♯02 トラウマと勇者
南に位置する大国『ウールウィッチ王国』
【王の間】
「あれ?ココは……?」
僕の名前は『小心 コモノ』さっきまで学校の机に書かれたイタズラ書きを消していた筈なのに、机が光ったと思ったら豪華絢爛な広間に居ました。
「おお!成功じゃ!」
「奇跡はあるんじゃ!」
周りには立派な髭をはやした男の人達が僕を見て「奇跡」やら「成功」じゃを連呼しています。
良く分からないけど、とても良い事が起こったんだと思います。
ツカ、ツカ、ツカ……
前方の雛壇の上に立つ、とても綺麗な女性の方が歩いてきます。
美しい顔、美しい青髪、美しいドレス、美しいティアラ。
まるで、絵に描いたようなお姫様です。
「良く召喚に応えてくれました、勇者様」
「えっ!?」
今、この美しい人は僕に勇者って………周りを見渡しても僕しか居ません。
「あの、それって……」
「ええ、あなたですわ、勇者様」
見た目だけじゃ無く、声まで美しい。
「僕が勇者?」
ラノベやアニメにある勇者召喚って奴でしょうか?まさか本当に存在していたなんて。しかも僕が選ばれた!?
「今、世の中は魔物に溢れかえっています、どうか、どうかあなた様のチカラを貸して頂けませんか?」
美しい女性の方が僕の前に膝を折り、僕の目線より下から見上げるようにお願いされました。
その際、白いショーツが見えたのは秘密です。ガーターベルトをされてる方なんて、初めてみました。
あっやばい、僕の僕が元気になってしまいました。童貞の僕には刺激が強かったようです。このままだと……
「な、なんと!姫様!が自ら膝をついて!」
「それほど今回の勇者は凄いと言う事か!」
今回?と言う事は過去にも勇者が居たんだと思う。そう思っていると。
『バァーーーーーン!!!』
背中側の扉が勢いよく開き、大きな音を立てました。
「俺を勇者に戻せ!俺が勇者だ!何故剥奪した!な……こら離せ」
入って来たのはお世辞にもカッコいいとは言え無い、ただのオジさんでした。衛兵が両腕を持ち、扉から出そうとしています。
「ちっ」
えっ?今、姫様が舌打ちしました?
「これはこれは、以前の偽勇者様ですね。前にも説明致しましたが、あなた様は本当の勇者では無かったのです」
姫様はとても冷たく言いはなつ。
「違う!俺は勇者だ!」
「あなたの勇者資格は剥奪されたのです。それが真実なのです。それに……」
姫様はムギュっと僕を抱きかかえた。豊満な胸が潰れんばかりに押し当てられ、とても柔らかい感触が伝わってきます。
「真の勇者が召喚されたのです。偽勇者だった者は早々にお引き取り下さい」
その言葉を発すると、衛兵は問答無用にオジさんを連れて行く。まだ、何か怒鳴っているようだけど、僕はそれ処じゃなかった。僕の僕が暴走しそうになり、トラウマが発動してしまいました。
「勇者様↓(ちら)」
姫様は僕の僕が気になるようです。実は、僕のトラウマは、僕の僕が巨大過ぎる事です。
机の落書きも僕の僕をイジってクラスメイトが書いたもので、毎回イジってきてました。
「あなた様が真の勇者で間違いありません↓(ちら)」
泣きそうです。
「不安はあるとは思います↓(ちら)しかし、わたくしを信じて↓(ちら)、あなた様のいちも……チカラを貸して頂けないでしょうか?↓(ちら)それで……」
恥ずかしさの余り、その後の話しは余り覚えていません。
とりあえず、僕が真の勇者である事。そして、深夜12時に姫様の部屋に来て欲しいと強く強く、念入りに言われました。理由は分かりません、ですが、一刻も早くその場を離れたかったので、頷きました。
逃げるように城から出た。
しばらくして冷静になった僕は考える。勇者の役目って何だろう。
小心 コモノはオタクだった。部屋にあるライトノベルの数は3千冊を超え、アニメと言うアニメを見続けた。
そんなコモノは思う。普通であれば魔王が居て、魔王討伐だろうと、でも、予想でしかないが、勇者は僕以外にも居る。それも複数。
だからここの世界はセオリーでは無いと結論付ける。では何か、各国の勇者同士を戦わせる?無くは無い設定だと思う。
ただ単に国の治安維持の為かもしれない。
戦争の最前線何て事もありえる。
争い事は嫌いだから、なるべくなら平和に行きたいんだけどなぁ〜。
ん?
