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難聴少女の政治活動~第一章~  作者: 米筆翔也
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私が変わる物語

ひゅー、風が通り過ぎていった。

ピーぴっぴ、あっ小鳥が鳴いた。

私は気づくとここにいる。おっきな岩の上。でも、友達はいないし頭の中に聞こえるのは、人の声ではなくて、いっつも自然のささやきだけだ。


学校では誰も話しかけてはくれないし、私の声は誰にも届かない。

だから気づくとここにいる。

何も考えなくてよくて、大好きな自然の音が私にささやいてくれるから。


でも本当は、私も人間らしく生きてみたい、友達と笑って、旅行して、一緒に喧嘩して泣いて、でも私にはそんな日々は一生訪れない、だって私の声は誰にも届かないから。


「私が生まれたときお母さんとお父さんは鳴いていた」とおばあちゃんに聞いたことがある。

でもそれは、決してうれしくて泣いていたのではなく、私が周りの子と違っていたからだった。私は生まれた時から耳があまり聞こえなくて、そのためうまく話すこともできない、だから私の声は誰にも届かない。


私は人と遊んだりすることはなく、よく自然の中で読書をしていた。ファンタジーからサスペンスまで幅広いジャンルの本を読んでいた私は、学校で周りの子が話している本に関する話はほとんど知っているし、私も一緒に話したいけどそれもできない。


小学校の時、私は何度も死んでしまおうと思ってしまうくらい病んでいた。でもそのたびに家族の顔が思い浮かんで死ななかった。

弟は来年小学三年生になる。弟はとても社交的でいつも家に帰ってくると鞄を玄関に投げ捨て、大慌てで行ってきますといって家を出ていく。そんな弟がずっとうらやましかった。


私は生まれてずっと一人だったので、やることが勉強や読書しかなかったので、頭は周りの人よりずっと良かった。

定期試験では、どの教科も学年で一番をとっていた。

テスト返しの日、みんなは盛り上がっているが、私にとっては郵便物を受け取るくらいのもので何もときめかない。友達がいたら、違うのかなっなんて思ってしまう。


よくニュースでいじめによって自殺してしまう子がいるが、別に私はいじめられているわけではないと思っている。声があまり聞こえない私が聞こえてないだけかもしれないが、シューズを隠されたりなんてことはない。


実はそれも父のおかげなのかもしれない。


父は有名な政治家でたまにテレビに出たりもしている。

私はあまり父の仕事に、興味があるわけではないが、いじめをなくすことを公約に掲げている父はこういった類のニュースがあるたびに少し機嫌が悪くなる。

これはお母さんに教えてもらったことだけど、父は学生時代に親友をいじめで亡くしているらしい、その時助けてあげられなかった自分をいつまでも攻め続けているとも。


いじめをなくすことは父にとっては亡き親友への罪滅ぼしと思っているのかもしれない。


そんな変りもない私たち家族四人は家では私に合わせて、手話で会話をしている。

でも、

あまり頭の良くない弟がテストの結果をもってきて、お父さんが帰ってきたとき、弟は普通に怒られている。

耳が聞こえにくい私でも聞こえるくらいに。

しょぼんとした顔で部屋に行く弟の背中はまるで、自然の中を一人で歩いている私の背中のように切なかったりもする。


でも私たちはとても仲のいいほうの家族だと思う。

週末はみんなで外食をするのが日課だし、祝日お父さんの仕事がない時は、いろんなところに連れてってくれる。外食する時はいつも行き場所をルーレットで決める。これはお母さんとお父さんが付き合っているときによくやっていた方法らしく、ルーレットが回っている間の時間は私にとってとても大切な時間でもある。

弟はいつも自分の生きたいところにならなかったらいじけるが、お店に行くと一番食べるのは弟なので、いっつもこの子は本当に幸せ者だなってうらやましくなる。


私はお父さんにこんな意地悪な質問をしたことがある

「なんでいじめはなくならないのにそんなに頑張ってるの」と。


そうしたら意外にもお父さんは笑顔でこういった。

「たしかにお父さん一人じゃ何も変わらないかもなー、でもゆかりと一緒なら何か変わるのかもね。」私はお父さんに、

「耳の聞こえない私じゃ無理だよ」と言ったが、

お父さんは、耳があまり聞こえないのはゆかりの個性だから誰も否定できないし、誰にだって本当に変えたいという信念があれば、お父さんを越えることなんて簡単だよっと笑った。


今でもそのお父さんの笑顔は私の中の宝物であり大事なお守りになっている。


ある日学校から家に帰ると家の周りに多くの車とたくさんのカメラを持った人がいた。

何もわからなかった。


気づいたら多くの人が私に向かって走ってきて、お父さんについていろいろと聞いてきた。

本当に怖かった。

私はうまく言葉が話せないので何も言えなかった。


そしたら一人の記者が私の補聴器に気づいて、「ちっこの子難聴なら、何も聞こえないじゃねーかよ」と言って、また家の前に戻っていった。

とても怖くて、涙が止まらない私は急いで家に入った。

そうしたらお母さんも泣いていた。


記者が家の前にいたのは、お父さんが不正なお金をもらっていた疑いがあるということらしいが、私は優しい信念をもって本気でいじめをなくそうとしていたお父さんがそんなことはしないと信じていたし、やってないこともわかっていた。

何度も何度も心の中で

「お父さんは何もやってない」といっても私の声は誰にも届かない。


弟はお父さんの秘書の方が車で家まで送ってくれたみたいで、幸い私ほど怖い思いはしなったようでぽかんとしていた。

テレビをつけてみるとニュース番組はお父さんのことばかりで、いろんな人を言われていた。


秘書の方は何度も、お母さんや弟、私に

「大丈夫お父さんは何も悪いことはしてない、みんな勘違いをしているだけだ」と何度も言ってくれた。

そして秘書の方は、「今からお父さんを迎えに行くから、絶対に外に出ないで待っていてください」といって車に乗って出ていった。


この後さらに災難が私たちを襲った。






読んでくださり誠にありがとうございます。小説の知識が全くない素人の作品で至らないところも多々あると思いますが、温かい心で読んでくださると幸いです。第二章では、この家族にさらなる災難が襲います。さらに弟、ゆかりにも少しずつ変化が表れていきます。へたくそな文章かもしれませんが、またよんでください!

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