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~第一話~誕生

~第一話~誕生


目が覚めたらそこは光の中だった。

否。

光が水のように溢れている部屋だった。

「ここは...どこだ?」

「ここは君たちの言う天国さ」

声のしたほうを向くと,そこにいたのは俺が助けたであろう犬だった。

白い毛並みに,キリッとした顔。

意外とイケメンだな...。

まぁ犬だが。

話を聞くと,犬は神の使いらしい。

そして犬はとある奴を追っていて,そいつに接触できたと思ったら,罠にはまりあの道路の真ん中に飛んでしまったそうだ。

「君は死んでしまったんだ,僕を助けてね」

「そうか...」

「でも僕は,君に助けられた恩を返せるよう神様に頼んで1つだけ力を貰ったんだ。」

「ほんとか!?」

「何ができるんだ?」

「えっと...チートもって転生する」

よく聞こえなかったみたいだ。

「もう一回いって?」

「だから,チート能力を持って,異世界に転生することだって」

あ,ちょっと怒られた。

本当にそんなことできるのだろうか。

嘘とかじゃ...。

でも恩返しだからそんなことはないか。

「じゃあそれで」

「オッケー,じゃこの中から能力と行く世界を決めて」

どすん

俺の前に重々しい音と共に大量の紙が出現した。

「えぇぇぇぇ!?」

「この中から!?」

「うん」

「いやぁぁぁぁぁぁ!」

そうして転生先とチート能力をを決める俺の地獄の日々が始まった。


数週間後(俺の体内時計)リク(仮)はまた訪ねてきた。

「決まった?」

「あぁ決まった」

まずは異世界から決めて、そこにあった能力を決めることにした。

まず異世界の資料を見ることに数日かかった(俺の体内時計)。

俺が選んだのは,異世界転生の王道である剣と魔法の世界だ。

そしてチート能力は...後でのお楽しみだ。

「ふーん,この世界に,この能力か...」

「この姿になっちゃうけどいい?」

「あぁそんなのどうでも良い」

「早くいかせて...」

泣くように俺は頼んだ。

「了解,もう姿や能力をかえられないけどいい?」

「あぁいい」

「じゃ送るね」

ぶつぶつと何か唱えた後,俺の周りに魔方陣らしきものが出現した。

「助けてくれてありがとう」

最後に犬のそう言う声が聞こえて,俺の意識は途絶えた。


真っ暗な世界。

体はふわふわして思うように動かない。

息すらできない。

じたばたしてみる。

それでも動けない。

この時間が永遠に感じた。

しかし,ぼんやりとした光と共に空気がいっせいに入ってきた。

どうやら俺は羊水の中にいてやっと抜け出せたようだ。

目は開かない。

光は感じることができるが,はっきりとは感じることができない。

頭もぼんやりしてはっきりと考えることができない。

ここは犬の本能に任せた方がよさそうだ。


目が開いた。やっと光を見ることができた。

正直今まで何をやっていたか全く覚えてない。

しかし,目を開けると,知らない少年に抱き上げられていた。

誰だこいつ?と思ったが

転成したことを思い出した。

耳を済ませば声が聞こえてくる。

そこで1つ目のチート能力を使う。

全言語を見ること.聞くこと,喋ることができる能力。

ラノベとか読んでたら言葉覚えることに苦労してたりするしな。

いちいち言葉を覚えることがめんどくさかったからだ。

「わぁー一なワンちゃんが目を開けたー!」

犬?犬って何?

「やっぱり犬飼ってよかっただろ?」

「そうですね,父様!」

ちょっと待て。

え?俺の事?俺の事なの?

今はっきり言ったね。犬って。

どう言うことだ?犬って。

そんなこと聞いてない。

頭をフル回転する。

今まで聞いてきたこと、読んできたラノベ、全てを思い出す。

ぐるぐると考えた後、一つの結論にたどり着いた。

リク言がってたな「この姿で本当にいいのかい?」って

まじか...

