優視点 商業ギルド・荒波の雫です-2
「………さてと、早速作ってみましょうか……。とは言っても作れそうな物は少ないですけどね……。やっぱり何か買うべきなのでしょうか……。いや、こんな事で迷ってもいられませんし……。」
数十分程悩んだ結果、私はある物を購入していました。……というかこれが無いのにどうやって色々と作ろうとしていたのかと思ってしまっています。いや、最初の裁縫の時には【魔力裁縫】で道具いらずだったのであまり気にしていなかったのが原因なのでしょう。
〖ヤワ蟹の糸切り鋏〗
品質 B/B
・【ヤワ蟹】から手に入る小さめの蟹鋏。糸などを切るのに適しているが戦闘には使えないほど脆く、強い衝撃に弱い。使いやすいように持ち手が加工されているのが特徴。
〖廃海賊の裁ち鋏〗
品質 B/B
・海賊達が服を手直しする際に使っていたと言われる裁ち鋏。長いこと海に沈んでいた為通常の使用法ならば問題なく使えるが、それ以外の事に使うとボロボロになってしまいそうな雰囲気を醸し出している。
8000G → 6000G
この2つのアイテムを買うことにより私はある物の製作に取りかかりました。……というのもおじさんに「刺繍するなら鮫の柄が良いんじゃねーか?」というアドバイスを貰いましたからね……。ただお姉さんの時とは違いクエストとはなっていないですが色々とありそうだったので私は早速刺繍を開始したのでした。
〖ドングリ柄鮫布栞〗
品質 C/C
・ドングリの柄をあしらった鮫科の皮製の栞。ドングリの刺繍をした事からドングリの香りがしているような気がする。同じ品質の本に挟んでおくと水中でもその本を保存する事が出来ると言われている。
〖鮫?柄鮫布栞〗
品質 E/E
・鮫なのかイルカなのかがハッキリしない柄となった鮫科の皮製の栞。刺繍に込められた魔力により磯の香りや生臭い香りが消え去っており、どことなく爽やかな気分になれる。同じ品質の本に挟んでおくと水中でもその本を保存する事が出来ると言われている。
「………なんだか変な感じになりましたね……。これ鮫かイルカかって……いや、もう少し牙を主張する様な形にした方が良かったんですかね……?」
私はそう困惑しながらも取り敢えずこの2つの栞を近くにある{冒険者ギルド}に持っていってみようと考えました。栞をよく使いそうな人には心当たりはあるのですが、その人はVROの方に留まっていると聞いているので私は普通に売却の道を選びました。まぁ、あまり高く売れるとは思いませんけどね……。




