暗雨視点 クラン勧誘とPVP-2
私ともう一人の勧誘されていたプレイヤーがソロでやるからクランには入らないと叫んでから、勧誘のメンバーから後数分でCMや副CM達が来るから待っておけと言われたので、とりあえず待っている事にした。
「……………にしても、俺っ子って実在したんだなぁ……。俺っ子メイドって、今需要あったっけ?」
「………………いや、俺男だから。確かにこんな成りをしていて顔も女っぽいけど男だからな!!いや、そんな疑わしい物を見る目で俺を見るな!!俺は男なんだよ!!」
私と同意見だった奴は、生産スキルの『裁縫』『料理』『装飾』を持っているメイド服の自称男の黒い髪を肩まで伸ばしているプレイヤーだった。プレイヤーネームはティグレというらしい。
彼?は女性が10人通れば10人が嫉妬するような顔立ちだった。まぁ、美人というよりは美少女という感じに見えるため、俺は男だといえ発言も可愛らしいと感じる人は多いかもしれない……もしくは、男の娘というのかもしれないが。
「…………やっぱり、第四の選択肢で決めなければここまでの見た目の変更にはならなかったよなぁ………。まぁ、固定スキルは気に入ってんだけどな。」
「あぁ、あなたもそれでやったんだ………。私もそれでやったんですよ。最初に設定していた髪の色が銀色に変わっちゃいましたけど。」
第四の方法ではスキルをとある職業に併せて偏らせない限り、種族的な装備になるので、彼?は生産スキルの部分を偏らせた結果がこれなのだろうか?と少しだけ同情した。女でもプレイ開始早々メイド服は恥ずかしいです。
「………つーか、俺達だけ逃げられなくなって他の生産者プレイヤーは逃げちまったよなぁ………」
「そうですねぇ。」
そう、私とティグレ以外の囲まれていた奴は勧誘の奴等が連絡を取っている間にさっさと逃げてしまったのだ。啖呵を切った私達は逃げるに逃げられず、現在の状態になっているわけである。
「そーいえばβテスターで有名なギルドってなんですかね?βテスターは身内にいるんですけどあまり情報は聞いていないので…………。」
「俺も分からん。まぁ冒険者ギルドの方でいち早くクランを設立したのは『ヴァーチャル・メンツ』だったって事ぐらいだな。トップレベルだったβテスターと、そのリアルでの友人で作られたっていう奴だ。だが、アイツ等はメンバー募集をしていないからな………」
そうティグレと話していると、次々と二人組が現れる。おそらく、CMと副CMなのだろう。ソイツ等は勧誘メンバーと私達を見つけると、こちらに歩み寄ってきたのだった。………いや、中には走ってきている奴もいるのだけどね………。




