豊音視点 いざ、ダンジョンへ-3
あれから何時間かダンジョンの中を彷徨っていると、本日何個目かの宝箱を発見しました。殆どが木製で蓋の縁などが鉄で出来ているといういかにもな宝箱です。まぁ、色は赤や青、緑に黄色などの様々な種類がありました。
……………でも、火山の中なのとリアリティの追求の結果なのか、鉄の部分に触れると火傷しそうな程の熱さと20程のダメージが発生するため、蓋の木製の部分に両手をつけて、蓋を押し上げるようにして開けないといけないのです。
「…………………………宝箱……………でも、さっきから『ビル娘ダミー』が宝箱から出て来たのがありますし、色にも法則性は無いですからね……………。赤から出てくると決めつけてたら普通のアイテムが出て来た緑の宝箱から急に出て来ましたからね………。」
あの恐怖感もあるのと、赤も緑の宝箱と同じようにアイテムと『ビル娘ダミー』と分かれていてるのか、それとも赤だけは『ビル娘ダミー』だけしか入ってないという疑惑があり中々開けるという所まで行けません。
……………………一応、宝箱を開けて『ビル娘ダミー』が出たとしても、その『ビル娘ダミー』は10秒くらいは攻撃してこないんですよね……………。でも、ここで死戻りしてしまったらこれまでの苦労が無駄になりますからその10秒でどれだけ死なないように対策して『ビル娘ダミー』を倒すか…………又は逃げるかという事も考えてしまいます。
「……………………ここは、開けてみますか…………………。」
三十秒ほど考え込んだ結果開けるという結論になりました。ここでアイテムが出てくれば赤の宝箱を全て見逃してしまった為にアイテムが手に入らなかったという後悔も無くなりますしね…………と、そんな考えで開けた赤い宝箱に入っていたのは………………アイテムでした。
『古傷のアクセシール』
・Lu + 75
・出血耐性 + 50%
・歴戦の戦士の古傷をイメージして作られたアクセサリー。顔だと十字に、右腕と左脚はクロス、左腕と右脚は直線というデザインとなる。
『裂傷の針』
・At + 10
・状態異常『出血』発生率100%
・耐久値 1/1
・状態異常『出血』を高確率で発生させるモンスターの鱗と『鉄鉱石』を混ぜて大量生産された針。1つの鱗で軽く8万本生産された程、製作者の『鍛冶』レベルは高い。この針は使い捨てではあるが、ヒットした相手に必ず状態異常『出血』を発生させる。
…………………今回の宝箱にはこの2つが入っていました。ただ、『裂傷の針』は300本がケース入っているという状態だったのでどれだけこの武器を消費したかったんだろう………?と思ってしまいました。




