頑張れ少年負けるな少年
【・見習い冒険家・レベル1・特殊技能無し】
これが…俺のステータスか!
大変だ、ワクワクが止まらない。何も書いてないまっさらのステータスだからこそこの先に期待してしまうのも無理は無いはずだ
「ステータスの確認はよろしいですか」
「は、はい!大丈夫です!」
「ありがとうございます。
ではこれから見習い冒険家の方への説明をさせていただきます。
分からないことや聴き逃したことがあれば確認の方お願い致します。」
「はい!」
慌てて返事をしたけどちょっと笑われた気がする、多分気の所為、顔は見れないけど多分気の所為。
「ではまず1つ目の項目ですがここに書かれているのは役職と言い、功績に基づいた能力の証明になります。
この見習い冒険家というのは文字通り1人前になるまでの研修期間の役職ですね。
しばらくの間研修を行った後に専門的な役職、例を挙げますと戦闘ならば傭兵、探索であればシーカー、採集であればハンター、ハンターの中でも特に得意な対象があれば植物、動物、鉱物、トレジャー等を能力によりつけていくことが可能になります。
またこれらの職業は複数個付けることも可能ですので最初のうちは付けれるものは全て付けることをオススメしております。
ここまでで何か質問はございますか?」
「あの、役職って自由に付けたり取ったりできるんですか?」
「はい、可能ですよ。ただし協会での手続きや登録が必要となります。
また自己申告での求職等も可能ではありますがその場合のトラブルは当人同士でのやりとりとなり協会は一切関与しない事になっておりますので御気おつけください。
それと、盗人、殺人鬼、詐欺師等の1部犯罪によるものは自動的に追加され、外すことも出来ませんのでご了承ください。」
「そういう人ってその場で捕まえたりは…?」
「この場合分かるのは行為のみとなりその他の状況等は分かりかねますので、ただしそれらの役職が付いた時点で依頼の条件が厳しくなることが多いですね。
他に質問はございますか?…はい、では次のレベルについてご説明致しますね。
レベルとは簡単に言うと経験の可視化です。
戦闘や探索等様々な活動による経験の総量だと認識していただいて結構です。
ですがこの数値が高いほど能力が高いという訳ではありません。」
「え?なんで?…なんでですか?」
「私どもに対しては言葉は自由にしていただいて構いませんよ?
ただ丁寧な言葉遣いができるとご自身での交渉や相手への心証等に影響致しますので言葉遣いは少しずつできるように頑張っていきましょうね。」
「がんばr…ど、努力いたします」
「はい。
レベルについてですが先程申した通りレベルとは経験の総量ですので、剣の経験をいくら積んでも探索の能力は上がりません。
なので新規のパーティを組んだ際に問題になる事が多いです。
意図して勘違いさせるような人間も稀におりますのであくまで1つの指標として使うことをおすすめ致します。
不必要なトラブルを避ける為に十分な説明や相互の能力の把握を事前に行うことも重要です。」
「なるほど…あ、大丈夫です、お願いします。」
「では次の特殊技能について説明致します。
これは文字通り特殊な技術に対する協会からの保証になります。
依頼条件によっては指定されることもあるので余裕があれば取っておいた方が有利になることが多いです。
これらは定期的に行われる試験に合格した場合教会から認定が行われその場でステータスの更新をしていただくことで記載されるようになります。
試験会場や日時については目録がありますので言っていただければ確認することが出来ます。
ただ種類によっては条件や参加費、事前予約が必要となりますので確認の方お願い致します。
直近ですと2日後に剣術3級がありますね。
こちらは朝9時から丸1日場所はこちら、条件は剣術2所持又は剣術5以上の推薦又は参加費金額1枚・備考…戦闘あり、装備貸出あり、必需品無し。こちら参加されますか?」
「え!?」
「いい反応しますねぇ、いえ。
ではこれで説明は以上になりますが何か質問はございますか?」
「え?だ、大丈夫です!…たぶん」
「何か質問等ございましたら受付までお気軽にお願い致します。
ではそのままステータスの更新を行い登録は完了となりますがよろしいですか?」
「お願いします!」
「はい、ではそこの台に腕を乗せてください、はい、大丈夫ですよ。少し痛いですけど大丈夫ですからね」
理解するより先に手首に軽い痛みがあったがそれも一瞬で驚いているうちに終わってしまった。
「はい、これで登録はすべて完了です、では改めましてこれからあなたの担当をさせて頂くナナ・P・オーネンスですよろしくお願いします。」
「みならい冒険家のテルです!こちらこそ、よろしくお願いします!」
僕も今日から晴れて冒険家になった
処女作になります
アドバイスや誤字脱字等あればコメントいただければ嬉しいです