2話
女先生「相の安定性は熱力学によって考察され、Hをエンタルピー、Sをエントロピー、Tを温度とするとギブス自由エネルギーG=H-TSとなり、これは温度、組成によって変化する。
ある温度、組成で安定に存在するのは各相のギブス自由エネルギーの中で最も(2低い)相である。
ある一定温度下で、各相のGibbs自由エネルギーGが、組成に対してどのような高低を示すかを仮想的に表現した図の事を自由エネルギー·組成)図と言う。
つまり 自由エネルギー·組成)図を用いれば、その温度で組成によってどのような相が安定に存在するか分かる。
2成分の合金を仮定すると、温度を連続的に変えた時に自由エネルギー·組成)図から相境界の組成が分かり、それを連ねることにより相線(phase line) と呼ばれる境界線が描ける。
縦軸に温度、横軸に組成を取って相線の位置を示した図形が 平衡状態)図と呼ばれるものである。
平衡状態)図という名称の中に平衡と言う言葉が含まれるのは、時間的には無限に長い時間の後の安定性を示すことになるためである。
熱平衡状態では基本的にGの最も(低い)相が出現するが、複数成分からなる系では、2つの相が混合した方が一方だけの単独相よりも安定になる場合がある。
このように複数の相が共存して平衡状態を形成する場合は、特に(異相)平衡と呼ばれる状態である。
異相)平衡が成り立つ場合、異なる相αとβの自由エネルギー曲線の間に共通接線が引け、それが(最低)である領域では接線が結ぶ2相αとβが共存した状態となる。
(異相)平衡が成り立つ場合、自由エネルギーGaに対する接線のA側切片μA, B側切片μBはそれぞれα相中の中のA、Bの(化学ポテンシャル) と呼ばれるが、このμはGibbs自由エネルギーの部分モル自由エネルギーに相当するので、μαA.μαB μβA μβΒに関してGαとGβに共通接線が引ける時に成り立つ2つの等式(μαA=μβA )と (μαB=μβΒ)はα相中とβ相中のBの(化学ポテンシャル)がそれぞれ等しいことを意味している。構成成分数が決まると相と自由度の間にGibbsの相律という規則が成り立つ。これは、成分数c、相数p、自由度fの間に、f= (c-p) +2の関係式で表される。1気圧という条件では、f =c-p+ 1となる、ということだ」
僕「なに言ってんだあんた」




