♯07 魔法学園臨時教師
先日、一通の手紙を受け取った。
書かれた内容を読み、暇を持て余していた私は即座に承諾の返事を送る。
趣味で魔法研究、魔道具作りをコツコツと行なっていたけど、最近は飽きつつあったからちょうど良かった。
伯爵様に許可を取らずに返事を返してしまったが、嫌とは言わない。
むしろ、箔を付けるチャンス。
私は趣味部屋から出て、伯爵様の元へ報告に向かった。
ウールウィッチ王国は魔法技術がもっとも発展した国だ。故に、魔法に関する研究や、魔法を使った道具『魔道具』などを作るのに最適な場所と言える。
そんな王国には魔法学園がある。
【王都ウールウィッチ魔法学園】
貴族も庶民も隔てなく、少しでも魔法の才がある者なら受け入れる。
他国からも留学する者が多く、その規模は想像以上に大きい。
「良く来て下さいました」
学園の前で1人の男性が迎えてくれた。
彼はこの学園の学園長。え〜と、名前は何だったっけ?
「私はマーレンよ、宜しくね」
「もちろんご存知ですとも、わたくしは、学園長の『アヤシ イヒト』です」
「ええ、私も存じております。この学園の卒業生ですもの」
思いだしたわ、この学園で1番胡散臭い人だったわね。だから、記憶の片隅に眠らせていたのよ。
揉み手をしながら私を学園長室に案内してくれる。その手がすでに気持ち悪い。
「今回お呼びしたのは貴方様を臨時で雇いたいからです」
手紙にも書いてあった。私を臨時で教師にしたいと、勇者パーティーに所属し、伯爵家の専属魔法使いになった。
この学園を首席で卒業、その時の記録は10年以上経った今も抜かれていない。
私の能力を、功績を、是非教壇に立って教えて欲しいと。
「それにしてもお若いですな」
「そんな事は無いです。今年で35になりますので」
「いやいや、見えないです、まだ20代前半、10代と言っても差し支えない」
高い魔力を持つ者は若さが維持されると言う。検証などはされていないものの、あらかた嘘とは言いきれない。
実際、私の見た目は30代には見えない。20代と良く間違えられ、私の事を知らない者は伯爵様の娘と思ってしまう程だ。
まあ、さすがに10代は言い過ぎだと思うけどね。
良くある社交辞令が終わり、本題に入る。
「では、お受け頂けると言う事で宜しいでしょうか」
「ええ、だけど条件があるわ」
「どう言った事でしょう」
言われた通りに受けても問題ない。だけど、せっかく臨時であっても教師になるのなら、好きにしたい。
「私の授業は、私の好きにさせて欲しいの、それにたいして何も言わない。それが条件よ」
さすがに少し考え込む、アヤシ学園長
「………分かりました、犯罪や学園の評判を下げる行為が無ければ承認致しましょう」
こうして私は学園の臨時教師になった。
【教会】
「も〜、今回はちょっとぉ無理しすぎっしょ〜」
神官様に体力と魔力を回復して貰う。
明日は臨時教師の初出勤、その為、気合いを入れようと1人で勇者コモノに挑んだ。
ノノンさん程では無いけど回復魔法が使える、むしろ長く唱え続けるなら魔力量が遥かに多い私のが有利。
昨日は常に回復し続けるリジェネを使った。
これなら通常のイキで済む、むしろ、私がコモノをリードしてやるんだから。
………甘かった。
私が甘かったとすぐに理解した。ノノンさんと2人で行なっていた行為も、コモノは本気じゃ無かったと悟った。
コモノの底が見えなくなった。
高い壁ならいつか越えられる。でも、その壁と思っていたものが、実は大地そのものだった。私は大地の上、彼の手の上で踊らされていたのだと……
魔力が枯渇した。
体力がゴリゴリ削られる。
逝き続ける私。
拒否したいのに体が求めてしまう、強制的に快楽を与えられ、脳が痺れ、体が痙攣する。
それでもイキ続ける。
何度も何度も何度も頭が真っ白になる。
まだ終わっていない、私の快楽は終わりが見えない。
ああ、ダメ、今日も私は壊れた玩具のようにひたすら喘ぎ続ける。
「っっっ!!!」
思いだしただけでイってしまった。
「…………」
神官様にイキ顔を見られてしまった。
「マーちゃん、顔真っ赤っか、かぁ〜い〜っしょ〜」
「……うう」
余り見ないで……
【魔法学園】
優雅に歩く。気を緩めると内股になりそう。
翌日、私が担当する教室に案内された。
あれ?ここの教室って……
ガラっと扉をスライドさせる、お約束の黒板消しが頭上から落ちてくる。
『ピタ』
私の数センチ上で6つの黒板消しが止まった。
「……………」
中に居た生徒達は一発目から出鼻がくじかれ、唖然としている。
1つは目に見えて扉に挟まれていた、コレはダミー、本命は中に入ってから落ちてくる。5つもあるとは思わなかったけどね。
ふふ、生徒が考えそうな事だ。
無詠唱でチョークの粉まみれの黒板消しを止め、フワフワと浮遊させる。
今日の為だけに買った、伊達メガネを中指でクイっと上げた。
生徒は10人って聞いていたけど7人しか居ない、サボりかな?私は中に居た7人に向け口角を上げ、わざとらしくニヤついた。
黒板消しを浮遊させたまま黒板の前の教壇に立つ。
「今日からしばらくの間担当する事になりました、マーレンよ、宜しくね」
生徒達に笑顔を向ける。
つい最近まで表情を作るのが苦手だった。それ故にクールビューティーとか鉄仮面とか大魔神とか色々言われてきた。まあ、気にした事は無かったけど。
でも、最近では表情を作るのが楽しくなり、簡単に出来るようになった。これも全て、新しい勇者様のお陰、コモノとのエッチは私に色々の表情を無意識下に作らせた。
黒板消しを指先で操作する。窓を無詠唱で開け、黒板消しを外に出しチョークの粉を落とす。
落とし終わった黒板消しを教卓の上に並べて置いた。窓もちゃんと閉める。
その間、生徒達は無言だった。
ふふ、面白くなりそうだわ。だって、この教室の生徒達って、問題児だけが集められたクラスですもの。
こうして、私の教師1日目が始まった。
【校舎裏】
「ゲホゲホゲホ!!」
外で、授業をサボっていると白い粉が舞って来た。何だこの粉は?
俺様と舎弟2人も咳き込んだ。くそ、何なんだこの粉は!!




