ひまわり記念日
『なろうラジオ大賞4』参加作品です。
事前にあらすじをお読みいただければ幸いです<m(__)m>
「でもやっぱり…父さん自信ないなあ」
「何言ってんの! 大姉ちゃんはお父さんの上司でしょ?お父さんの事なんて大姉ちゃんはすべてお見通しよ 入社以来…お父さんの憧れの人だったって事も…」
お父さん曰く「佐々木さんはブラック企業の辛酸をなめ尽くして次長にまで昇りつめた人だから本当はめちゃめちゃ怖い!」
そんな事、知った事か! 元部下だったお母さんが亡くなった時、私とお父さんを両腕に抱きしめて泣いてくれた“佐々木さん”…
その時、私は…私と同じ『陽葵』と言う名を持つ大姉ちゃんに一目惚れしたのだ!
「この思春期を迎え益々難しくなる娘の事を考えてよ!多感な子供には優しく頼もしいお母さんが必要なの!」
「お前、それを自分で言うか?! つうか『親なくとも子は育つ』って、いつもは言ってるじゃねえか!」
「情けない親だねぇ~子供の気遣いを真に受けるなんて!」
まあいい、いざとなると尻込みするヘタレたお父さんなんかうっちゃっておいて…私はキッチンで鼻歌を唄ってる大姉ちゃんに声を掛けた。
「大姉ちゃん!」
「なあに?こひまりちゃん」
料理する手を止めてこちらを振り返った大姉ちゃんは、アップにした髪からふわふわ後れ毛が出ていて優しい笑顔がとてもかわいい。思わず見とれてしまう。
「…どうしたの」
「えっ?! あ、今日は私の誕生日をお祝いしてくれてありがとう!」
「お腹すいた? もう少し待っててね! それから…ごめんね! プレゼントのリクエストを聞いてあげられなくて…」
「あ、それ、今言ってもいい?」
「ふふ、いいわよ」
「とっても大事なお願い…」
「今日はどんな我儘でも聞いちゃう!」
「それはね…」
私はお手製のラッピングを施した一輪のひまわりを差し出した。
「私からのプレゼントを受け取って欲しいの!」
「えっ?!」
「1本のひまわりの花言葉は一目惚れ」
戸惑う大姉ちゃんの手に花束を握らせて…
私はガチガチに緊張しながら99本のひまわりの花束を抱えているお父さんを引っ張って来る。
「99本のひまわりの花言葉は永遠の愛」
大きな花束を抱えたお父さんを大姉ちゃんにドンッ!とくっつけて
私は更に8本のひまわりの花束を大姉ちゃんに贈る。
「そして108本のひまわりの花束は…結婚してください」
戸惑い、高揚、そして大粒の涙
思いがけない幸せが舞い降りた時の表情を大姉ちゃんは余す事なく私達に見せてくれた。
そして私の誕生日は…
我が家の『ひまわり記念日』となった。
昨日書いた<『そのひまわりが咲く事は無い』 https://ncode.syosetu.com/n6634hz/ >の陽葵さんがとても痛くて…幸せな後日談を書いてみたくなりました。
これから先…こひまりちゃんに『弟か妹』ができる未来も…ひょっとしたらあるのかも…(#^.^#)
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