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暗雨視点   コロッケと家族団欒と -3

「でもこのシステムがあればリアルアイドルのやるVRMMOアイドルの大バッシングも防げたんじゃあ……」

「まぁ、あれはDROを作った会社とあのアイドルの専属事務所の責任の方が強かったから、VRMMOがスケープゴートにされなくて良かったけどね………」


母さんと父さんが話しているのは、暁美ねぇが言っていた事件の事だと思う。一時期、VRMMOの撲滅運動が立ち上がってしまった事件の事だ。運動の方は数時間で鎮圧されたから問題はないとして…………。


『7Wilders・タイガ脱退騒動』という、名前の通りメンバーの一人が脱退した騒動…………数日の間そのタイトルでニュース番組で報道されていたのが、父さん達の言うようなあの事件だった。


この事件の発端は『7Wilders』にDRO内でVRMMOアイドルとしてやってみないかというオファーからだった。プロデューサーとゲーム会社の企画者は、従来のVRMMOアイドルの様にプレイヤーとしても楽しんで貰おうとしていた。


その様に聞かされていたというのはタイガのブログからも明らかだったが、それぞれの社長は『7Wilders』のメンバーや、プロデューサーや企画者にも聞かせずにシステムを変更した。


これはタイガのブログから分かった事だが、その仕様はVRMMOが楽しみだと日々コメントしていたタイガにとって酷な仕打ちだっただろうと思えるほど、VRMMOアイドルに特化してVRMMOのプレイヤーでは無い物だったのだから。


簡単に言えば、『ライブステージとなっている施設の控え室とステージから出ることができない。』『ステータス無し、現実世界での身体能力反映のみ』『アバター作成不可、リアルでの顔のみでしか出られない。』『装備品、アイテム固定。補正0の紙装備とマイクのみ』『別のバイザーを使っても同じ仕様になる。』『ライブイベントが唐突に決まる可能性があるため、他VRMMOのプレイ禁止』…………このぐらいだ。


ここまでの仕様を無断で行ったのにはそれぞれの社長と、プロデューサーとの意見というか、目指すタイプが違ったのだ。30度程と甘い事は無く、きっぱり180度違った。


プロデューサー達はフレンドリーで一緒に戦ったりイベントで協力したり………VRMMOアイドルのあるべき姿を目指して『7Wilders』をDROに誘った。


しかし、社長側の目指した物は………少々考えの古いアイドル像…………会おうとしても中々会えない届かない、まるで高嶺の花の様なVRMMOアイドルの姿だった。


……………でも、アイドル側の人権を全く考えていなかったせいか、現在でも議論されるような、さらには自分達が大損害になってしまったような問題を起こしたというわけだ。 


なんせタイガはメンバーの中で一番DROを楽しみにしていたメンバーというわけでは無い。タイガはもっともソロでの仕事も多く、当時の『7Wilders』の中で人気投票二位に二桁差を付けるほどの、一番人気のあったメンバーだったのだから。

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