あれって犬だけどいいの?っていう意味だったの?

泣きそう。

こうして俺の犬としての異世界生活は始まった。




俺が飼われることになったこの家は,結構裕福な家庭らしい。

父である、ウルド:ガルシアは街を魔物から守る騎士をやっている。

母のカミラ:ガルシアは,夫の騎士団の事務をやっている。

息子ルーファ:ガルシアは父のウルドを目指して、剣術の練習に日々打ち込んでいる。

俺はこの世界にあるペットショップみたいな店で飼われ、ウルド一家のペットとして飼われることになったようだ。



今俺は息子ルーファがウルドの剣術指南を受けている様子を見ている。

特設部屋から。

つまり小屋である。

昼間はそこで過ごす。

しかし、暇なのだ。

犬と言ったら1日中寝ているイメージしかなかったが、本当に寝る以外することが無い。こうやって指南の様子を眺めるか、寝るか。今の選択肢はそれしか残されていない。

この一家に怪しまれないよう本格的に活動するのは夜になってから。活動?否、「特訓」である。



特訓の内容は魔術である。

この世界は,あの光の部屋での資料でも見たが魔物がいるよう だ。

血の気の多い魔族だっている。

戦闘の術を持つことは,死活問題である。

そこで,第2チート「高速魔力回復」を使って

魔術の練習を始めた。

高速魔力回復とは文字どおり、高速で魔力が回復する能力である。要するに無限魔力だ。

今日練習するのは,基礎魔法「氷柱アイスピラー」である。

魔術のイメージとしては,作りたいものや出現させたい物を頭に浮かべながら,出現させたい場所に魔力を送ると,魔法が完成する。

今日は氷の柱だから,氷の冷たさと出したい形をイメージして出したい場所に魔力を送ると...ビキビキと音を立て氷の柱が出来上がった。

氷柱は成功したな...

次はこれ実戦にどうしようするかだ。

これは相手はどこに来るか分からないだろうから

不意討ちに使えそうだな。とか

相手の動きを封じるのにも使えるな...。とか考えながら

今日も夜は沈んでいく。



その翌日。

俺は今日もルーファの剣術の練習をみていた。

ルーファとは,この家の息子である、つまり剣術はほとんど、聖龍である父ウルドの息子である。

この世界では、剣道みたいに級が決まっており、下から基礎、中級、上級、聖龍、王龍、神龍である。

それにも関わらず、ルーファには,剣術の才能が全くない。

別に努力してないわけではない。

むしろ,頑張っている。

しかし,才能がない。

見ていても転ぶわ,木刀を飛ばすわで大変である。

基本的に剣術は騎士団である父ウルドが教えている。

ウルドもルーファの才能の無さには気づいているらしく、

母カミラと魔術を教えてみようかとか話しているのを聞いたことがある。

ルーファも苦労してるんだな...

そんなことを考えていると...。

「ウルド!」

「どうした? マーズ」

マーズ? 火星みたいな名前だな...

