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反撃よ……!

「家が没落しても、自力で這い上がった強い女性よ。

こういう言い方はアレだけど、出身が貴族だから一定の信頼はあるはず。

それに彼女は貴族時代の伝手を切らさず、例えば私ね、衣装の取引をしているわ。

他にも彼女とビジネスで信頼をしている貴族は多いの。だから、材料の一つとしては有効だと思うわ」


「凄い方ですね……!」

アリシアとミアはポカンと口を開けた。餌を待つ小鳥のようだったが、彼女達はロザリンドに自分達の未来を重ねたのだ。


 「ミア嬢、ロザリンドはね困ってるのよ。ああいう躾のなってない坊ちゃんにはね」

「困ってる?」

「そう、貴方もよく分かると思うけど、彼女達が受けた被害は言いづらいことよ。しかも彼女達は仕事にしてしまっている分、特に『事前に防げただろうとか』言われるわけね。

で、クソジジイならまだ出禁に出来るけど、奴らは若い分『加減が分からなかったとか』抜かして、親のお金で慰謝料も払うのよ。

金が払えなかったり、本人が公爵とかならまだ良いのよ、でも親がまともでそちらとはまだ繋がっていたい場合、扱いが難しいのよね……」


「ああ……、公爵本人が問題なら、それこそ娼館にいらっしゃるお客様から噂を流したりして、『公爵に問題がある。出禁は仕方ない』とどうにか出来そうですもんね。

でも公爵の息子さんとなると……」

被害者かつビジネスに明るいミアは納得して頷いた。


「そう、まだ未来ある息子のために暴走しそうな親を止めたいところだけど、親は悪くないから、親の流言工作までは大袈裟になっちゃうのよ。」


「息子本人を出禁にしたいけど慰謝料も払ってるし、親は権力があるし……、暴走するかは未確定だから前もって動けないけど、暴走されたらお店が傾く……、厳しいですね」


 「今回は娼館が主体となって訴えるわけじゃなくて、

次期公爵夫人のアリシアが王様への直訴のために、平民のロザリンドに事情を聞くことになるじゃない?

ロザリンドは断れなかったという言い訳が手に入るし、悪い客は寄り付かなくなるしで一石二鳥じゃないかなって」


「さすがです!」

ミアは純粋に喜んだが、レイナルドの確信めいた言い方にアリシアの顔はやや引き攣った。


 「あの、レイナルド様……、もしかして、オリバーは既にその娼館で何かしでかしていて、それをご存知なのでしょうか……?」


「……隠していた訳じゃないのよ?」


「レイナルド様のお取引先にまでご迷惑を……!え!?待って慰謝料!?どこから!?」


「あら、もしかして地雷を踏んだかしら……」


「魔獣被害で逼迫していたあの財務でどこから……」


「アリシア様!お気を確かに!!!」


ミアが今にも卒倒しそうなアリシアの背中を、気付けにバシバシ叩く。


 「公爵は悪くない……?え、親は悪くないって……?嘘でしょう!今日の商談行かなくて良かったわ!多少はブラウン公爵に後ろめたかったけれど吹っ切れたわ!あのクソ親父め!どこかから借金しやがったな!!」

「アリシア様!格好良くなっちゃってます!落ち着いて!」


「反撃よ……!これ以上バカにされてたまるもんですか!」

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