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閉ざされた空間

初挑戦のため読みにくい部分や、変わってしまう部分もあるかと思いますがご了承下さい。

読みにくい言葉や漢字にはルビを付けるように致しますが、付ける付けないの判断は個人的なものとなりますのでご了承下さい。

途中より戦闘シーンなどにおいて残虐な表現などを使用致しますので、嫌悪感を持たれる方はご遠慮下さい。

薄暗い部屋の中、ベッドに横たわる一人の男


男は眠っているのか微動だにしない。


部屋の中には余計なものが一切ない


・・・いや、余計なものどころかあるのは引き出しが一つついた机と貧相な椅子

それ以外には男が眠るベッドだけだ。


「・・・ん・・・んん。」


男が目を覚ましたようだ。


男はグレーのスウェットに白いTシャツとシンプルな格好。


何かを決めた男は立ち上がり扉へ。

しかしながらノブは金属音を出すだけで回らない。


どうやらここは男の部屋ではなく、何かしらの原因で閉じ込められているようだ。


男は何度か扉と格闘をしていたが諦めたのかベッドに腰掛ける。


コンクリート剥き出しの内装を見回す男。

机を認めた男は立ち上がり机と向かう。


机の引き出しに手をかけた男はそのまま動きを止める。


どうやら引き出しは開かないようだ。


男は肩を落とし、再びベッドに腰掛ける。


この部屋には机、椅子、ベッド以外はなにもない。


部屋の四方はコンクリート剥き出しの冷たささえ感じる空間。


扉には人の頭ほどの大きさの窪みがある。


それに気がついたのか、男は扉に向かう。


「おーい!誰かいるか!?いるなら返事をしてくれ!おーい!」


男は拳を作り扉を激しく叩きながら叫び続ける。


・・・それからどれだけの時間が経過したのだろうか。

男は疲弊したのかその場に座り込む。


扉にもたれ掛かるようにして伏せっている男。

その背中からは絶望のオーラが感じ取られる。


「!?」


何かに気付いたのか男は立ち上がり扉に耳を付ける。


何かの物音を感じたのだろうか、男は必死な顔でそのまま

動かない。


「おーい!誰か!!おーい!いるんだろ!?おーい!」


男は再び扉を激しく叩きながら叫び始める。


「おい!騒がしいぞ!大人しくしてろ!」


扉についた小窓が開き警察官のような風貌をした男性が睨みを

効かせながら男を威嚇する。

扉を蹴り男性は離れていこうとする。


「あ、待ってくれ!ここは何処なんだ!?あ、おい!」


男の願い虚しく男性は扉の小窓を勢いよく閉め離れていく。

男はこの機を逃すまいと必死に叫び続ける。


小窓は部屋の中からでは操作出来ないのか閉じられたままだ。


「く・・・っそ!」


男は扉を殴りつけその場に崩れ落ちる。


扉の前に座り込むように崩れ落ちた男は僅かに震えている。

固く結ばれた手には一滴の雫が。

どうやら男は泣いているようだ。


男は少し日焼けした肌に黒髪、黒い瞳。

男も警察官のような格好をした男性も日本語を話した事から

お互い日本人であろうか。するとここは日本であろうか。


何が原因で閉じ込められているのか男も分からないようだ。


先ほどの人間は警察官なのだろうか?


一頻り泣いて男は気が済んだのか、再び立ち上がり部屋の中を

物色し始める。


机、椅子、ベッド、扉と目で認め男は机に向かう。



・・・ここからは部屋に閉じ込めらた男の目線にしてみようか。



俺はなぜここに閉じ込められているのか?・・・どうにか脱出出来る手段を探さなければ


人一人腰掛けられる程度の椅子がピッタリハマる大きさの机。

引き出しが一つ付いているが開かない。それはさっき試したばっかだ。


素材はアルミか?ステンレスか?

余計なものが何もない本当にシンプルな机だ。


引き出しには何か入っているのだろうか?


「カランカラン・・・」


机を持ち上げて揺すると引き出しの中で何かがぶつかる音がした。

どうやら引き出しには何かが入っているようだ。


しかし、引き出しには鍵穴らしきものが見当たらない。

どうやって開けるのだろうか?

