たむろ
放課後俺たちはそこに行くんだ
テスト勉強という建前をもって
そこにいるのは白髪のお爺さん
おぉ来たかなんて言って
問題児の俺達を
自然に迎え入れてくれる
俺の好きな先生だ
先生は物知りで
なんでも教えてくれる
話が長すぎて
聞き流すこともあったけど
気にせず話し続ける先生は
なんだか楽しそう
勉強そっちのけで
会話が弾むこともしばしば
職員室から戻った先生が
楽しいのは分かるけど
もう少し静かにな
なんて気まずそうに言うんだ
怒られたんだろうなぁ
嫌いな教員達が
偉そうに話してる朝会
俺は一人トイレで時間を潰す
なんか学校って怠いなぁ
本当に腹痛が襲ってきた
遅刻の多い俺に向けられる目は
鋭かったり
じとっとしてたり
遅れて教室に入ると
教員に言われる
皆んなに迷惑がかかっているんだ
周りの事も考えろ
俺は苦笑いを浮かべると
また酷い腹痛が
早退してぶらついていると
学校の畑をいじっている
先生と目が合う
授業中に外出している生徒へ
トマト食うか採れたてだぞ
なんて言う教員は
この人くらい
一口サイズのそれを
口に放り込む
ちょっと土臭くて
でもほんのり甘くて
なんだか目がジーンとするくらい
おいしかった
変人だと思われている先生
そのかっこよさは
あまり知られていない
今でも先生の周りには
どっかのはみだし者達が
たむろしているんだろう
そのかっこよさに惹かれて