六話 入学試験にて(2)
第一の試験、魔獣の討伐数の争いが始まった。
もちろん、私にとっては全く厳しくなく、もはや遊び感覚だった。
大量の魔力により、魔法を放ち虐殺。
最初は楽しかったが、だんだん飽きてきた。
そうだ、剣の練習をしよう!
私は魔法を打つのをやめ、
剣を持って魔獣を討伐していった。
昔は護身のために修練をしていた剣術だったが、村の誰よりも強かった。
そのせいもあってか、私は、森の魔獣を瞬殺していった。
だが、まだ足りない。
あの勇者を殺すにはもっと修練を重ねなければ。
やがて第一の試験は終わり、私はもちろん1位だった。
ただ、2位の男の討伐数も、私には劣っていたが、十分多かった。
アデン…入学式で見た聖剣の剣士である。
おそらく、あれが次の勇者候補だろう。
まあ、私には関係ないけど。
第二の試験は、魔力測定から始まったが、私が測ろうとすると、測定器が壊れてしまった。
学園長以来2人目らしい。
アデンも、測定器にヒビをつけていた。
さすがは勇者候補だ。
また、もう2人ひびをつけた者がいた。
サナ…勇者の末裔だと言われ、魔術の天才だとか。
私と唯一、趣味の合いそうな女である。
(魔術と魔法は、同じものであるが、親しみやすい名前として魔法、正式名称は魔術である)
ユウマ…どこか遠い国から来たらしいが、誰も彼のことはよくわからない。
世間知らずで、まるでこの世界のことを知らないようだ。
ゲーム?みたいとか訳の分からないことを言っている変なやつだ。
例年なら、いても1人しかヒビをつけれないと言われている測定器を、今年は、4つ(1つ破壊)もヒビをつけたのだ。
稀に見る豊作と言っても良いだろう。
そして、筆記試験が行われた。
私は勉強が得意ではなかったが、魔術オタクとして、魔術の問題を全て正解し、見事第二試験を通過した。
ちなみに、ユウマはほとんど不正解だったが、なぜか第二次試験を通過していた。
学園長と何か関わりがあるのだろうか。