表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

遺言

 どうしよう。異世界転移してしまった。RPGゲームなんてやったこと無いのに。

 どうしよう。僕は生物学的にも多分ちゃんとイエザルとして進化してきたはずなのに。(尾てい骨は座る時にちょっとぶつかるけれど、それでもミクロ的にはちょっとずつ変わってきたはず。多分。)

 「種族名:ヒト」?違うだろ。人間だよ。いやいや違う。日本人だよ。だから日本でしか生きられないんだ。

 「ねえ、一体何の権限で以て僕をそんな土地に追いやるんだ。バクってるんじゃないか?ちょっと確認してみてよ。」

「……おい、聞いてる?」

 おいおい。やめてくれ。痛いのは無理だから。汚いのはもっと嫌だ。トイレットペーパーが無いなんて絶対……。

(意識は途絶えた。

 とはならない。もう少し言わなければ気が済まない。)


 だけれど異世界転生のことは知っていた。もっと言えば僕のこれが異世界転移だということも。なら誰に文句を付けたらいい。フロイト?違う。これは夢じゃない。

 そりゃあ……自称鬱だったけれど、別に鬱病だと言いたい訳じゃないさ。鬱と言ったら鬱なんだ。鬱病じゃなくてもいい。そんなだから、死んだら何か有ってもいいとは思っていたけれど、別に死んだわけじゃないし。

 僕のこれだって立派な病気だよ。これで死ねたならずっと良かったはずだ。つまり僕の行けたいところに行けたはずだ。だって絶対にそうだと思っていたんだから。

 ああそうか。これはそれじゃないんだ。他の誰でもない僕の病気という訳じゃないんだ。じゃあ誰の病気だ?そいつを出せよ。


 「ところで、ところでだよ?これが所謂「いわゆる」なら、何か凄い力とか、有る?」

「……おい、聞いてる?」

「ああ。分かった。死んだらまた来るからな。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