澪視点 福袋デスマッチ-7
「………残っているのは〔玩具〕〔服〕〔ゲーム〕の3つ……その中全部に罰ゲームは入っているんだろうな……。」
「そ、そそそそそそんな事ありませんって!多分残りは全部飴だけのハッピーセットですから!」
私の発言からアンシュはこれ全部飴と鞭になるフラグが立ったな……と思いながら見守っていると、〔玩具〕の袋を開いた瞬間、福袋の内面に『アンシュ、タイキック』とマジックで書かれていた。……これまでは注意していれば防げたのに対し、今回は開けた瞬間に罰ゲームが決定するという鬼畜仕様な方法でアンシュはタイキックされて悶絶していた。
「痛いですよ………これで良い物来なかったら罰ゲームを受けた意味が無くなりま………って、これも良い物ですね……。幻のカードパック100箱セットですか……。あくまでデザインを少し替えた復刻版なので高値では売れませんがこの弾のカードが新品で手に入るなら嬉しいですよ。」
「さっきから飴が物凄く甘いな……。なんというか、凄いどんでん返しが来そうで怖いな。」
私の声を2人は聞いていなかった。デイブラックはカードパックのデザインから何かしら思いつきそうになっているし、†ルシア†は妬みの視線をアンシュに向けている。その様子はまるでサンタさん(親)が双子に同じ物を頼まれたがそれは店に1つしか無く、双子の片方にそれが与えられた、もう1人が欲しかった物と違う物を貰ったときの様な目だ。
「……じゃあ次は〔服〕の福袋ですね……って、これ誰が着るんですかね?私じゃあサイズが全く合いませんよ……。そうですね……これはリアルでフェングニスに渡すとしますか。なので住所はフェングニスにしておいて……っと。まぁ、お年玉の1つや2つあっても良いでしょうからね。」
「これは飴だけの袋を選んだのか………?いやいや、有り得ないだろ………ってやっぱり罰ゲームはあったのか。」
今回は隠されていたりだとか福袋の中身にいきなり書いてあるとかでは無く、普通に罰ゲームとして入っていたのだ。ちなみにその罰ゲームは【じゃんけんで最後の人に決まった人が福袋を開け終えるまで数秒に1回、服のエフェクトが無くなり全裸の感触になる】というなんともキツい物だった。ほんの一瞬だけと言える程裸に見えている時間は少ないのだがアンシュは自分が痴女になってしまったと泣きそうになっている。
「………アンシュも可哀想だし、ヴァルツが先に引かない?」
「絶対に何か企んでるだろ……でも、まぁ流石にあのままだと可哀想だしな……。」
そんなこんなで急遽私が二番目に福袋を選ぶことにしよう……と思ったがそれはルール違反だとスカーレットさんに指摘されたので本当に申し訳ないがアンシュには私達が福袋を開け終えるまで耐えて貰うしか方法が無いようだと感じるのだった。




