望視点 リグル国立図書館-7
「はい、クエスト完了です。50QP貯まりましたので、ギルドランクをGに昇格します。Fランクまで上げるには、80QPまで上げる必要があります。それと、ギルドランクがGとなったため、スキルショップが利用できる様になります。」
「は、はい……………有り難う。」
「現在購入できるスキルとして、50QPの『速読』がありますが、購入されますか?」
「はい。買います…………。やっぱり、最初のは偶然だったのかしら…………?」
14冊の魔書の理解レベルをMAXにした私は、昇格したものの、本来の目的である文字列はたったの二つしか手に入らなかった。漫画だとあまり長い文字列が少ないから仕方ないかもしれないけど………。
『速読』を買ったのも、小説の方に切り替えるためだし……………『魔書理解』のレベルも18ぐらいに上がったから『速読』も合わせればそれなりに速く読めると思うのよね………。
「では、またのご利用をお待ちしております。」
「うん………すぐ来るわよ…………」
そう言って私はメインスキルの『調薬・5』とサブスキルに追加された『速読』を入れ替える。そして、フラフラとした足取りで掲示板に向かっていた。
手に入れた二つの文字列は以下の二つだ。偶然だったけどそこまで必要性が無いと思われそうな文字列だった。いや!使えるには使えるけど、効果が少しね………。
『文字列・かかってこい!!』………最低MP・5
『魔書漫画・アクション』から手に入れた文字列。対象者のヘイト値を少し上げる。対象者のDfを僅かに強化する。
『文字列・ワールドスクロールローリングアタック』……最低MP・200
『魔書漫画・アクション』から手に入れた文字列。パーティを組んでいるプレイヤーを対象に行える魔法。対象者を上空に放り上げ、回転させながら突撃させる。命中率は対象者のDe依存。失敗すると対象者のHPが1になる。
………ヘイト上昇は有り難いのだけどね…………キナというタンクがいるから。でも、ワールドなんちゃらはリスクが高すぎる気がする。そのため、技としては封印だろうと思う。
こうして見ると報酬で手に入った51000ロムを喜ぶしか無い気もする。序盤でこれだけの量が手に入るのはお得かもしれない。βテストの時の冒険者ギルドでは最低ランクのHではたったの300ロムしかくれなかったし………。
ても、後一時間でキナとの待ち合わせの時間になるのよね………。という事でそれぐらいで読めそうなクエストが無いかを探す。すると、良さそうなクエストを見つけた。この一冊にしよう。
そう思って私が手に取ったのはこんな依頼だった。
クエスト『錠付きの魔書の解読』
達成条件 錠付きの魔書の理解レベルMAX
報酬 InD・ゴブリンの地図×1 5000ロム 15QP
条件 ギルドランク G以上
これを設楽に見せると、設楽は錠の付いている本だけを持ってきた。あれ?鍵は?と聞く暇もなく、設楽の頑張ってくださいねとの声だけが響き、取り残されてしまう。
え?これって錠は自分で開けないといけないんですか?と困惑しながら、クエスト用のテーブルの前に座るのだった。




