転位について
転位について。
すべり面の一部ですべりが局所的に発生して、それが滑り面全体に広がっていく。
このすべりがすでに起きた領域と、まだ滑っていない領域の境界を転位という。
バーガースベクトルについて。
すべり方向を表す量をバーガースベクトルという。
転位の周辺の結晶格子内で右回りに一周する。
完全な結晶内で同じように右回りに一蹴すると、SとFが一致せずギャップができる。
FからSに向けて矢印を引いたものがバーガースベクトルである。
刃状転位とらせん転位について。
転位は結晶内でループを閉じているか両端が外部に出ていることが必要である。
転位ループを考えると、転位線の方向とバーガースベクトルが直交する場所を刃状転位、平行な場所をらせん転位という。刃状転位とらせん転位の中間に位置する転位は混合転位という。
転位線は転位をたくさん並べたものをイメージする。
バーガースベクトルに対して垂直方向に並べたものが刃状転位。
バーガースベクトルに対して平行に並べたものがらせん転位。
バーガースベクトルは転位のどの部分でも不変である。
すべり面について。
すべり面の法線方向ベクトルは、バーガースベクトルとすべり線の外積で表せる。
らせん転位の場合はすべり面を定義できない、つまりbを含む面であればどの面でもすべり面になりえる。したがってらせん転位は容易にすべり面を変更することができる。
これを交差すべりという。
2本の転位が遭遇したときについて。
異符号の刃状転位の場合について考える。
同一のすべり面上の場合はお互いに打ち消しあって消滅する。
一原子間距離だけ上下にずれている場合は空孔が形成される。
一原子間距離よりも大きい距離離れているとき、弾性的な力によって両方動かなくなる。
異符号のらせん転位の場合、互いに引き合って打ち消しあう。
2本の転位が切りあう場合について。
転位線に折れ曲がり、ジョグ又はキンク、が発生し、転位運動の妨げになる。
着目しているすべり面を貫いている転位のことを林立転位という。
切りあいを生じた後にはどの転位にもステップが生じる。
このステップの大きさと方向は、切りあった相手の転位のバーガースベクトルに等しい。
ステップのうち、元のすべり面に乗っているものをキンク、乗っていないものをジョグという。
ここでらせん転位同士で切りあった場合、ジョグ部のすべり面と元の転位の運動方向は平行でないため、切りあった転位の運動の妨害となる。
上昇運動について。
原子の放出や吸収によって、すべり面を逸脱する刃状転位の運動を上昇運動という。上昇運動のように、局所的に原子数の変化を伴う転位の運動を非保存運動という。
すべり運動は保存運動であり、らせん転位の運動は常に保存運動である。




