二話 第二の人生へのスタート
馬車は、王都に着いた。
そして、奴隷商や他の奴隷とともに歩いた。
私は、村を出たことがなかったから知らなかったが、王都は人で溢れている。
そんな中を薄くて横から見えてしまうような布一枚で歩くなんて、考えられなかった。
私は、顔が良く、綺麗な金髪で、胸はそこまで大きくはないが、華奢でスタイルも良かった。
だから、街の人みんなに見られている。
そんな屈辱に耐えながらやっと奴隷市場に着いた。
奴隷市場では、奴隷のオークションが行われていた。
もし、裕福な人に買い取られたら、ましな暮らしができるのではないか。
と考えたが、汚らわしい男に汚されたくないと言う思いが強く、最後まで諦めなかった。
何度も逃げようとしたが、首輪のせいか魔力が集まらず、魔法を使用できない。
そんな中、隣にいた、私より少し年上の女が話しかけた。
あなたも奴隷なのね。美人だけど、何をやらかしたの?
それか攫われた?可哀想に〜私も攫われたんだよー。
なぜこんなにも元気なのか。
普通は奴隷にさせられれば、こんなに明るくいられないはずだ。
私も声をかけてみた。
私は、村を盗賊に襲われたところを助けられて…
道に倒れてたところを攫われました…
女は、私の言葉を聞き、笑った。
ばっかじゃないの?www
そんなんで捕まるとか運無さすぎwww
全くその通りだ。何であのまま倒れてしまったのだろう。
せめて森にでも隠れれば、逃げれていたかもしれない。
私が黙っていると、オークションが女の番に回ってきた。
女は、
行ってくるねぇ〜
と、明るく言っていたが、目を見ると、確かに怯えているように感じる。
後から聞いたが、その女は高くで売れたらしい。
私ほどではなくても、顔は綺麗だったし、何より、胸が大きくスタイルが良かった。
多分どこかの貴族が買ったのだろう。
幸せに暮せればいいが…
そして、私の番が回ってきた。
私は、顔など、見た目の他に、魔術・剣術共に才能があることから、値段がとても高かった。
そして、いかにもお金を持っていそうな貴族が、とんでもない金額を出してきた。
平民が一生遊んで暮らせるような金額である。
だが、私はその男にだけは買われたくなかった。
明らかに体目当てだったからだ。
性奴隷だけは絶対に嫌だ。
すると、白髪で、白髭の老人がさらに高い金額を出した。
その男は、「王立勇者学校」、いわゆる国で最も有名な学園の学園長らしい。
そして、私はその男に、生徒にするために買われた。
これは、勇者を殺すために強くなるチャンスなのではないか?
そう思い、私は王立勇者学園に入学することとなる。