ex 尋問開始
時刻は少し遡る。
ディルバインの乗ってきた巨大アンノウンを後にした神崎達は、ディルバインを連れて北陸支部へ戻っていた。
そして警察署などと違い取調室などが用意されていない事もあり、会議室を利用してディルバインの尋問を行う事となった。
会議室内の管理局側の人員は三名。
尋問を行う神崎と篠原。
そしていざという時の戦力として柚子。
その体制で尋問開始。
神崎がディルバインに言う。
「さあ、色々聞かせて貰うぞ」
「お手柔らかに頼むよ。とにかく暴力的な事は止めて欲しいな。キミ達が余程の下手を打たなければ、僕の知っている情報の九割近くは垂れ流してやるから」
「えらく協力的だな……」
「全部は吐かないと明言している捕虜が協力的とは、実に甘いな。良くも悪くも平和ボケしているという事かもしれない」
「平和ってお前……」
これまでこの世界で起きて来た色々な事が脳裏に浮かび声を荒げそうになったが、それでもその言葉は押しとどめて平静を保つ。
「……まあ良い。とにかく話せる事は話して貰うぞ」
……感情に身を任せても、此処ではきっと碌な事にならない。
それに確かに平和ボケしている考え方なのかもしれないが、9割近くの事を話してくれるのだとすれば、それをありがたく感じるのは事実だ。
もっとも、そうして垂れ流された言葉が本当に真実なのかは分からないが。
そういう意味では1割だろうが9割だろうが全てだろうが、あまり関係の無い事なのかもしれない。
そう考えながら最初の問いをディルバインに投げかける。
「まず最初に聞かせろ。これだけはお前が話す気が無くても喋ってもらう……どうやってダンジョンの防衛システムを掻い潜った」
おそらくこの世界は今、致命的な状況に置かれている。
その問題の核。
ダンジョンというこの世界の生命線が通用しなくなっている現状について。
何よりもまずその事について知る必要がある。
まずはそこから。
最低でもそれだけでも、自分達は知る必要がある。
「答えろディルバイン」
尋問開始だ。




