暗雨視点 過労とメイドの二重奏-3
「メイド喫茶の経営に関してはアドバイスしてるだけ……って訳じゃなくって……アニメの宣伝や人材育成をさせて貰ってる感じかな……。虎春の働いているメイド喫茶って結構従業員が多いんだよね……でもアルバイトな人が殆どだから就活や受験等で離れていく人も少なくないんだよね……。で、私が目を付けたのは就活の子かな……。素質が良い子いたからVR電脳検定の資料と対策シートを渡してみたんだよ……そしたら模試で合格圏内に入ってたんだ~。」
「だからなんでそんな才能をすぐ見抜けるのさ?」
「ちょっと観察すれば大体分かるよ?で、時期が来たら私の部署にそのままスカウトしたいなぁ……って思っているんだ。寿退社はしないだろうけど虎春と結婚して子供が出来たら今のように働けないから私クラスの人材は育てておきたいんだよね……。」
確かに子供が産まれれば実家暮らしでも母さん達に任せっきりには出来ないだろう。虎春の方にでも任せれば良いのでは?とは思うのだが流石に全部任せっきりという訳にもいかないからと話している。まぁ、子供が産まれる前に人材育てた方が良いのは確定だな……と感じる。子供の為と今以上に張り切って仕事した場合、雪ねぇは本当に過労死しそうだからだ。
「……ただ、雪ねぇを見ているとアイドルのスカウトマンでもやってるのか?と思うよ……。」
「似たような事はもうやってるけどね。」
そういえばVRO内のアイドルは雪ねぇがスカウトした人材だったなぁ……と思ったのだが、そういえばその辺りの管理はどうなっているのかと聞いてみるとこんな感じで答えが返ってきた。
「VRMMOアイドルに関しての管理は信頼できる別の人に引き継ぎ中だよ。アニソン関連で私が仕事の管理をした方が良いかもしれないけど、これ以上仕事を増やしたら過労で倒れるぞって言われたから……。スカウトしすぎて手が回らなくなっているってのもあるからね………。」
まぁ、雪ねぇがスカウトした中で現在活躍しているのは2人程だけど……その内現実世界でも引っ張りだこになりそうなアイドルも育ってきているという……。その為下手すると雪ねぇは某アイドル系ソーシャルゲームのプロデューサー並に働かなければならなくなるのだ。それもVRMMOアニメ製作の責任者という任を果たしながら……だ。流石に全てを雪ねぇに押しつけるという事になってなくて良かったと思いながらも私はそれでも無茶しそうな雪ねぇと久々に話し込むのだった。




