暗雨視点 キャラメイク-4
さて、今度は種族なのだが………VROで最初に選ぶ方法は四つある。一つは、下位種族というカテゴリに入る物だ。種類としては、人間、ドワーフ、エルフ、鳥人、光人、闇人の6種類だ。この中から一つ選ぶのが、下位選択という方法だ。
上位種族に進化する事の出来る種族もあるが、基本的に上位種族も、下位もシステム的にはあまり変わらないのだけど。この選択肢の中で大々的に進化するのは光人と闇人だけなのだけど。
二つ目は、下位の種族を二つ選び、ハーフとする方法だ。簡単に言えばハーフエルフやハーフドワーフという物だ。この方法だと二つの種族の属性を両方取ることができるが、その分一部のスキルが伸びにくくなるというデメリットもある。
三つ目はランダムに三つ選ばれた上位種族から一つ選ぶという方法である。この中で出てこないのは、光人の進化後である天使と、闇人の進化後である悪魔である。
上位種族にはスキル欄を埋めない固定スキルという物があるだけなのだけど、それでも十分魅力的だ。しかし、初期には燃費が悪かったりするため、下位種族を選ぶ価値もあるのだと思う。スキルについてはスキルを選択する時に説明しようと思う。
私の選択欄に表示されているのは、ホークと雷人、ドリアードである。……………まぁ、私は四つ目の方法で決めることにしているので、この三つのスキルだけ説明しておこう。
ホークの固有スキルは『鷹の目』という索敵+戦闘補助スキルである。このスキルは、遠くにいる相手を認識する。弓や狙撃銃を使用中にも使えるため、戦闘にとても便利になるだろう。
次に雷人だが、これの固有スキルは『蓄電』である。これは雷系の攻撃を受けたとき、ダメージを軽減した後、確率で回復する事ができる。これは自分に放った雷魔法でもできるらしい。私はやりたくないけど。
そしてドリアードだが、固有スキルは『深緑迷彩』と精霊要素どこ行ったと言える程の変なスキルである。まぁ、このスキルは精霊の力を借りて身を隠す又は擬態するという物なので精霊という設定は一応は守られているのだろう。………精霊使いになっちゃってますけど…………まぁ、良いか。
さて、四つ目の方法としては…………完全にランダムで選ばれる二つの上位種族のハーフである。これは選び直しが不可能なのだけど、三つ目の方法には出てこないようなレア上位種族が出る可能性もある。
私はのんびりとやる方針なので、どのような組み合わせになっても大丈夫だと思い、このやり方で種族を決めることにした。
そして、その結果…………………私の種族がVWに表示された。このVWはこのVROで使われているシステムで、ステータスやらログやらを表示してくれる物だ。
『あなたの種族は、銀九尾ヴァンパイアになりました。』
『種族を選び直すことはできません。』
『アバターの造形を一部変更します。』
『アバターの髪の色が銀色に変更されました。』
『アバターの瞳の色が銀色に変更されました。』
『アバターに一部アクセサリが追加されました。』
…………………髪の色が元に戻ってしまったのはしょうがないと思いながら、私はスキルの選択に進むのだった。