暗雨視点 メイド喫茶へ行ってみた-2
「お帰りなさいませ、ご主人様!!」
「……………………お帰りです、ご主人。」
メイド喫茶に入ると、出迎えてきたのは、いかにもラノベで出て来そうなメイド喫茶の店員さんと、その店員の腰程の身長のロリメイド…………の店員さんだった。雪ねぇ曰く、ラノベメイドさんは『シュルク』、ロリメイドさんは『ツバル』という名前で働いているらしい。
「雪菜様、そちらの方は?」
「私の妹だよ。私はハルにご奉仕して貰いたいからメイドの指定が出来ない割引券は使えないんだ。」
「かしこまりました。では、妹さんにはアズサを連れてきますね。ハルさん、アズサさんご主人様のお帰りですよ~。」
そして私と雪ねぇはメイド喫茶内の席に通されるのだった。……………まぁ、水は飲み放題だけれども最初に100円支払わなければならないルールがあるが、このシステムを使うことで指名されたメイドさんを自然に来させることが出来るからね……。
そんな風に考察していると、黒髪のいかにも美少女!!という感じの女性と、なんだろう…………他人の空似かなぁなんて思える顔立ちのメイドがやってきていた。
「お帰りなさいませ、ご主人様。お仕事お疲れ様でした。」
「うん、ありがとうね、ハル。………………………後一年待てばこれが日常の風景になるんだよなぁ……………。」
「ご主人様……………私もそれを楽しみにしております。」
……………………………え~っと、あ、はい。やっぱりそっちの子がティグレね。うん、なんとな~くだけど、もう一人の方はリアルのティグレでは無いのだと分かっていたよ?でも可能性を信じてみようと思ったんだよ。……………………………雪ねぇとの新婚さんっぷりを見せられればそれだけで証明されたような物だしね……。
「お帰りなさいま………………」
「いや、何普通にメイドとして振る舞おうとしているんですか、生徒会長………………………。まぁ、それよりもなぜここで働いているのかを知りたいですけど……………。」
「あぁ、2年生の真城さんでしたか。ではそちらの方が…………真城さんのお兄さんと、その婚約者ですね?……………でも、私はここではアズサという名前です。お気軽にご奉仕の内容を注文してください。」
…………………………………………いやいやいや、話しが逸らされまくっているよ!!いや、ティグレがVROそのままな感じのメイドである事くらいは予想できていたけどさ………。まさかここでメイドの扮装をしてメイドとしてバイトしている我が高校の生徒会長にして鉱石と宝石を主に取り扱っている阿津山 麗華と出会うことになるとは………と頭を抱えたくなった私なのであった。




