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まだ見ぬ相棒を求めて

さて、冒険家登録も終わり無事見習いになれたものの現状装備の類もなく見た目はそこらを歩く子供と全く一緒である。


なので装備を買おう!

幸いお店の場所は冒険家ギルドに向かう途中に何軒か見つけていたのでその中で1番小s……落ち着いた雰囲気の店に入ろうと思う。理由は特にない、1度入ろうとした大きなお店の迫力と人通りも激しさに気後れしたとかではないし、次に入ってみたお店の店員さんの勢いに思わず逃げてしまった訳でもない。ないったらない、いいね?

しかしこういうこじんまりしたお店というのも入るのにちょっと勇気がいる。

…よし、とりあえずちょっと外から観察してみよう。

ほぅほぅ、なるほどねぇ、いやぁなかなか

「入らないならどけてくれる?」

「ぅえぇ!?!?あっ!ごめんなさい入ります!」

「ちょっと!言い方!あぁ、ごめんね?こういうお店初めてだとちょっとドキドキするよね〜わかるわかる」

「いや入口を塞いでたこっちが完全に悪いので、すいませんでしたほんと」

「ちょっとお姉ちゃん!早く行くよ!」

「え?待ってもうちょっと話させてよ、あぁ!せっかくのシyo……」

妹さん?に急かされ最後はよく聞き取れないままお姉さんは店の奥に行ってしまった。

しかしびっくりした…いつの間にか後ろからお客さんが来てたとは。周りに迷惑をかけるのは良くないな、反省。さて、気を取り直してお店を見るとどうやら左手が防具、右手が武器と大まかに分けられてるようで右の壁には大小様々な武器がかけられている。

「かっくいい…」

思わず声が出てしまう。

でも身長より大きな剣や両手を広げた位もありそうな戦斧、色とりどりの宝石のような石がいくつも付けられた片手剣、見たことがない穂先の槍が何種類もあり見るだけでも楽しいから仕方ないと思う。

しかもこの中にはひょっとしたら自分にとって生涯の相棒となる武器があるかも知れないのだと考えるだけでなんだかドキドキしてしまう。

が、しかし、なにを選べばいいかさっぱり分からない。

そもそも買ったところで使えるのか?

とりあえず無難に使いやすそうな小さめの剣を持つべきか?

防具に関してもそうだ安全のための防御力は欲しいが鉄を多く使うほど重くなり動きにくい。

ではどの程度なら?革製や木製のものもあるが大丈夫だろうか?


あれこれ考えたが結局分からないので、プロに任せることにした。

素人が考えるよりプロの知識と経験の方がいいに決まっている。

そう思い店員を探して店の奥へ進むと、どうやら先程の姉妹が取り込み中のようなので少し待つ事にした。

先程より何も気にせずに見れるのでとても楽しい。

ほほぉ、変形する槍!?こっちは杖のなかに剣!?爆発する盾!……ってどう使うんだろう?

あれやこれやとみているうちにどうやら用が終わったらしく姉妹が出ていくのとすれ違う。

その際お姉さんの方は手を振ってくれたのでこちらも手を振っておく。

あの人はいい人だなぁ。

さて、声をかけるぞ!勇気!気合い!うおおおおぉ!!

「あっ!アのっ!!」

すっごい声が裏返った気がするが気にしない!負けない!

「はい、いらっしゃい」

優しそうな様子にちょっと安心して少し落ち着けた。

「そ、装備のことで相談したいんですが。今日登録したばかりで何も分からなくて…初心者向けで、おすすめ剣とそれにあった防具が欲しいです!あ、予算は大金貨1枚で!お願いできますか!」

言い切ってカウンターに大金貨を置く。

大丈夫!言えた!

なんとか伝えることが出来たことにひとまずほっとして店主のおじさんを見ると、なんかすごい渋い顔してる!!!うえ!?!ため息ついてる!?やっぱり迷惑だった?それとも予算が全然足りない?値札を見る限りこれぐらいだと思ったんだけど足りなかった?

「あ!予算足りないですか!?!?何枚あれば足りますか!?これで何とかならないですか!?」

「まてまてまてまて!!出さなくていいからとりあえずしまいなさい。足りているどころか多すぎる。」

「え?」

「ふー……。君はたしか今日登録したと言っていたね?」

「は、はい。」

「ならば明日から研修だと思うんだが、その時になにか用意するよう言われたかい?」

「えっと、たしか当日動ける服装で、既に装備を持っている場合はその装備でとだけ。」

「そう、持っている場合は、だね。装備については研修を受けて、向き不向きや好み教官のアドバイス貰ってからでゆっくり決めて買うのはそれからでも十分間に合う。そのあたりも多分明日に教えて貰えるはずだよ。」

「それと。大金貨っていうのは大金だ、それを何枚も、そんなのを不用意に見せるのはあまりにも危ない。

あと、初めての店であのお金の払い方も良くないね。

もしもこの大金貨を取られて知らん顔をされたらどうするんだい?

君は今1人でしかも見習いの未成年だ。もう少し警戒心を持った方がいいね。」

「ごめんなさい…」

「今回は幸い、と言うか僕にとっては残念ながらだけどあの時君の他にはお客さんは誰もいなかったから大丈夫、よかったよかった。

あと、支払いの方法なんだけど、こういう冒険家向けの店はギルドを通して支払いができるところがほとんどだからお金をギルドに預けておいて大きな支払いの時はギルドに任せるっていうやり方もあるからおすすめだね。

普通は収入と支出の額が大きくなってくる見習い卒業辺りからすることが多いんだけどね。」

「へえー、そんな方法があるんですね。」

「まぁそのへんも研修で教えてもらうはずだから安心していいよ。どうする?どうしてもと言うなら用意するけど今日買っていくかい?」

「今日はやめておきます。そもそも何を買えばいいかも決まってなかったぐらいなので…」

「ん、じゃあ何を使うか決まったらまたおいで。」

「色々教えて貰ってありがとうございました。決まったら絶対来ます!」

「楽しみに待っとくよ」

結局長々といたのに何も買わずに店を出てしまい申し訳ないな。武器が決まったらすぐ来よう。その時にたくさん買ったらお礼になるかな。なるといいな。

そんなことを考えながら帰り道屋台で晩御飯を買った。

今日は串焼きと香草のパンを買ってみた。肝が美味しかったがパンにはやっぱり鳥の照り焼きが最高。

大人はよく肝にはお酒が合うと言うけどそんなに美味しいのかな?味見だけでいいからさしてくれないかな?ダメ?お金はちゃんと払うよ?ダメらしい。美味しそうに飲んでるどんな味?って聞いたらめっちゃ楽しい!!って言われたけどそれは味じゃないと思うな。


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