『だれが芳香を殺したか』あらすじ
※このあらすじは東方projectの二次創作です。
竹生島に遊行した宮古芳香はそこで霍青娥に出会う。
「わしは京の官人の宮古芳香。行基上人の建てたという四天王像を観に参ったのであるが、そちは……その常人ならぬ雰囲気……もしや弁才天さま!」
その人間離れした妖気と美貌に弁才天だと勘違いした芳香は、歌を詠みあって別れる。
平安京に戻った芳香は、早朝に羅城門の前を通りかかる。
そこでたまたま居合わせた茨木童子に襲われて食い殺されそうになるも、死を目前にして詠んだ歌を気に入られて九死に一生を得る。
死の恐怖に囚われた芳香は、竹取物語にある不死の霊薬を求めて富士登頂を行う。
そこで道案内をしていた藤原妹紅を雇った芳香は永遠の命への憧れを語る。
それは妹紅にとって自らのように苦しみが永遠に続くことを意味していた。
芳香を憐れに思った妹紅は、水銀の猛毒である金丹のことを教えて飲むように勧める。
博学の学士でもあった芳香は安易にそのことを信じたりはしなかった。
しかし何の成果もなく富士山から帰った芳香は焦り、弟子の菅原道真が自分より出世したことによる厭世観も手伝って、当時の道教思想の中心地であり水銀の鉱床でもあった大峰山に出奔する。
そこで青娥と再会する。
実は青娥は芳香のことを気に入っていて、陰ながら見守っていたのだ。
金丹とは、不死を追い求める罪を犯す人間を罰するために月の民が仕掛けた罠なのだと青娥は教える。
代わりに仙人になるための修行をつけられる芳香。
ある日、修行の一貫として幻覚剤を服まされ、山の中で一人にされる。
バッドトリップで不安と恐怖が倍加した芳香は衝動的に水銀の基となる辰砂を加熱し、水銀の蒸気を吸入して死のうとする。
そこに青娥が戻ってくるが、もう助からないという。
なぜあんなものを飲ませたのかと問う芳香に、青娥は説明する。
「言ったでしょう? 仙人になる修行だって」
「どういう……こと?」
「それは……それは仙人になる最大の条件は……
「死を、恐れないことなの」
「……つ、つまり……つまり死を恐れるが故に不死を目指すなんてことは……そもそも……」
「ええ、そんなことは不可能よ」
息を引き取った芳香を気に入っていた青娥は、その死体を術により復活させた。