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望視点  InD・ゴブリンの地図-2

南の門から外に出ると、そこは草原では無く岩山と呼べるような外観だった。まぁ、東と北が草原で、西は森であるという情報はあったからそこまで驚く事は無いのだけど………。


「じゃあ早速InDの地図を使ってゴブリン退治に行きましょうか。」

「うん!!普通のゴブリンなら楽勝だからレベルをどんどん上げよう!!」


そう言いながら、私は『InD・ゴブリンの地図』を取り出して、使用する。すると、空間が裂けてInDへの入り口が完成した。βテストでのInDの地図の入手方法はそれなりに厳しかった気がするのだけど、そこまで騒がれなかった。


多分、冒険者ギルドでも報酬の中にあったのだろう。β版では使い捨てだったのだけど、正式版ではどうなっているのか………と思いつつも中に入ろうとすると、後ろから超スピードで誰かが走ってきていた。


「ちょっ、ムーはん!!これどこで手に入れたん?パーティにへ入れてくれへんでもええから教えてくれや。」

「………………何しにここまで走って来たの?ピピン………。」

「何って同じアルカナプレイヤーなんや。自慢しに来たんやわ~。ダーリンはんはまだ仕事中かいな~。」

「うるさいわね…………そんなんだからリアルでも恋人連れの友人に嫌がられるのよ。」


走ってきたのはβテストの時にAlに全振りしていたプレイヤー、ピピンだった。一応リアルでは知り合い………なのかしら?オフ会で無いところで毎回会うわよね………。


「なんか失礼な事考えられてるけど一応叔母と姪の関係やん。ばっちゃも泣いてるで…………。御幸はんに嫁いでから実家帰って来てくれへんって。」


一応リアルのピピンは関係上は私の姪だけど、歳としてはピピンとは10歳しか違わないのよね………。私は18でデイブラックを産んでそのままラブラブ出来婚だったからピピンは28なのよね……。


「……………いや、なんだか帰りたくないのよね………。」

「冷たい事言うなや!!ばっちゃはβテストに落選して泣いちょったんや!!今は感激で興奮しすぎちょるけん寝かしとるけど。」


……………でもピピンがAlの最大値を叩きだした訳よね…………。多分Luはダーリンで、Atも予想は付いているけど………残りのメンバーが予想できない。でも、身内なら利用する価値はある。



「ま、ママ?なんだか凄く悪い顔に見えたけど………」

「気のせいよ。ところでピピン、武器って何を使ってる?」

「?スピード系だからβと同じ双剣だよ?」

「ゴブリンってどのくらいで倒せる?」

「え~っと、確か一匹倒すのに三十秒はかからないと思うよ?Atも少しずつ上げてるから。」


そして、私はなるべく黒く見えない笑顔を作ってこう言いました。まぁ、ピピンも納得するでしょうし…………。


「キナ、ピピンをパーティの中に入れて上げなさい。」

「…………?分かったよ、ママ。でも、晩ご飯終わったら今度こそ二人きりで攻略だよ!!」

「なんかすまへんな、キナはん………。」


さて、金の成る木もパーティに入った事ですし、早速ゴブリンの大虐殺に行きましょう。私はキナとピピンと一緒にInDの中に突入するのでした。

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