想いの枝先
種を握りしめていた。
強く。でも、優しく。
ずっと握りしめていた。
ふかふかの土の中に、そっと。
大事な、とても大切な種を埋めた。
その種が、美しく素敵な大樹に育つと信じて。
希望に満ちた眼差しで、見守り続けた。
何日も、何日も。
ただずっと、見守り続けた。
いつの日だろう、種は芽を出した。
希望は確信へと変わり、見守り続けた。
夢を描きながら、見守り続けた。
大樹の下で木漏れ日に温もりを感じて過ごす夢。
実を頬張り愉悦に浸る夢。
育てた大樹が種を蒔き、世界を覆う夢。
夢が現実になる確信を抱いて、見守り続けた。
だけど。
芽は、目線よりも低い位置で留まった。
見守り続けても、それ以上成長することはなかった。
絶望に呑まれそうになった。
大事な種は、もう戻って来ない。
費やした時間は、もう戻って来ない。
そう、瞳の奥を意識が横切った時だった。
ふかふかの土が、かちかちになってしまうほどに。
芽を踏み潰していた。
切り替えが大事だと、上っ面に刻み込んで。
事実を踏み潰していた。
自分を守るために。
知らなければならない。
種が芽を出したのは種自身の力なのだと。
見守ることが育てることではないのだと。
種にとって、あなたこそが全てなのだと。
種を育てることが出来るのは、
あなただけなのだと。
誰かが、何かが、他の事象が育てるのではない。
あなたが育てると決めたのだと。
今、振り返り、過去から希望を見出さなければ、
前に進むことは出来ないのだと。
種がどんな変貌を遂げるのか、
どんな花を咲かせ、どんな実を作り、
どんな影響を及ぼすのか。
選択で無数の可能性があるのだと。
知らなければならない。
知らなければ、いけないと。
知ろうとしたこと、知ったこと、
それはあなたの力になる。
成功も、失敗も。
最高も、最悪も。
栄光も、挫折も。
すべてはあなたの力になり得る。
だから、知ってほしい。と。
あなたと、わたしへ届けと、願う。
願いを込めて、種を握る。
その想いが芽を出して、もっと多くの人に
絡みついてくれるように。
最後までお読みいただきありがとうございます。今回も全くの個人的な持論です。。。正直、自分自身に言い聞かせるために書きました。何があっても自分の行動を振り返って、次に生かせるようにしないといけないと。なかなか上手くいかずに悩んでしまうんですけどね。でも、それも力になってくれているんだよって、思います。願います。