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ショートショート4月~

賀正門

作者: たかさば
掲載日:2020/04/28

こちら正月を迎える、門でござい。


この門をくぐらねば、年は明けまいて。


さあさあ、心して、通るが良し。


正月を迎えるにあたり。


祝えるものかどうかの判断すべし。


祝えるものは通って、良し。


理屈をこねて通らざるもの。


恐れ通らざるもの。


通らねば年は越せぬよ。


ほれ見たことか。


通らぬものが、通るものを阻んでおるて。


お前に越せるわけがない。


お前が越せるはずがない。


お前がいたら越せぬのだ。


お前のせいで、越せぬのだ。


いとわろしや擦り付け。


己が咎を人に押し付け。


わが身可愛いというなれば。


今一度己の姿見てみよと。


お前に新年が迎えられよか。


過去に縋るお前にここは通られぬ。


だがあいつは己より。


だが己はこいつより。


他人を巻き込む恥を知れ。


お前に新しき年はやれぬ。


ここは通らず、過去に沈め。


賀正門の番人に掣肘されよ。


もちは食えぬぞ。


酒は飲めぬぞ。


もちはいらぬ。


酒は己で用意する。


新年などなくてもかまわぬ。


そこをどけ。


そこをどけ。


そこをどけ。


人をどかして渡った先に。


己の醜い過去があり。


お前の過去はお前を離さぬ。


お前は新年を祝えぬままで。


過去に囚われ過去に生きよ。


過去を見据えて未来を見つけよ。


祝うのはそれからじゃ。


祝えぬものに新しい年はやれぬ。


新年めでたしという声に。


騙され過去に囚われよ。


己は過去に、囚われたまま。


囚われの身を呪って人を見つめよ。


新年を祝う人の波を。


己は指を銜えて過去から見て居れ。


己の過去に囚われて。


己の新年迎えられず。


我が身を嘆き人に中り。


前に進めず一人留まれ。


抜け出したいか。


抜け出せぬか。


抜け出して見せよ。


ここは賀正門。


新年を、祝う砦。


祝う心を用意せよ。


捨てよとは言わぬ。


醜い咎を持ち、祝えと申す。


己の過去を認めよ。


己の咎を認めよ。


己の祝いたいと願う心を認めよ。



ただ、それだけじゃ。


ただ、それだけじゃ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 発想がすごい [気になる点] 何か辛い事でもあったのかな?
2020/04/28 22:48 退会済み
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