前方に教会があった、子供が駆け周り、空気が明るく見えた。
「教会にいる子供達は皆笑顔だな」
じゃあ、この国は良い国に違い無い、と思った。だいたい、悪い国は教会が廃れてるからね(ラノベ知識)
「あっれれぇ〜、君キミぃ〜」
「はい?」
少し離れた場所にいた神官さん?神官さんだよね?に、声をかけられた。
金髪の見た目はギャル、神官ぽい服は着てるけど、ミニスカートにルーズソックスの神官さん。ギャル神官だ!
「初めましてっすねぇ」
「はい、今日、来たばかりです」(地球からですが)
近付いて来たギャル神官さん、後ろから子供がキャッキャ言いながら着いてきてます。
見た目はギャルだけど、子供から好かれてるのが分かる。そんな子供が人見知りもせず僕に話しかけてくる。
「にーちゃん!にーちゃん!見てみて」
子供はギャル神官の後ろに回った。
「何をみ……ぶほっ!ゲホゲホ!」
思わず咳き込んだ。だって、ギャル神官さんのスカートを捲るんだもん。しかも、僕に見えるようにちゃんと前側を捲って、子供はイタズラ好きそうな表情でニカっと笑う。
「もう、だめっしょ〜」
「あははは」
子供は笑いながら今度は僕の後ろに隠れた。
「見ただろにーちゃん、縞パンだぜ」
ニシシと無邪気に笑う子供、これはヤバい。
「うおーーーーーー!!!にーちゃん!すげぇ!何じゃこりゃあ!!!」
ギャルにルーズソックスに縞パンって最高な組み合わせ!僕の興奮は300%フルマックス、いけいけドンドンドン、僕の僕はどうもギャルが好きなようです。
「君ぃ!ゴージャスっしょぉ〜〜!!」
「すげー!すげー!!すげーー!!!」
子供が僕の周りをすげーを連呼しながら回る。僕の頭の中は縞パンが回った。
【10分後】
どうにか僕の僕が冷静になった。瞬間、とても恥ずかしくなる。
子供はまだ「オレもにーちゃんみたいに慣れるかな?」っと興奮状態。
ギャル神官さんは優しく微笑んでくれている。
「あ、あの…」
「君ぃ、ソレは凄いっしょ、めっちゃ誇っていいっしょ」
「え……」
「だよな!だよな!」
初めて僕の僕を誇って良いって言ってくれた。子供も僕の事をヒーローか何かを見るかのようにキラキラした眼差しを向けてくる。
地球では、バカにされる事はあっても褒めてくれる事は無かった、そう言えば、姫様も「ソレも勇者様ですね、素敵です」って言ってくれていた。
ああ、僕はそれだけで、こちらの世界に来れて良かったって思う。
僕の僕が50センチ、缶コーヒー並みの太さ、物心付いた時からのトラウマが消えて無くなるのが分かった。
「にーちゃん、何で泣いてんだ?」
僕は泣いていたみたいだ。
「ううん、何でも無いよ」
ギャル神官さんが僕の前に立つ。頬に手を当てられた。
「うんうん、嬉し泣きっしょ〜、あーしには分かるっしょ〜、そんな君にぃ、飴玉あげるっしょ〜」
っと、顔が近付いてきて、唇と唇が重なった。
「!?」
口の中に丸くて硬いモノが入ってくる。
「さっき子供達に全部あげちゃったっしょ、あーしが食べたのが最後だったっしょ〜、だからあーしのをあげるっしょ〜」
口移しで渡された飴玉。
生暖かく、ほのかに甘いミルクの味がした。
「美味しいっしょ?」
「は、はい……とても……」
僕のファーストキスは、僕を盛大に拗らせた。




