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来訪者

 「なるほど、つまりこれから私たちが行うこととしては

1信用できる新聞や雑誌への反論。

これはアリシア様が伝手がありそう。

2私やエルサさんやフレイアさん、出来ればもっと複数の女性による貴族男性の行いによる被害の告発。

1で味方になってくれる女性が出ることを期待するが、すぐに対応してもらえるのは難しいと考え、先にこちらからオリバー・ブラウンの被害者など連絡出来る女性にお願いの連絡をしておく。

1と2で丁度世間の注目が集まっているその風向きを一気にこちら側へ巻き込む。

3オリバー・ブラウンの裁判にアリシア様が通報の根拠として呼ばれる可能性が高い。」

隠し魔記録が本人同意で装着していたということを証明して犯罪の証拠能力を高める必要があるのではと推測される。

3のためにブラウン家が息子可愛さに何か接触してくる可能性が高い、また公爵家の力をいじしたいグレイ家の接触も考えられる。

4世間でも注目されている通り、貴族男性の女性への行いが目に余ることを王様に訴える。

これは既にシルバー院長先生が王様にアポイントをもう取ってくれているので、事前準備としての1と2及び付随する情報収集を行うこと。

4のために3の対策を行うこと、という感じでしょうか?」


ミアはキッチンでフレイアから話を聞いた後、模造紙に小さな紙をペタペタ貼り付けながら、現状と今後の流れを整理していった。


商家である実家で情報の整理に活用していた方法だという。


 「ええ、そうですが、ミア様話を噛み砕くのがとても早くていらっしゃいますね」

「フレイアさんが整理して教えてくれたおかげです!有難うございます!」


 ミアも最初はもっと休んでいた方が良いと言われた。

しかし本人がどうしても新聞に書かれた酷いことや、きっかけとなった夜のオリバー・ブラウンによる行為を思い出してしまうので、何か怒りを活用して別のことに集中して忘れていたいと申し出たため、作戦会議となっていた。


 「概ね賛成なんですが、懸念材料にウチも加えた方がいいかもしれません」


「スミス商会ですか?」

「はい、利益のために何の躊躇いもなく娘を売るような父親です。きっとグレイ家と同じく、繋がりが出来たブラウン公爵家の価値が下がることを嫌がり、何か企むかもしれません」


 「……言える範囲で良いのですが、お父上たちはどのようなことを考えるでしょうか」

フレイアが悲しそうな表情で訊くと、実際の心の内は分からないが、ミアはけろりとした表情で言った。


「そうですね、ウチは単純なので、従業員を使って暴力に訴える可能性が高いと思います。

私が外出することがあれば無理矢理に連れ去って、オリバー・ブラウンへ謝る、そして再度色仕掛けでもしろと言うのではないでしょうか。

オリバー・ブラウンの嫁探しは、アリシア様が無事婚約破棄できれば難渋するでしょうから、もしかしたら身分が低い私でも良いと言うことになってしまうかもしれません。

もしくはクリニックの皆様や娼館の方を暴力で脅して私たちの新たな悪評を広めるとか。

新聞社や雑誌社に金を握らせて書かせる可能性もありますが、父は金の亡者ですから、前者の可能性が高いと思います。

もっともクリニックや娼館の方に暴力を振るっていたら憲兵に見つかれば普通に犯罪ですし、そこまでのリスクを犯してくれる従業員はいないと思います、父は人望がないので」


 あまりの言いように、フレイアはすぐに言葉が出てこなかった。ミアの言い方は感情的ではなく、そのように考えるに至った根拠があると思われた。


ミアがさっぱりとしているのも、諦めなければならないことが多かったためにそうした思考が根付いているのかもしれない。

そう思ったフレイアが、何か励ましての言葉を探してみるが、適当な言葉が見つからずにいると、キッチンのドアがバーンと開いた。


 「どうも〜!院長の友人のレイナルド・ロゼットでーす!」

「どうもー!ロゼット卿の友人のキャサリン・ウインターでーす。貴族女性雑誌「赤走」を発行してまーす」

「同じく二人の友人のレベッカ・ジョーンズでーす。オリバー・ブラウンの小僧のせいで被った被害のイライラを、アリシア様のお知らせのおかげで一矢報いてスッキリできた人の一人でーす」


 ジャーンという効果音が付きそうな三人の登場にミアとフレイア、本日が出勤でなくウインナーパンを齧っていた看護師が戸惑っていると、エドガーがバタバタと廊下を駆けてきた。


「ここは寮みたいなものだから!クリニックと繋がってるけど生活空間だから!君たちみたいにギラギラした人たちが来ると驚いちゃうから僕を置いて先に行かないで!」


エドガーはミアたちに驚かせたことを謝り、三人がアリシアやミアを助けにきてくれたのだと言った。


 「ミア、かっ飛ばしていくわよ!」

「勿論ですよ、レイナルド様!」

ミアとレイナルドは高い位置でお互いの手を叩いた。

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