君へ
ーーーこんぺいとうが、おちてくる。
君は、よく謝る。
悪いことをしたわけじゃないのに、謝る。
僕が辛そうにしていると、君はいつも謝るんだ。
何もできない自分を悔やんで
何もしてあげられない自分を責めて
ーーーごめんね
絞り出される言葉は、いつも僕の心を揺さぶっていく
責任を感じている君は酷く孤独に見えて
ちっぽけな背中は小さく丸まっていて
ーーーごめん、なさい
そう言って自責に涙を流す君は、寂しげで
優しさ故の涙は、いつも冷たい
君と出会って、まだほんの少ししか経っていないんだ。
君の知らないところ
君の知っているところ
君の好きなところ
君の弱いところ
君の強いところ
まだまだ、僕には気づけてない君の魅力がいっぱいある。
ーーーなんで泣いてるの?
僕がそう聞くと、君は首を横に振ってわからないと答えるよね
寂しいのかな?悲しいのかな?
僕が辛そうにしてることが原因なら、僕のせいなのかな?
君はそんなことないと強く否定するよね。
僕には、君が自分自身の弱さに泣いているように見えたんだ。
嘘つきな自分に
無力な自分に
卑屈な自分に
情けない自分に
空っぽな自分に
僕が誰よりも君の隣にいたいように、君が誰よりも僕の隣にいたいと思うのならば
ーーーきっと、僕らは探すんだ。
隣にいていい理由を、
その人に大切にされるための立場を
好かれ続けるための行動を
まるでもう別れないといけないと言わんばかりに、君は泣くよね
ーーーごめんね、ごめんなさい
しゃっくりをあげながら服の袖を掴んでくるその姿、
ーーーいつも思うんだ。
僕は、君にしてもし足りないほど感謝してる。
散々否定されて落ち込んだ僕を、君は慰めてくれた。
悩みを溜め込んで情けない姿を晒した僕を、君は肯定してくれた。
別れが不安になって弱気になった僕を、君は元気付けてくれた。
数えれば数えるだけ、僕は君に救われたんだ。
今日も、明日も、明後日も救われたんだ。
毎日救われてる。救われる。
だから、謝らないで
君が思ってる以上に、君は僕の中で大きな存在になっていて。
それほど、僕は君のことが好きなんだ。
何もできないことを自責にしないで、
君に伝えるだけで、僕は楽になれるんだ。
好きって気持ちがぽろぽろあふれて、こんぺいとうみたいに
色とりどりのこんぺいとうは、甘くて、同じ形のものなんて二つもない
君のことを好きになると、こんぺいとうが落ちてくる。
拾ってみないとわからない、色がついたこんぺいとう
甘い甘い、好きの形です。
僕はそれを、瓶に入れるんだ。
瓶には、たくさんのこんぺいとうが入っていて、
お日様の光を反射してころころ色を変えるこんぺいとうは、君を思うたびに、増えていく
いつか、いつか、瓶の中のこんぺいとうがいっぱいになった時
『こんなにふえたよ!』
って、君に自慢してやりたいんだ。
ありがとう、好きにさせてくれて、
ちっちゃくて大きなこんぺいとう。