澪視点 真城家への訪問-4
「……別に大食い対決をしていた訳じゃ無いのに3杯も食べてしまったな……。」
「………それだけ暗雨ねぇの作るご飯は美味しい。………私も7杯たべちゃったし。」
「いやそれ本当に胃袋の中に収まっているのか?小さい身体に収まりきるとは思わないんだが……。」
私がそう言うと暗雨と雪奈さんは気にせずに牛タンカレーの入っていた器を洗っていた。……まぁ、どこかで消費しているんだろうと納得する事にする。……ただ彼女は何年生なのだろうかと考えたが聞くのは止めておこうと思う。ピッタリと当てられる自信が無いから仕方ない………このタイプは確実に間違えたら上でも下でもややこしい事になる。
「……じゃあ牛タンブロックで他にやれる料理を作っていく事になるけど……澪さんはまだ食べられます?」
「まぁ、まだ2杯だけしか食べてないし大丈夫だな。もっとも、明日から暫くは食べ物を控えないといけないがな……。」
このまま太るとバイトに影響が出てしまうので残りの料理は少しずつ食べる事にした。ただ、雫と姉さんは次々と出てくる料理を食べ尽くしていき、私に贈られてきた牛タンブロックをそのまま完食したのだった……。いや、どれだけ食べるんだよホントに……。
「そういえばなんで牛タンブロックなんか持ってたんですか?」
「ちょっと色々あってね……。暫くは福袋は見たくないって言えば姉さんに伝わるだろうけど………乱入バトルの罰を受けたんだよ。ただそこで文娘というNPCキャラが手に入ったな……。」
すると雫がキラキラとした目をしていたが暗雨になにやらゴニョゴニョと耳打ちされると途端に落ち込んでいた。……どうやら雫は同じ読みの文美娘という本を擬人化させたキャラだと思っていたらしい。……まぁ、そう判断してしまうのも仕方ないのかな……と感じながら私は色々と話を進めるのだった。
「………じゃあそろそろ帰るよ。暁美が戻ってこない間に帰ってしまいたいんだ。」
「そうですか。……しかし文娘は育成というか普通の子に育てるのが大変そうですね………。」
私が福袋デスマッチの中で暁美を生け贄にした事については伏せているが最初のタイキックとそれを見た文娘の反応については話しても問題ないだろうと判断した結果、暗雨達にかなりの情報を与えてしまったかもしれないと感じるが暗雨ならどうにかしてくれる。そう思った私は姉さんと供に家に戻るのだった。
………そこで待っていたのは3人分の夕飯を1人で食べきって玄関前でずっと待っていた従姉妹であり、私達は連絡を入れなかった事について色々と言われてしまうのだった。




