暗雨視点 苛つきの反省-3
あの乱入戦で私に足りていなかったのは相手に脅威を与えられなかった事に尽きるだろう。今回のキーマンは†ルシア†というプレイヤーであり、彼女を攻略する事が出来ればなし崩しに他のメンバーも瞬殺出来た筈だ。まぁ、認識を操るなんて無理に等しいのだけど。
「……さて、それじゃあ8人同時に掛かってくると良い。今回の私は片腕だけしか攻撃に使わないし魔法も使用しない。さぁ、久しぶりに掛かってくると良い。」
私はログインしてから装備を外して初期装備に近いステータスの装備に変更する。まぁ、人数は多くなるがビル娘達8人と同時のPVPならば別の反省点も見えてくる筈だ。ただ、恐怖を与えるだけで勝つ行為は禁止であると自分に何度も言い聞かせた。最後にヴァルツが私に向けてアーツを使っていたのも私に恐怖していたからこそだ。
「……もしあの時ヴァルツが冷静だったら私では無く遠くに投げた腕を回収していただろうな。私は防御しか出来ないから動きは封じれるし腕を場外に放り出せば私の負けだった。……こんな変則ルールで闘う事はもう無いかもしれないけど対策はしておかないとなぁ………。」
私はビル娘達の攻撃を避けながら攻撃可能とした手を使って軽く陣を作る。乱入戦では攻撃は禁止だが防御に関しては禁止していなかった。その為私は最初に半径2メートルあたりに侵入を禁止する為の魔方陣を書くことを最初に行った。
「【この陣より先、我ともう1人以外の侵入を禁ず】【ダークサークル】」
狭すぎず、広すぎない空間を作り出したのは単純に乱入戦の時の様な状況を作り出さない為だ。片手だけしか攻撃に使えず、攻撃魔法も禁止されていると想像以上に攻撃可能な範囲は狭くなる。それに加えて起動力が高い前衛と的確な位置への遠距離攻撃をされるとかなりキツい。遠距離が当たるのを気にせず攻撃という案は却下するけどね。私はまだそこまでレベルが高くないし、雪ねぇの時の様にHPを底上げしていたという事も無いので被弾すれば大幅に削れる事が分かりきっている。
とゆーかイベントでFの弱点として紹介されているページにもHPがそこまで高くない事が挙げられている。その為私を倒す身内以外のプレイヤーが出るのはいつになるだろうか?と思いながら私はビル娘達を1人ずつ隔離して1対1に持ち込んでいく。
それからゲーム内時間で2時間後になんとか全員倒せたのだった。いや、私が作成したややチートがかった武器で闘っていたので本気で全ての攻撃を避けないといけない分かなり大変なPVPだったなと感じるのだった。