「近くで魔物が暴れてるんだ!」

「今はランドロフが押さえているが...」

ランドロフはウルドが勤めている騎士団に所属しているパーティーである。

「ランドロフにはアタッカーが少ない! すぐ来てくれ!」

「わかった」

この世界でパーティーには3つの役職がある。

まずはタンクだ。中陣、後陣を守る壁となる。

次はアタッカー! 攻撃の要となり相手の数を減らすことを得意とする。アタッカーが居ないとパーティは成立しない。

主に魔術師や剣士がアタッカーとなる。

ウルドは普段騎士だが、いざとなれば剣士としてアタッカーもできる。

次にヒーラー! 仲間を回復し前線を支える。

ヒーラーは大抵魔術師がなっている。

しかし,ヒーラーはいなくてもパーティーは成立する。

速攻で方をつけないといけないけどね。

「さて,ルーファとグランも行くか?」

「はい!」

「わふ!」

グランとは俺の名前である。

ちなみに言葉を喋れなくもないが、面倒くさいし犬が喋ってみろ 俺なら恐ろしくて逃げ出すね。





その後,俺達は魔物出現中の森へと向かった。

その後俺達は魔物の討伐に向かった。

森のなかに入ってみると、近くで戦闘が行われていた。

「右方向から小型2体接近!」

「ドゥーグ足止めして!」

「了解!」

「ちょっと数多い!助けて!」

「了解!」

千氷刃サウザンドアイスブレード!」

ランドルフは,タンク2人 魔術師1人 ヒーラー1人のパーティーのようだ。

確かにアタッカーが1人だけだと厳しい。

「チャーネル来たぞ!」

「おぉウルド待ってたぞ!」

土壁グランドウォール!」

チャーネルと呼ばれた魔術師は,ウルドが呼び掛けるとすぐに「土壁グランドウォール」を使って魔物の動きを牽制して,ウルドのパーティー参加を助けた。

そしてウルドは入ると同時に、間合い外の魔物の前で剣を振った。

するとその魔物が切られたかのように弾けとんだ。

この技見たことあるぞー。

なんだっけ?そう思い出した!

火龍剣術「飛龍の太刀」!

この世界では剣術が3つ作られている。

さっき言った火龍剣術。主に攻撃を主体とし、一撃の威力が大きい一撃必殺型。

次は水龍剣術。防御して、一撃を叩き込む。受け流しや回避が多いカウンター型。

最後は雷龍剣術。一撃は小さいが攻撃スピードが早い。何回も叩く連続攻撃型。






と,思っていたら小型の犬型魔物がこちらに襲いかかってきたがウルドが難なく首を切り落とした。



「ルーファよく見とけ!」

「はい! 頑張って下さい,父様!」

「おう!」

いける,ウルドが入っただけで形成が一気に変わった。押されぎみだったが着実に数が減ってきている。

勝てる,誰もがそう確信した。

だからこそ隙を生んだ。

パーティーの陣形を掻い潜った最後の魔物2匹がが,最も弱そうなルーファに襲いかかった。

唐突なことで誰も反応しきれなかった。

助けられるのは俺しかいないと思った。


氷柱アイスピラー」で1体目の魔物の腹を突き上げる。

命中した。

今度はこちらに襲いかかってきたので、「氷柱(アイスピラー)」で相手の動きを抑えつつ風魔法「風刃(ウィンドブレード)」を放つ。

風の刃は魔物にあたり、断末魔もなく魔物は絶命した。

「...何故犬が魔法を...?」


皆は俺が魔法を使えることにとんでもなく驚いていた。

そりゃそうか。

犬がパソコン使うのと一緒だもんな。(適当)

皆口々に俺に質問をしてくる。

しかし、1人だけ満足そうにこっちを眺めている奴がいた。

ウルドだった。

「お前ら、質問は後にして魔物の処理するぞー」

「はーい」

この世界の魔物は時に復活してゾンビ化する時がある。

なので、モンスターの死骸は焼くか、凍らせる、粉砕するなど

とにかくもう一回死骸を潰さなければならない。

そんなことより、今はウルドの態度である。

さっきの感じから言って俺が魔法を使えることを知っていたようだ。聞いてもいいものか迷ったが、聞くしかないので聞くことにした。

「ウルド」

「どした?」

「俺が魔法を使えること知ってたのか?」

「...あぁ 知っていた」


~ウルド目線~

うちの愛犬グランが魔法を使えることを知ったのは数日前だ。

うちの庭でルーファと剣術修行をしていたら,魔法の痕跡を見つけたので,魔物が出没したのかと思い,その日の夜庭に潜んでいた。

しかしいくら待っても魔物は現れる気配がなかった。

庭で動きがあったのはさらに時間がたってからだ。

もぞもぞなにかが動く気配。

しかし、気配を探ってみてもうちの愛犬しかいなかった。





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