澪視点 福袋デスマッチ-1
「……という訳で乱入した事がマオンさんにバレた事から罰ゲームが開始される事になりました………。いや、これも面白動画的に匿名性を高くしておくので問題ありませんよ。」
「あ、あの……スカーレットさん?なんでこんな事になっているんですか?」
「マオンさんは人の弱みに付け込んで恐ろしい事をするのが得意な様なので……ただサユリさんは年齢的に未参加となるので今回の参加者はデイブラックさん、ヴァルツさん、†ルシア†さん、アンシュさんの四名となります。」
帰って早々ログインすると変な場所へと転移させられて乱入事件を起こしたメンバーと供にあるゲームへと参加させられる事になったようだ。……ただ、〔福袋デスマッチ〕と書かれた大段幕からは不安以外を感じる事が出来ない。
「………とゆーか提案者に凄い心当たりがあるんだけど……。」
「奇遇ねヴァルツ、私も似たような人を知っているわ……。」
私が含みのある声を出すのだけど別にマオンというプレイヤーが姉だと分かった訳では無い。だけれども確実に姉の企画だと思えてくる……というのも似たような事が姉の指揮する文化祭で実感しているからだ。だがその時はクラスメイトが基準になっていた事や現実世界であった事もあり節度は守られていた。しかしここは仮想現実世界である為守られていた節度もぶっ飛んでいるだろう。
「………ではルールを説明しますね。まずジャンル毎に福袋が7個ずつあります。これを1人1つ取ってください………その中にある色々な物を実行させていただきます。ただ、運営側にとってのハズレ……もとい特殊なプレゼントもありますので狙ってみてくださいね………。」
そう言ってスカーレットさんは七色の福袋を取り出していた。色の中には如何にも何か起こると思える様な黒の福袋やゴージャスな金色の福袋等がある。だが、私が狙いを定めたのはスタンダードな赤色の福袋だ。まぁ、どちらにしろ争奪戦になるのは間違いないだろうと思うのでしっかりとアップをしておく。……ゲームの中でアップをしても意味が無い事は無いだろう。そう思いながら私は狙いを定めてクラウチングスタートの構えを取った。
「……それではジャンル〔文房具〕………スタート!」
最初の福袋は子供や一部の大人向けの福袋だった。最近ではネットで予約しないと買えないほどお得で人気のある福袋が登場したのもこのジャンルだった様に感じる。……ただそれに関するオシオキは受けたいと思えない物ばかりなんだろうな……と感じながら〔福袋デスマッチ〕を無事にクリアする為に走り出すのだった。




