雪菜視点 ナジュレートはコラボが多い-4
あの言葉からチャラ男とモヒカン二人はロープで拘束されてそのまま御用となっていった。…………………いや、あっさりしすぎだと思うけどな……………と思ってしまう。手を組んでいなければまだチャラ男に救いはあったが、モヒカン二人と繋がっていたという事で救いようが無い悪党であると自己紹介した様な感じだったし。
手口としてはモヒカン二人に襲わせてから攻撃したふりで気絶した様に思わせる。そして、助けたお礼としてモヒカンが強奪しようとした金よりは低いが多額のロム、またはデートなどとこぎ着けて高い物を買わせるという奴だ。
それに、ティグレのようにチャラ男の要求を聞き入れない奴にはモヒカン二人が復活して脅すというような形だったのだろう。……………まぁ、私の槍を突きつけただけで動けなくなる程メンタルが弱いのでそこまでするなよ………と思ったのだけど。
「………………キナさん、助けてくれてありがとうございました。というか、男として情けなかったですね……………。チャラ男の『話術』スキルの関係もあったのかもしれませんけど、反撃できませんでしたから。」
「別にいいですよ。にしても、あの二人はなんでこの場から離れたんですかね……………?一緒に助けに行っても良かったはずなのに。まぁ、ティグレと二人きりになるのは初めてですけど。」
「………………すいません。またコラボ関連なんですけど、その時に助けられた人は助けた人と恋人になるとかそんな感じの描写がありまして………………。」
「で、二人は出て行ったのか……。それで、ティグレはなんで顔を赤くしてるの?」
「な、何でも無い!!俺は………その………昔は男性としてちゃんと見られていたのに、何で今は女と言われることが多くなってしまったのかって………。それに、キナさんが男らしくて格好いいかなって……………。いや、俺はホモでもなんでも無いですけど!!」
それを見て私はティグレは可愛いなぁと思いながら頭を撫でる。するとティグレの顔はさらに赤くなっていった。……………まぁ、私もレズビアンでは無いので変な感情にはなってないだろう。そう思いつつ私は、涙目なってきているティグレを抱きしめた。
「…………あの、俺………俺………。」
「よくやっていたなぁ………あの二人も。怖い目に遭っているときは泣かないのに、終わった後にドバッと助けられなかった時の事を想像しちゃって泣くって事。大丈夫、私の胸で泣いて良いから。」
そうしている間に、私は悟った。あのチャラ男とティグレのやり取りを見てイライラしたのは、ティグレを守るという意思がなんとなくあった事。そして今は、ティグレを守ろうという決心がついた………ということだった。それはゲームの中だけでなく、現実世界でも………………だ。