・・・色々試してみるしかないか。


ひっくり返してみよう、何か引き出しを開ける手段を探さなくては。


特に変わったところはない。


床に叩き付けてみるか?そうすりゃあ引き出しが壊れて開くかもしれんし


・・・いや、先ほどの警察のような奴がまた来たら面倒だ。


恐らく俺はなにかしらの原因でここに監禁されていて、あの男は見張り

であろうから見付かったら面倒だろうしどうなるか分からないからな


次に椅子を調べてみた。

机と同じ素材で出来た貧相な椅子だ。


以前この部屋に居た人間が付けたのか多数の傷と凹みが見られる。

そういえば机も傷が付いていたな。


次に扉を調べてみた。


「コンコン・・・」


ぶち壊れるほどヤワな扉ではないようだ。


扉に付いた小窓はこちらからは開けられない。

小窓部分にはガラスが張られているようだが、恐らく強化ガラスだろう。


例えぶち壊せたとしてもこの空間からでは脱出は不可能だ。

タコのように骨を外せても無理だろうな、多分頭も入らない


他にはドアノブしかない。

鍵穴もない完全に脱出防止タイプだな。


・・・?


扉の下に僅かだが、溝がある。

覗いてみるとなにか隙間にあるようだが指さえ入らない。


無理矢理指を突っ込んでみた。


・・・?何か違和感が・・・

届きはしなかったが何かおかしい。


・・・なんだ?まあいい、他を調べてみるか


次にベッドを調べてみた。


素材はやはり同じだろう。

・・・なんだか鼻の奥がムズムズする。

なにかが鼻の奥に詰まってるような・・・でも鼻水は出なそうだしな

・・・気になるな。まあ気にしてもしゃあないか。


とりあえずしょぼいベッドからこれまた薄っぺらくてしょぼい敷布団と掛布団を調べてみるか。


掛布団は・・・調べるもないぐらい薄っぺらいただの布キレだ。

元は白かったのだろうか、所々シミが出来てるな。


それ以外は特に変わったところは・・・タグが引きちぎられてなくなっているぐらいか。


敷布団は、固めの綿かPEフォームが入っているタイプだ。

柔らかさも微妙だし、そもそもっていう薄さだ。

とりあえずカバーを外してみよう。


カバーは掛布団と違い白いままだ。

裏返してみるとやはりタグがない。


・・・ここまで情報がないと気が狂いそうだ。

鼻の奥もムズムズしてイライラしてくるし


続いてクッション材。

目星いものは何もないがとりあえず振り回してみた。


・・・ジッとしていると気が狂いそうだからだ。

振り回しがいのない感触にストレスを感じるな。何か破壊したくなる。


「カスン・・・」


!?・・・何か落ちた?どこだ?


床に這うようにしてクッション材から落ちたであろう何かを必死に探す。


「ない、ない、どこだ?どこだ?」


始めて何かを見つけた緊張感と失った衝撃から慌ててしまい中々見つからない。


「あ、あった!」


銀色の細長い物体だ。

針金?か?


曲げることも出来そうだな。

あ・・・これで扉の下のが取れるんじゃ?

よし、これは使えるかもしれない。

とりあえずポケットにしまっておこう。



他には何か落ちてないか?


部屋中の床を舐めるように探すがもう見つからないようだ。

というかもう必死にはなんかなれない。


カバーも改めて見てみるが何もないようだ。


「カツン、カツン・・・」


!?・・・マズイ!足音だ!さっきの奴が戻ってきた!?

ドアから覗いて・・・て窓は開かねえじゃねえか!

ちくしょう!急いで元に戻さなければ!!

物音を出来るだけ出さないように、慎重に、素早く!


「カツン、カツン・・・」


だいぶ近い!ヤバイ!間に合わない!

カバーやらシーツやらはやりすぎた!!

くそう!万事休すか!




「カツン、カツン・・・」


・・・通り過ぎた・・・か?

危ない危ない、見付かったらヤバかったからな。


一応確認しとくか。

扉に耳を押し当て聞き耳をたてる・・・聞こえない。

でもどっかで音がする。・・・下か!


扉の下に耳を近づけ聞き耳をたてる。

「カツン、カツ・・・」

微かに聞こえる。


・・・そもそもこの扉はどのくらい厚みがあるんだ?

小窓から推測するに5cmぐらいはあるだろうか。

ぶち壊れないほどの扉だろうし、それなりの厚みはあるだろうな。


・・・あ、じゃあここにシーツを突っ込めば机破壊出来るんじゃ?


・・・いやいや、破壊された後を見られたら一発アウトだろ

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