を一目見て恋をしました。

 恋をした小トカゲは、どうすれば王女様と結婚できるか必死に考えます。

 するとどこからか悪魔の声が聞こえてきました。

 一杯食べて、強く大きくなって、王女をさらってしまったらいいよ。

 それがいいと思った小トカゲは、目についた食べ物を次からから次へと食べていきます。


 小トカゲは花畑にいた蝶や蜂を、片っ端から食べつくしてしまいました。

 小トカゲは少し大きくなって、尻尾に毒針ができました。

 花畑の花は受粉できなくなって、だんだん枯れてしまいます。


 トカゲは畑の土の中にいたミミズやムカデを、片っ端から食べつくしてしまいました。

 トカゲは少し大きくなって、体が少し長くなりました。

 畑の土は干からびて、野菜が育たなくなってしまいます。


 中トカゲは水田にいたカエルやイモリを、片っ端から食べつくしてしまいました。

 中トカゲは少し大きくなって、手足に水かきができました。

 水田の水は汚くなって、お米が病気になってしまいます。


 大トカゲは川にいた魚や水鳥を、片っ端から食べつくしてしまいました。

 大トカゲは少し大きくなって、鱗と羽ができました。

 川は小さな虫に埋め尽くされて、緑色に濁ってしまいます。


 巨大トカゲは森にいた狐や狼を、片っ端から食べつくしてしまいました。

 巨大トカゲは少し大きくなって、牙ができました。

 森の植物は虫や小動物に食べられ続けて、はげ山になってしまいます。


 ドラゴンは襲ってきた人間を、片っ端から食べつくしてしまいました。

 ドラゴンは少し賢くなって、魔法が使えるようになりました。

 人々はドラゴンを恐れて、家から出られなくなってしまいます。



 小トカゲはついに魔王になり、王女様をさらいにやってきました。

 お城の兵士が目の前の大きな魔王に立ち向かいますが、みんなパクリと食べられてしまいます。

 魔王は王女様をみつけると、掴んでそのまま遠くへと飛び去ってしまいました。


 娘をさらわれた王様は、兵士達に言いました。

 王女を取り返してくれたなら、この国の王子にしてやるぞ。

 しかし誰も戦おうとはしてくれません。

 みんな魔王がすごく怖かったのです。


 王様は落胆して、今度は国中の男に言いました。

 王女を取り返してくれたなら、この国の王子にしてやるぞ。

 するとようやく、一人だけ、手を挙げてくれた少年がいました。


 彼こそがこの国で一番勇気のある者、勇者レイトだったのです。

 王様は彼の事をとても気に入りました。

 王様はお城の賢者に、勇者レイトを手伝うように命令します。


 賢者は勇者レイトに言いました。

 普通の剣と鎧では魔王には勝てません。

 私の作った5つの宝を使いましょう。

 そう言って賢者は5つの宝を持ってきて、そのうちの4つをレイトに預けました。


 一つは伝説の剣。

 レイトが握ると剣は赤く光り、なんでも切れるようになりました。

 一つは伝説の杖。

 レイトは魔法使いではありませんでしたが、杖を握れば魔法が使えるようになりました。

 一つは伝説の鎧。

 その鎧は何があっても絶対に壊れません。

 一つは伝説の腕輪。

 レイトが腕にはめると、目の前に大きな白い鷹が現れました。


 賢者は最後の伝説の鏡を自分で使って、王女様の居場所を探します。

 ついに遠くの火山に王女様を見つけると鷹に教え、鷹はレイトを背中に乗せて飛び出しました。

 レイトはあっという間に王女様の元にたどり着きます。

 その時魔王になった大きなドラゴンは、ぐうぐうと寝息を立てていました。


 勇者レイトは王女様に、一緒に城に帰ろうと言いました。

 しかし王女様は首をふります。

 私が帰れば、大きなドラゴンは怒って世界中の人間を食べてしまいます。

 王女様は悲しくそう言いました。


 その言葉を聞いたレイトは、魔王を倒す事にしました。

 勇者レイトは王様から預かった宝のうち、腕輪を王女様に渡しました。

 王女様が腕輪を付けると、レイトよりもたくさんの白い鷹を呼び出せました。


 しかしそのあまりの数に、魔王が目を覚ましてしまいます。


 驚いた魔王は、レイトに火を吹きます。

 しかし、勇者レイトは鎧を着ているのでやけどをしませんでした。

 困った魔王は、王女様を掴もうとします。

 しかし、王女様の呼んだ白い鷹に邪魔をされて、王女様を捕まえられません。

 怒った魔王は、白い鷹やレイトを尻尾で火山に叩き落そうとします。

 しかし、勇者レイトの剣で尻尾を切り落とされてしまいます。

 弱った魔王は、飛んで逃げようとします。

 しかし、杖の魔法が羽を焼き、魔王は火山の噴火口に落ちてしまいます。


 落ちた魔王は大暴れ。

 やがて燃え尽きて死んでしまいましたが、火山も噴火してしまいました。

 白い鷹は飛んでくる熱い石から王女様を守り、みんな死んでしまいました。


 熱い溶岩が二人を目がけて流れてきます。

 勇者レイトは来ていた鎧を脱ぐと、恐怖で動けない王女様に無理矢理着せてしまいました。

 そして剣も王女様に渡し、杖の氷の魔法で溶岩に立ち向かいます。


 王女様は気を失って、そのまま溶岩に流されてしまいました。



 王女様が目を覚ますと、溶岩は冷えて固まっていて、もう熱くはなくなっていました。

 しかし勇者レイトの姿はどこにもありませんでした。



 勇者レイトが生きているのか、それとも死んでしまったのか、それは誰にも分りません。

 けれど王女様は生きていると信じて、勇者レイトの帰りをいつまでも待っていました。


   -Fin-

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